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妊娠だけじゃない!生理がこない5つの理由を解説します

生理予定日に生理がこないという経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
妊娠の可能性がない場合や、妊娠検査薬の結果が陰性だったのに生理がこない場合など「どうしてだろう?」と思うことがあるのではないでしょうか。

生理がこないのは、妊娠のほかにもホルモンバランスの乱れや子宮の病気などのさまざまな原因が考えられます。

今回は、生理が遅れる原因と、その対処法や病院を受診する目安の時期などについて解説します。

生理がくる仕組みとは

生理とは、妊娠に備えて準備されていた子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに経血として身体の外に排出されることをさします。

生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの日数を「生理周期」といい、生理周期は大きく4つの時期に分けられます。

・卵胞期:卵胞ホルモン(エストロゲン)が多く分泌され、子宮内膜が厚く育ち、排卵に向けて卵胞を育てます。

・排卵期:排卵が起こります。

・黄体期:黄体ホルモン(プロゲステロン)が多く分泌され、基礎体温が少し上がり、子宮内膜を着床しやすい環境に整えます。

・生理:妊娠をしなかった場合、厚くなった子宮内膜が剥がれ、血液などと一緒に「経血」として体外に排出されます。

1回の生理周期では、下記の図のようにホルモンバランスが変化しています。

何日生理が来ないと「生理不順」?

医学的に正常と言われる生理周期は「25~38日」です。また、生理周期の変動は6日以内なら問題ないとされています。
生理が1回ずれた、ということであれば次回の生理はどのタイミングでくるか様子をみることがあります。

下記に当てはまる場合は生理不順に該当する可能性があり、一度病院で診察を受けて原因を確認することをおすすめします。

・毎回の生理で7日以上生理周期がずれる

・24日以下の周期で生理がくる(頻発月経)

・39日以上〜3か月未満の周期で生理がくる(希発月経)

・妊娠をしていないのに3か月以上生理がこない(続発性無月経)

妊娠以外で生理がこない原因5つ

「生理がなかなかこなくて不安」と感じた経験がある人もいるのではないでしょうか。妊娠していないのに生理がこない原因について考えられることを5つご紹介します。

①過度なストレス

環境の変化や仕事、学校、人間関係など、ストレスが過度にかかることでホルモンバランスが乱れ、生理が遅れてしまうことがあります。
大きなストレスだけでなく、日常生活の小さなストレスの積み重なりによってストレス過多となることもあります。

②過度なダイエット

過度な食事制限によって栄養が足りない状態が続くと、身体は生命を維持するのに必要な臓器に栄養を優先的に送るようになり、排卵や生理に必要な十分な栄養(エネルギー)が送られなくなります。

それにより生理が遅れたり、生理がこなくなったりすることがあります。

③子宮や卵巣の病気

子宮や卵巣の病気が原因で生理が遅れていることもあります。

その他にも子宮内膜症や子宮頸がんなど、生理不順の原因にはさまざまな可能性が考えられるので、ご不安なときは検査を受けてみてくださいね。

④甲状腺の病気

生理が遅れる原因が甲状腺の病気という可能性もあります。

甲状腺とはのどぼとけの下にある臓器のことで、そこから分泌される甲状腺ホルモンは、全身の新陳代謝を促進する働きがあります。
ホルモンの分泌が過剰な場合は甲状腺機能亢進症、不足している場合は甲状腺機能低下症などの病気が疑われます。
甲状腺に異常があるとホルモンの量をコントロールしにくくなり、女性ホルモンのバランスが乱れて生理が遅れることにつながります。

⑤早発閉経

自然な状態で1年以上生理がこなければ閉経となります。

日本人女性は平均50歳前後で閉経すると言われていますが、40歳未満で生理が止まることを早発閉経と言います。

ホルモンを分泌する卵巣や自己免疫の病気、遺伝子の異常、卵巣への化学療法や放射線療法などが原因となって排卵が起こらなくなり、生理が来なくなると考えられています。

女性ホルモンの低下によって疲労やのぼせ、ほてりなどの症状が出ることがあるので、生理がなかなかこなくて不安なときや、いつもと違う症状があった場合は早めに病院を受診しましょう。

受診の目安は?

何も異常がない場合でも生理予定日に生理がこないことはよくあることです。

生理予定日から6日以内であれば1週間ほど前後することは問題ないとされていますので、過度に心配する必要はありません。

数日遅れている程度であれば、様子をみるようにしましょう。

3か月以上生理がこない場合は「続発性無月経」と言われ、ホルモン異常やその他の病気が原因の可能性もがあります。

3か月以上生理がくるのを待ったり、「ストレスのせいだろう」と自己判断して放置するのはNGです。

病気の発見が遅れると不妊につながったり、回復が難しくなったりする可能性があるので、3か月たっても生理がこない場合は、放置せず早めに医師に相談するようにしましょう。

また、必ずしも3ヶ月待たないといけないわけではありません。

気になる症状がある場合はそのタイミングで医師に相談しても問題ありませんので、「行こう」と思ったタイミングで受診するのがおすすめです。

生理がこない原因が妊娠であると判断するには?

生理がこない原因が妊娠であると判断する方法は、妊娠検査薬で検査をすることです。

生理がこないことや、その他の症状から妊娠していることを判断することは難しいため、薬局で妊娠検査薬を購入したり、病院で検査したりしましょう。

検査は、生理予定日の1週間後以降、もしくは妊娠の可能性がある性行為から3週間後以降に行います。

なお、妊娠している場合、体内では妊娠を維持するためにホルモンバランスが変化していきます。その変化に伴い、「妊娠初期症状」が現れることがあります。

妊娠の可能性がある場合は、自分と赤ちゃんの健康のためにも、早めに検査するようにしましょう。

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もしかして妊娠してる?生理痛と妊娠初期の症状の違いについて紹介

まとめ

妊娠以外で生理が遅れる原因はストレスによるホルモンバランスの乱れであることが多いですが、なかにはホルモン異常や病気が隠れている場合があります。
原因を自分で判断したり放置したりせず、生理がなかなかこなくて不安なときや、いつもと違う症状があった場合は早めに病院を受診しましょう。

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