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生理中の性行為は危険?妊娠や性感染症のリスクを解説します

「生理中だけど、性行為をしてもいいのかな?」と戸惑った経験はありませんか?

「生理中は妊娠しないって本当?」「コンドームなしでいい?」「体に害はある?」など気になりますよね。
今回は、生理中の性行為についてお話しします。

生理中の性行為は危険がいっぱい!

生理中の身体はとてもデリケート。そんな時の性行為は危険がたくさん潜んでいます。どんなリスクがあるのでしょうか?詳しく解説していきます。

リスク①妊娠の可能性

「生理中は排卵がないから、性行為をしても妊娠しない」というウワサを聞いたことがある人もいると思いますが、これは間違いです。
生理中でも妊娠する可能性は十分あります

排卵のタイミングはストレスなどの影響を受け変化しやすく、特に思春期の身体は生理周期が安定していないため、予定よりも早く排卵が起きてしまうことがあります。
また、精子の寿命は3日前後といわれていますが、1週間生きていることもあります。つまり、精子の寿命が長く排卵が早まれば、妊娠する可能性は十分にあるのです。

リスク②感染症

生理中に性行為をすると、感染症にかかるリスクが高まります。

生理中は、妊娠の準備として厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちている状態。
膣や子宮内部の免疫力は下がり、いつもよりデリケートで傷つきやすい状態になっています。
そんなときに性行為をすると、膣や子宮内部に傷がつき、その傷から細菌に感染してしまう可能性が高くなります

また、剥がれ落ちた子宮内膜は、基本的に経血として外に押し出されますが、自然な現象として一部子宮内に逆流しているといわれています。
それ自体は問題ないのですが、生理時に性行為を行うことで経血に細菌が入り込み、その経血が逆流して子宮に入ることで、子宮内に菌が繁殖し感染してしまう恐れがあります。

感染症は、腹痛やおりものの様子がいつもと違うなど、症状に現れることで気づきやすいものもありますが、細菌によっては痛みがないため気づかない場合があります。
気づいた時には症状が悪化し、子宮内膜炎や卵管炎、腹膜炎などの治りにくい炎症を引き起こしてしまうことも。

【感染の可能性が高まる主な感染症】

  • 子宮内膜炎:子宮内側にある子宮内膜という粘膜が炎症を起こすこと。将来子どもを授かりにくい身体になってしまう危険性もあるので十分に注意しましょう。
  • 卵管炎:卵管が炎症を起こすこと。卵管は骨盤内の臓器の中でもっとも感染しやすい臓器といわれています。悪化すれば手術が必要であり、妊娠しにくい身体になってしまう可能性もあります。
  • 腹膜炎:お腹を覆っている腹膜が炎症を起こすこと。激しい腹痛や高熱に襲われ、手術が必要になることもあります。

男性側も、直接血液に性器が触れることで、性感染症に感染するリスクが高まります。

まとめ

生理中は妊娠しない、というのは嘘で、妊娠の可能性が十分あります。また、妊娠中は身体がとてもデリケートな状態で、感染症のリスクも高まります。
お互いの身体を思いやり、無理のない性行為を心がけましょう。

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