アフターピルを飲んだ後、またも避妊に失敗してしまった...また、避妊に協力してもらえなかった...。
いざというときに頼れるアフターピルですが、繰り返し飲んでも効果は得られるのでしょうか?また、身体への負担はあるのでしょうか?
今回は、アフターピルを繰り返して飲んだときの、お薬の効果や、身体への影響について解説します。
繰り返し飲む「タイミング」に注目
アフターピルを「繰り返し飲む」場合には、大きく分けて2つのパターンがあります。
①避妊成功を確認する前に再度服用
1つ目は、アフターピル服用から3週間後に妊娠検査薬や産婦人科を受診して避妊成功を確認する前に、再びアフターピルを飲むパターンです。
アフターピルには排卵の抑制や、排卵を遅らせる効果があり、アフターピルを服用することで排卵のタイミングが普段の生理周期とは変わります。
妊娠の有無を確認する前、排卵のタイミングで性行為を行った場合、再度アフターピルを飲んだとしても妊娠を阻止する確率が下がってしまう可能性があります。
②避妊成功が確認できた後に再度服用
2つ目は、アフターピル服用から3週間後に妊娠していないことを確認した後、再びアフターピルを飲むパターンです。
この場合、基本的にお薬の避妊効果に影響はないとされています。
短期間の連続服用は推奨されていない
アフターピルは、女性ホルモンの1種である黄体ホルモン(プロゲステロン)を主成分としています。
この黄体ホルモンは超低用量ピル・低用量ピル・中用量ピルにも含まれていますが、アフターピルは他の薬と比べると、含まれているホルモン量が多くなっています。
一度にたくさんのホルモンを体内に取り入れることになるので、アフターピルを飲むと一時的にホルモンバランスが大きく変化します。そのため、短期間に連続で飲むことは推奨されていません。
避妊成功が確認できる前に、何度お薬を飲んでも避妊効果は上がりません。
妊娠の可能性が高い性行為から時間が経ってしまいタイムリミットが近い場合などは、かなり不安になってしまうかも知れませんが、体への負担も大きくなってしまうので、服用は1錠だけにしましょう。
なお、緊急避妊を服用後12時間以内に避妊に失敗した場合は再度、緊急避妊を服用する必要は無いとされてますが、緊急避妊が必要な状況の場合は自己判断せずに必ず医師に相談してください。
12時間以上経過した場合は再度の服用も検討しないといけなくなりますので次の生理が来るまでは性交渉を避けるようにしてください。
【服用後2時間以内に吐いてしまったら?】
服用後2時間以内に副作用の影響でお薬を吐いてしまった場合は、お薬の効果が得られないため、もう1錠飲む必要があります。吐いてしまった時の対処法は、すぐに医師に相談しましょう。
※この場合は連続服用とはなりませんので、安心してください。
アフターピル服用後は生理周期が一時的に乱れることも
避妊成功のサインである消退出血の後の生理周期は、基本的にそこまで大きく乱れることはありません。
お薬を飲んだ半分くらいの方が生理予定日より数日前後ずれ、そこで生理が来なかった方も、ほとんどは生理予定日の1週間後以内に起こると言われています。
ただ、アフターピルで繰り返し避妊を行う場合、生理が遅れることで「妊娠しているかも」という不安やストレスから生理周期が一時的に乱れてしまうことがあります。
アフターピルを飲まなければならない状況が大きなストレスとなり、生理周期に影響を及ぼすこともあるのです。
アフターピル服用後は、なるべくリラックスして過ごすように心がけましょう。
また、毎回の性行為後にアフターピルを服用するということは、常に不安を抱えて過ごすことになり大きなストレスとなります。コンドームや低用量ピルで計画的な避妊をするようにしましょう。
アフターピル服用後は性行為を控えよう
お薬服用後は、避妊効果が得られたかしっかり確認するために、次の生理や消退出血が起こるまで性行為を控えるのが基本です。
アフターピル服用後、避妊成功したかどうかを確認する前に、妊娠の可能性がある性行為を繰り返さないよう、十分に注意しましょう。
なお、アフターピルは24時間以内の服用で95%, 72時間以内で84%,120時間以内で63%の避妊効果があると言われていますが、100%妊娠を防ぐことはできません。「アフターピルがあるから避妊に失敗しても大丈夫」と考えてしまうことはとても危険です。
低用量ピルで継続的に確実な避妊を
継続的かつ、より確実な避妊方法として「低用量ピル」の服用という選択肢があります。
低用量ピルは、アフターピルのように1錠に多くのホルモンを含むお薬ではなく、毎日少しずつホルモンを摂取して排卵を抑制していきます。身体への負担も比較的少なく、常に避妊効果を得たい方には適した避妊方法と言えるでしょう。
低用量ピルを正しく服用すれば、99.7%の避妊効果を得ることができます。
コンドームも正しく使えば約98%の避妊効果がありますが、実際は破れたり、正しくつけることができなかったりして、平均的な避妊率は約87%と言われています。低用量ピルの方がずっと避妊効果が高いことが分かりますね!
また、低用量ピルはPMS・生理痛・生理周期の改善や、生理日移動、ニキビや肌荒れの改善など、日常生活を快適にしてくれる効果も期待できるお薬です。
危険性はほとんどない薬でありますが、服用を検討する際には一度医師に相談してみましょう。
まとめ
アフターピルは、いざとなったときに頼れるお薬ですが、あくまで「緊急用のお薬」であることを忘れないようにしましょう。
ホルモンバランスへの影響や、経済的・精神的負担を考えても、やっぱり事前の避妊が大切。
アフターピルを繰り返し服用する事態に陥らないよう、低用量ピルやコンドームなどを使って、きちんと自分の身体を守りましょう!
また、お薬を飲んだ後は、避妊に成功したか確認できるまで性行為を控えるのが原則です。
スマルナ「医療相談室」では、無料相談で詳しくお話を伺っています。
アフターピルの飲み方や、低用量ピルについてご質問ありましたら、お気軽にご相談くださいね。