低用量ピルの処方ができない基準は必ずしも明確ではありませんが、「喫煙」「40歳以上の人」そして「肥満」である方は処方をしてもらえない場合があります。特にBMIが30以上の人は注意が必要です。
今回は、低用量ピル服用に肥満が良くないとされる理由と、BMIの計算方法についてお話ししたいと思います。
低用量ピル服用に「肥満」が良くない理由
肥満は「血栓症」のリスク要因の1つ。血栓症とは、血管の中で血のかたまりができ、血管が詰まってしまうことをいいます。
低用量ピルを服用しているとわずかながら血栓症になる確率が上がります。
それに加え「BMI」が30以上ある「肥満」の方は、さらにそのリスクが高まるため、ピルの処方が難しい可能性があります。
では、肥満の基準となっている「BMI」とは何なのか、どうやって計算するのかを解説していきます。
BMI(Body Mass Index)とは
BMIとは身長と体重から計算する体格を表す指数です。
求め方は以下の式の通りです。
BMI = 体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)
例えば、身長160㎝(1.6m)、体重56kgの人は下記のような計算になります。
BMI = 56 ÷ 1.6 ÷ 1.6 = 21.875
BMIは21.857となり、ピルの処方には問題ない数値ですね。
慣れるまで少し難しいかもしれませんが、ピルを服用中、もしくはこれからピルを服用しようと思っている方は一度計算してみてくださいね。
なお、BMIは身長と体重から計算を行うため、体脂肪率は考慮されていません。
BMIのみで考えてしまうと、下記のような考慮が抜けてしまうので注意が必要です。
- トップアスリートやボディビルダーなどの筋肉質で体重が多い場合、体脂肪率は低くても「肥満」と判定される
- 隠れ肥満のような、体脂肪率が高くて体重が少ない場合には「痩せている」と判定される
BMI絶対!ではなく、あくまで一般的な成人の肥満指標の一つとして考えるようにしましょう。
※BMI「22」が標準体重とされています。これは統計的に最も病気にかかりにくい体重といわれています。
なお、体脂肪率は健康な身体でいるためにも重要な要素です。健康的な数値とされているのは、男性は10〜19%、女性は20〜29%です。隠れ肥満にならないためにも、体脂肪率もチェックをお忘れなく!
普段から体重管理を
低用量ピル服用の有無に関係なく、BMIが高くなりすぎるとさまざまな病気になる可能性が高くなります。
ピルを服用するために減量したとしてもリバウンドしてしまえば、再び服用できなくなるかもしれません。
健康のためにも、普段からの体重管理を行うことは大切です。
体重の増減が激しい人は、体重管理をするために体重表やカロリー表をつけることが効果的です。
最近は、写真をとったり料理名を入力するだけでカロリーを計算し、記録してくれるアプリなどもありますので、活用してみてくださいね。
まとめ
太り気味かな? という方は、一度、BMIを計算してみましょう。また、自分の身長における標準体重も、減量の際の目安になります。
低用量ピルを飲む方はBMIが30を超えないよう、自分にあった方法で体重管理を行うようにしましょう。