ピルとは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという女性ホルモンに似た成分が配合されているお薬です。
ピルのうち、低用量ピルは毎日忘れずに飲むことで、高い避妊効果や生理に関する不快な症状を改善する効果が得られるお薬です。
では、もし飲み忘れてしまった場合は、どうすれば良いのでしょうか。
今回は、低用量ピルを飲み忘れた場合の対処法についてご紹介します。
【ケース別】低用量ピルを飲み忘れた際の対処法
ピルを飲み忘れた場合、何日分飲み忘れてしまったかによって対処法が異なります。
低用量ピルの飲み忘れは決して珍しいことではありませんので、飲み忘れたときは落ち着いて対処しましょう。
1錠飲み忘れたとき
気づいた時点ですぐに飲み忘れた分を飲み、当日分はいつも飲む時間に飲みましょう。
気づいた時間がいつも飲む時間と近いという場合には、いつも服用している時間に2錠まとめて内服します。
それ以降は通常どおり服用してください。
例:いつも22時に飲んでいる場合
18時ごろに昨晩22時に飲む分の飲み忘れに気付く ⇒ すぐに1錠服用する
その後その日の22時に1錠服用する
2錠以上飲み忘れたとき
一度服用を中止し、次の生理がくるまで待ちましょう。
今回服用していたシートにお薬が残っていたとしても、そのシートは破棄して、次の生理がきたタイミングで新しいシートから服用を開始してください。
シートの途中で2錠以上を飲み忘れてしまった場合、避妊効果が下がっている可能性があります。また、服用をストップしている間は避妊効果が期待できないため、次の生理がくるまでは他の避妊法を使用するか、性行為を避けるようにしましょう。
※医師の指示で服用を続ける場合は、避妊効果を医師に確認するようにしましょう。
なお、飲み忘れの回数が多くなるほど不正出血が起こりやすくなるといわれています。
飲み忘れや、不正出血が起きてしまって不安な時は、医師、もしくはスマルナ医療相談室で相談してみてくださいね。
偽薬を飲み忘れたとき
偽薬(プラセボ)とは、ホルモンが配合されていないお薬のことで、お薬の飲み忘れを防ぐために作られたものです。
28錠タイプの低用量 ピルには偽薬(プラセボ)が用意されています。
なお、「偽薬期間に飲み忘れてしまった…」という場合は特に心配はいりません。
偽薬にはホルモンが配合されていないので、飲み忘れてしまっても効果に影響はありません。飲み忘れた分は捨てて、その後は通常どおり1日1錠服用しましょう。
低用量ピルには錠数が異なる2種類のタイプがあることをご存知でしたか?
1シートのお薬の数が21錠タイプのものと、28錠タイプのものがあります。どちらも28日を1周期としており、この2つのタイプの違いは休薬期間の過ごし方。
- 21錠タイプ…1シート21錠を飲み切って、7日お薬を飲まない休薬期間
- 28錠タイプ…1シート28錠を飲み切って、飲み切ったら2シート目を飲み始めます。
どちらも21日間実薬を服用し、7日間休薬期間を設けます。
28錠タイプの場合は、この休薬期間に偽薬(プラセボ)を服用することで、毎日お薬を飲む習慣をつけ、飲み忘れを防ぎます。
21錠タイプの場合、7日間の休薬後にはお薬を飲みません。休薬期間明けがいつだか忘れてしまい、次のシートを飲み忘れてしまった、という体験談をよく耳にします。
28錠タイプであれば毎日服用するため、次のシートを開始するタイミングを忘れることなく、スムーズに服用を続けることができます。
※休薬期間中の避妊効果について
休薬期間中の避妊効果は、休薬期間明け、次のシートを飲み忘れることなく服用した場合に持続するとされています。
7日間の休薬=偽薬期間を守って、きちんと新しいシートの1錠目を開始しましょう。
低用量ピルを毎日同じ時間に飲む理由
低用量ピルは24時間ごとに飲むことで、高い避妊効果を得られるお薬です。
避妊効果が得られる仕組みとしては、ホルモンを体外から摂取することで、体内にホルモンが既にあると脳が認識し、ホルモンの分泌が抑えられます。
その作用により、子宮内膜が厚く成長するのを抑え、排卵が抑制されることで避妊ができる仕組みです。
このような作用は毎日服用することで得ることができ、飲み忘れると体内でホルモンの分泌が起こり子宮内膜が成長したり、排卵が起こる環境になってしまい、避妊効果が薄れてしまう可能性があります。
高い避妊効果を得るためにも、忘れずに1日1錠をできるだけ同じ時間に服用するようにしましょう。
※時間の誤差について
1分1秒もずれてはいけない!というお薬ではありません。2〜3時間の誤差なら効果に大きく影響が出ないとされています。
「毎日同じ時間に!」と思うと疲れてしまったり、ストレスを感じてしまったりするかもしれませんが、「少しなら大丈夫」と肩の力を抜くことも大事です。
低用量ピルの飲み忘れを防ぐコツ
もし飲み忘れてしまっても適切に対処すれば問題ありません。といっても、毎日一定の時間に飲むことで効果を発揮するのが低用量ピルです。
そこで、お薬をきちんと決まった時間に服用するためのアドバイスをご紹介します。
毎日のルーティンの前後を服用時間にする
「歯磨きをしたあとに飲む」「お風呂あがりに飲む」「寝る前に飲む」「食後に飲む」など、毎日の習慣づいた行動と一緒にピルを服用することで、服用自体も習慣化されて忘れにくくなります。
ただし、休日も忘れないようにするため、休日も行うルーティンワークと一緒にすることが良いでしょう。
スマートフォンのアラームをセットする
定番なのはスマホなどを使ってアラームをかける方法です。
服用時間にアラームが鳴るように設定しておきましょう。
スマートフォンの機種にもよりますが、繰り返し設定で毎日同じ時間に鳴らすことができます。
スマルナアプリでも、毎日お薬を飲む時間をアラームで知らせる機能「服薬アラーム」をかけられます!
見える場所に置く
毎日目にする場所に置いておくと、見えたときに思い出せるので、忘れず服用できるという意見がありました。
誰かにリマインドを頼む
自分1人だとつい忘れてしまいそう・・・という方は、家族や恋人などに確認してもらうのもいいかもしれません。
記録をつける
飲んだかどうかを記録しておくと、昨日飲んだっけ?と不安になったときに確認できたり、飲み忘れに気づきやすくなったりするので安心です。
カレンダーに印をつけると楽しく続けられるかもしれませんね。
飲み忘れによる対処法についてもっと知りたい、という方はスマルナ で相談を
もしピルを飲み忘れてしまっても、「何錠飲み忘れたのか」「シートの何列目を飲み忘れたのか」を確認し、慌てず落ち着いて対処しましょう。
避妊効果が下がることもあるので、必要に応じてほかの避妊法も併用してくださいね。
ピルは毎日飲むことで、高い避妊効果が得られるお薬です。
ご自身のライフスタイルに合わせて、飲み忘れを防ぐ工夫をするようにしましょう。
スマルナでは、ピルのオンライン診療サービスを行なっております。
医師によるオンライン診察で、自分にあったピルを提案・処方してもらうことができます。
また、生理や避妊、ピルに関する疑問点(頭痛や吐き気といったマイナートラブル・血栓症のリスクなどの副作用について)があれば、薬剤師や助産師に無料で相談も可能です。
ピルの飲み方について心配なことや分からないことがあれば、スマルナ医療相談室でご相談くださいね。