年齢によって、体内のホルモンバランスや生理の症状は変化するってご存知ですか?
今なんとなく不安に思っている生理トラブルの症状も、もしかしたらホルモンバランスが大きく関係しているのかも知れません。
ここでは年代別に、身体や生理の症状の変化、そして各年代で特に気をつけたい病気について解説していきます。
思春期:不安定な生理
まずは、思春期における生理について見ていきましょう。
思春期は、ココロと身体が子どもから大人に成長する8歳~18歳ごろの時期を指します。
日本では、だいたい平均12~13歳頃に初めての生理が来ると言われています。
そして最初の生理の後から、子宮や卵巣の成長とともに、女性らしい身体をつくる卵胞ホルモン(エストロゲン)と呼ばれるホルモンの分泌量がだんだんと増えていくのです。
生理が始まってから最初の数年間は、生理周期が不安定になることが多く、出血の量もバラバラ。
2~3ヶ月生理が来ないことも珍しくないようです。
この頃の生理は、排卵をしないまま生理を迎える「無排卵性月経」であることが多いのも特徴です。
思春期後半(16~18歳ごろ)になると、卵巣の成長とともに生理周期も安定し、排卵をともなった生理が始まります。
排卵が始まると生理時の子宮の収縮が強まり、生理痛を感じることが増えることも。
生理痛があまりに酷く、生活に支障をきたす場合は、ガマンせず、早めに病院で受診するようにしましょう。
性成熟期:ホルモン分泌のピーク
続いて、18歳頃〜40代前半ば頃までは性成熟期と呼ばれる時期に突入します。
この時期は、女性ホルモンの分泌量が一生のうちで最も多く、生理周期も比較的安定してくるのが特徴です。また、妊娠・出産に最適なのも、この性成熟期とされています。
しかし同時に、生理周期に合わせた女性ホルモンの変動も大きく、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気のリスクが高い時期でもあります。また、仕事や結婚、出産などによるライフイベントでストレスにさらされることが多くなるため、生理前の不調(PMS)や生理不順が起こりやすくなる方も。
生理の症状で、以下のような症状が起こり始めたら、病気のサインである可能性が高いです。
- 生理痛が毎月悪化している
- 鎮痛剤があまり効かなくなってきた
- 出血量が急に増えた
- 吐き気や腰痛がひどい
妊娠を希望する方は、病気の発見などが遅れると不妊につながることもあるので特に要注意です。
病気の早期発見と治療のために、定期的な検診を心がけましょう。
更年期:閉経に向けて
40代後半くらいから、更年期と呼ばれる時期に入っていきます。
この時期には、女性ホルモンの分泌が急激に低下するので、生理周期がとても不安定になります。
生理周期が急に短くなったり(頻発月経)、逆に周期が極端に長くなったり(希発月経)を繰り返す人が多いようです。こうして生理の回数がだんだんと減っていき、最終的に閉経を迎えます。
閉経の年齢は個人差がありますが、現代人は平均して50歳前後で閉経と言われています。
また、このホルモンバランスの急激な変化に伴って、カラダとココロに表れる不調を「更年期症状」と言います。人によって症状はさまざまで、全く症状を感じない方もいれば、生活に支障が出るほど症状の重い方もいます。
日常生活に支障が出てしまうほど、症状が重い場合は、「更年期障害」と言われます。
カラダの主な症状
- ホットフラッシュ(突然の発汗やほてり)
- 貧血
- 動悸
- 耳鳴り
- 息切れ
- 頻尿
- 膀胱炎
- 膣の乾き...etc
ココロの主な症状
- イライラ
- 不眠
- 鬱
- 無気力
- 不安感...etc
更年期症状は治療で改善できる場合もあるので、症状が辛いときは婦人科で相談してみましょう。
心身ともに変化の多い時期ですが、新しい趣味を見つけてストレスを発散する、また、食事や生活習慣を改善するなど、今まで以上に健康を意識して生活してみるようにしましょう。
まとめ
思春期、性成熟期、更年期と、それぞれのステージでわたしたちの身体は大きく変化していきます。ホルモンバランスに左右され、戸惑ってしまうことも多いですが、自分の身体と丁寧に向き合って生活していきましょう。
また、生理の諸症状が、病気を察知する鍵となることもあります。継続して生理周期の振れ幅が大きかったり、生理トラブル等でお悩みの場合は、年齢に関わらず、一度医師に相談してみることをおすすめします。