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ピルを服用すると太るの?ピルにまつわるよくある疑問と誤解

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低用量ピルには、99.7%の高い避妊効果や、生理痛・PMSの改善効果などが期待できますが、副作用が気になりますよね。

気になる副作用の一つに、「ピルを飲むと太る」や「ピルを飲んでいると将来不妊になる」といったウワサを聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。しかし、ピルは医師の指示のもと正しく服用すれば安全性の高いお薬であり、ネガティブなウワサは誤解かもしれません。
今回はそんなピルにまつわる疑問や誤解についてご紹介します。

ピルの副作用について知りたい人はこちらをご覧ください。

ピルの副作用とは?知って安心!気になる症状とリスク

ピルを服用すると太るの?

「ピルを飲むと太る」というウワサを聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?
実は、これは誤解です。ピルの服用と体重増加の関連についてお伝えします。

結論から言うと、「ピルの服用と体重増加に因果関係はない」ということが研究で分かっています。
つまり、「ピルを飲む=太る」ということはないので安心してくださいね。

ピルを飲むと太ると言われている理由

ではなぜピルを飲むと太ると言われているのでしょうか。

ピルには2つの女性ホルモンが含まれています。そのうちの1つである黄体ホルモンには、むくんだり食欲を増加させたりする作用があります。これは生理前と同じ現象です。

「え!?じゃあ太るじゃん!」と思う人もいるかもしれませんが、これは一時的なもの

ピルを飲み始めると体内のホルモンバランスが変化するため、一時的にむくんだり食欲が増したりする可能性があります。
ですが、低用量ピルに含まれるホルモン量は少ないので、飲み続けていくと体内のホルモンバランスが整い、いつもの状態に戻っていきますよ。ご安心くださいね。

また、ピルに含まれるもう1つの女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)にも水分を溜めやすくする作用があるので、体に余分な水分が溜まり、むくみやすくなります。
そのため、体重はあまり増えていなくても「太ったかな?」と感じてしまうことがあります。
しかし、これも一時的なもの。ピルを3ヶ月ほど飲み続けると治っていきます。

また、ホルモン成分の直接作用ではないですが、ピルで生理痛やPMSが軽くなり、体調が改善することで食欲が増える人もいます。

ピルにまつわるよくある疑問や誤解

「ピルを飲むと太る」という他にも、ピルの副作用やピルはどんなお薬なのか気になる人もいるのではないでしょうか。
ピルについて詳しくみていきましょう。

まず、ピルというお薬について説明します。

ピルは、ピルに含まれる女性ホルモンの配合量の違いによって種類が分かれています。
ホルモンの配合量が少ない順に、超低用量ピル、低用量ピル、中用量ピル、アフターピル(緊急避妊薬)と呼ばれており、それぞれ使用目的が異なります。

避妊や生理痛・月経前症候群(PMS)・月経困難症などの生理関連のトラブルを改善する用途には、低用量ピルが利用されることが一般的です。
そのほかにも、生理周期の安定やニキビの予防などの効果も期待できます。

月経不順の治療や、生理日移動の際は中用量ピルが、子宮内膜症の治療などには超低用量ピルが用いられます。

使用目的や症状に合わせてお薬が選択されますので、始めて服用するときは、困っている症状や心配な副作用を医師にしっかり伝えてくださいね。

それでは、ここからは低用量ピルにまつわる「よくある疑問」や「誤解」について説明します。

主な副作用は?

低用量ピルを服用することで体内のホルモンバランスが変化するため、ピルの飲み始めは副作用が出ることがあります。
主な症状としては、不正出血・吐き気・頭痛・むくみ・気分の変調・乳房の張りなど。
特に多いのは不正出血で、約20%の人に起こるとされています。

これらの副作用は、飲み続けると体内のホルモンバランスが整い、症状は治っていきますので、まずは3ヶ月ほど飲み続けてみてください。
ただ、あまりにも症状がひどい、不安を感じるなどの場合は医師に相談することをおすすめします。

ピルを服用すれば必ず避妊できる?

低用量ピルは、基本的に毎日同じ時間に1錠服用する避妊薬です。飲み忘れがあると避妊効果は下がるので気をつけてくださいね。

正しく服用すれば99.7%という高い避妊効果が期待できます

しかし、100%というわけではないので、コンドームなどの避妊具と併用することが望ましいでしょう。
また、コンドームは性感染症を防ぐことにも繋がります。

ピルを服用すると、将来妊娠しづらくならない?

基本的に長期にわたって低用量ピルを服用していても、将来の妊娠には影響はありません

ピルはホルモン量を調整し、排卵を抑制することで高い避妊効果が得られるお薬ですが、妊娠する機能をなくすものではありません。
排卵が抑制されるのは低用量ピルを服用している間だけで、服用をやめれば、ほとんどの人は1〜3か月で自然な生理周期と排卵が回復します。
排卵がストップしている間は、卵巣や子宮を休ませることができるんですよ。

ピルの影響で卵巣や卵子の性質が変わり、妊娠しにくくなるということもありません

ピルを服用すると、情緒不安定になる?

ピルの服用と、気分の変化(落ち込む、情緒不安定になる)などは因果関係がないとされています。
低用量ピルは月経前の不快な身体・精神症状を改善させる効果が期待できるため、むしろ生理前の不快症状に悩んでいる人は低用量ピルを服用することで気分の浮き沈みが改善する可能性があります。

ピルを服用すると肌荒れする?

ピルを飲むと肌荒れするという噂を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、ピルには肌荒れを改善する効果があることがわかっています。
ピルの飲み始めはホルモンバランスが乱れるためニキビができることがありますが、それは一時的なもの。飲み続けることで改善されます。

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