避妊や生理のトラブル改善など、さまざまな目的で服用されている低用量ピルですが、「ピルを飲むと太る」という噂から服用をためらっている人もいるのではないでしょうか?確かに、嬉しい効果がたくさんあっても「太る」と聞くと不安になりますよね…。
この記事では、なぜ「ピルを飲むと太る」といわれているのかをお伝えします!
ピルと体重増加の因果関係は「ない!」
現在服用されている多くの低用量ピルにおいて、「ピルの服用と体重増加に因果関係はない」という研究結果が多数報告されています。
低用量ピルを服用して「体重が増えた」という方は、0.8~2.2%いたと報告されていますが、その後の研究結果から因果関係は確認されませんでした。
つまり、「ピルを飲む=太る」ということはないので安心してくださいね。
「ピルを飲むと太る」といわれている理由は?
因果関係がないことが分かりましたが、ではなぜ「ピルを飲むと太る」と言われるのでしょうか?
その理由をみていきましょう。
食欲が増える?
ピルには2つの女性ホルモンが含まれています。そのうちの1つである黄体ホルモン(プロゲステロン)には、食欲を増加させる作用があります。これは生理前に食欲が増すのと同じ現象です。
「え!?じゃあ太るじゃん!」と思う人もいるかもしれませんが、これは一時的なものです。ピルを飲み続けていくと、体内のホルモンバランスが整い、いつも通りの食欲に戻っていきます。
むくみやすい?
ピルには黄体ホルモンの他にもう1つ、卵胞ホルモン(エストロゲン)という女性ホルモンが含まれています。
卵胞ホルモンには水分を溜めやすくする作用があるので、体に余分な水分が溜まり、むくみやすくなります。
そのため、体重はあまり増えていなくても「太ったかな?」と感じてしまうことがあります。
しかし、これも食欲増加と同じく一時的なもの。ピルを3ヶ月ほど飲み続けるとおさまってきます。
昔のピルは太ってた!?
「ピルは太る」といわれているのは、過去に飲まれていたホルモン量の多いピルの話です。
以前は中用量ピルや高用量ピルが長期的に服用されており、その作用で太ってしまうことはあったそう。
中・高用量ピルには卵胞ホルモンと黄体ホルモンの含まれる量が多いため、食欲増加やむくみが強くでていました。
現在飲まれている低用量ピルはこれらに比べてホルモン量が少ないため、食欲増加やむくみの副作用は軽減されています。
ピルの飲み始め、体重を増加が気になる場合は?
体重増加に因果関係がないとはいえ、ホルモンバランスが整うまでは食欲増加やむくみが出ることも。そんな場合はどうしたらいいのでしょうか?
食生活に気をつける
ピルに太る作用はありませんが、お薬に含まれる女性ホルモンの関係で一時的に食欲が増加することがあります。
食欲にまかせて食べ過ぎてしまい胃袋が大きくなると、副作用による食欲増加がおさまった後も食事量が増えてしまうため、結果的に太ってしまう可能性が考えられます。
食生活に気をつけることはわかっているけど、我慢するとストレスを感じてしまい、難しいこともありますよね。
食欲がなかなか抑えられない時のポイントは、血糖値が上がりすぎない食べ物を選ぶこと。玄米やさつまいも、バナナなどがおすすめです。
ピルの種類を変えてみる
同じピルを飲んでいても副作用が出るかどうかは個人差があり、現れる症状の種類も人によって異なります。
食欲増加やむくみの症状が強いと感じる場合は、ピルの種類を変えてみるのもいいかもしれません。
ピルにはさまざまな種類がありますので、ピルの種類を変更したいときは医師に相談してみましょう。
まとめ
「ピルを飲むと太る」といわれることがありますが、これはピルに含まれる女性ホルモンの作用により、むくみや食欲増加が起こるからなんです。
でも、これは一時的なもの。飲み続けていればおさまることも多く、食欲増加やむくみなどは改善されていきます。
ピルを飲んだからと言って太るわけではないので安心してくださいね。
現在でも低用量ピルは改善が重ねられており、副作用も軽減されていますが、もし「飲み続けるのが辛い」という悩みがある場合は、お薬の処方をしてくれる医師に相談してみてくださいね。