みなさんは、月経カップと言う生理用品を知っていますか?
月経カップは、ナプキンやタンポンと比べて日本ではあまり浸透していないアイテムなので、聞きなれないという人もいるかもしれません。
今回は、そんな月経カップについての基礎知識や使い方、お手入れ方法などをご紹介します。
月経カップとは
月経カップとは腟内に挿入して経血を溜めて回収するカップ型の生理アイテムのことです。
医療用シリコーンなどの素材でできています。
経血が溜まったら捨ててまた装着するというくり返し使用可能なアイテムであり、ナプキンやタンポンに比べて、ゴミが出ず環境に優しいといわれています。
挿入して使う点はタンポンと同様ですが、タンポンよりもサイズが大きめで、挿入しやすくするためのアプリケーターなどがないことから、人によって慣れるまでに少し時間がかかることもあるようです。
月経カップの使い方
月経カップは各メーカーが様々な製品を販売しており、様々な種類があります。そのため使用方法については付属されている取扱説明書をよく読み、説明書に従って正しくご使用になることをおすすめします。
今回は参考として基本的な月経カップの使用方法についてご紹介します。
挿入前の準備
まずは手や月経カップを洗って清潔にします。
月経カップは煮沸(しゃふつ)消毒が必要なものがあります。お手入れの方法は必ず取扱い説明書を読んで記載のとおりに行いましょう。市販の消毒用アルコールや漂白剤などを使用すると、シリコーンの破損や、腟へ刺激を与えてしまう可能性があります。
基本の折り方
挿入しやすくするために、まず月経カップを折りたたみます。
折り方はさまざまなものがあるので、自分が入れやすい形を探すのが良いでしょう。
今回は簡単な3つの折り方をご紹介します。
・Cフォールド
図のように上からみた形がアルファベットのCの形になるように折ります。
・7フォールド
図のように横からみた形が数字の7の形になるように折ります。
・パンチダウンフォールド
リムの一部が内側に巻き込むように折ります。
挿入の仕方
腰幅に脚を開き、ヒザを軽く曲げ、中腰の体勢になります。
挿入しやすいよう月経カップを水などで濡らし、上記に紹介したように折りたたみます。
陰唇を手で開き、月経カップを腟内に挿入し、奥まで入れます。
力が入ると挿入しづらくなったり、痛みが生じることもあるので、リラックスして行うのがおすすめです。
適切な位置に挿入したら、手を離し、月経カップを開いたら装着完了です。
最後に、月経カップの底を回したりして、外れないかを確認しましょう。
挿入位置は、タンポンを使用したことのある人はタンポンよりは浅めの位置で留めましょう。
あまり奥に入れすぎると取り出しにくくなってしまう可能性がありますが、腟の入り口にカップを装着してしまうと、圧迫感が生じて痛みや漏れの原因になるので、注意が必要です。
最初は難しいかもしれませんが、繰り返し使いながらフィットする正しい位置を見つけましょう。
※挿入や取り出しは、お風呂場やトイレで行うのがおすすめです。
取り出し方
挿入時と同様に手洗いをし、手を清潔な状態にしてから、中腰の姿勢で構えます。
指を挿入して、月経カップのステムをゆっくり引っ張ります。
ステムが見つからない場合は、お腹に力を入れていきんでみましょう。
腟口までカップを移動させたらカップ全体をつまみ、カップを凹ませて、腟壁と月経カップの密着状態を解除します。
このとき、無理にステムだけを引っ張ると、痛みを伴ったり、月経カップの破損も招きかねないので注意しましょう。
密着状態が解除されたら、リム部分を膣口に引っかからないように凹ませ(折りたたみ)腟口から外に取り出せば完了です。
取り替えるタイミング
月経カップを取り替えるタイミングは、使用するメーカーや製品によって異なります。
そのため、必ず付属されている取扱い説明書をよく読んで記載どおりの使い方を行うようにしましょう。
また生理期間中は経血量の変化があったり、経血量は個人差が大きくあったりします。
取扱説明書に沿った使い方と共に、ご自分の経血量に合わせたタイミングで取り替えを行うようにしましょう。
※市販されているものには最長「12時間」の使用が可能といわれているものもあります。
しかし、長時間膣内に経血が溜まったままの月経カップを挿入した状態でいると雑菌が繁殖することが考えられるため、おすすめできません。
長時間の使用は避けるようにしましょう。
トキシックショック症候群に要注意
トキシックショック症候群とは、黄色ブドウ球菌の産生する毒素が原因で起こる急性疾患です。
月経カップを使用する際、手を清潔にしないまま挿入したり、長時間月経カップを入れっぱなしにしたりすると、黄色ブドウ球菌が増殖し、毒素を産生しやすくなるといわれています。
トキシックショック症候群になると、初期症状として突然の高熱、発疹・発赤、倦怠感、嘔吐、下痢、粘膜充血などの症状が現れます。治療を受けずにいると、命に関わる可能性もあります。
上記のような初期症状があらわれた場合には、直ちに医療機関で治療を受けるようにしましょう。
月経カップのメリット/デメリット
メリット
- ゴミがでない&繰り返し使える(環境とお財布にやさしい)
- 経血量がわかる
- 持ち運び便利
- ムレや匂いが気にならない
- プールや温泉に入れる
- ナプキンなど毎回取り替えの手間が省ける...etc
デメリット
- 挿入や取り出しの際に手が汚れる
- 慣れるまで時間がかかる
- 毎回の消毒が手間
- 初期費用がかかる
月経カップの選び方
サイズ
月経カップはさまざまなサイズのものがあります。
メーカーによって異なりますが、小さいものからS、M、Lや1、2、3という表記で売られています。
大きさは、腟の広さや、経血量に合わせて選ぶのがおすすめです。
メーカーによりますが、月経カップを使ったことがない人や出産経験がない人は小さいサイズ(Sや1サイズ)、経血量が多い人や出産経験がある人は中サイズから大きめのサイズ(M〜L、2〜3)を推奨していることが多いようです。
柔らかさ
月経カップを選ぶ基準として柔らかさも大切です。
柔らかい方が良いのでは?と思われがちですが、柔らかすぎると腟内で開くことが難しく、初心者の人には向いていません。
しかし、硬すぎると骨盤底筋が弱い人は痛みを感じることもあるそうです。
メーカーによってはおすすめの柔らかさなどを記載してくれているものもあるので、どのようにして選べばいいかわからない際は、参考にしてみると良いでしょう。
また、実際に触って確認したい人は、生理用品のセレクトショップに行ってみたり、月経カップのサンプルを出しているドラッグストアなどを探してみたりするのも良いでしょう。
素材
月経カップの素材には、ラテックス(ゴム)、医療用シリコーン、医療用TPE(熱可塑性エラストマー)、FDA対応シリコーンなどの種類があります。
月経カップは腟内に入れるものなので素材にこだわりたい人も多いはず。
特にゴムアレルギーがある人は特に気をつけて選ぶようにしましょうね。
お手入れ方法
月経カップは、繰り返し使用するアイテムであることから、雑菌が繁殖しないように、適切な消毒を行う必要があります。消毒の方法は煮沸消毒や専用の消毒アイテムを使ったものなど、メーカーによって異なります。
また、消毒の回数もメーカーによって異なるので、必ず記載の使い方を確認するようにしましょう。
消毒をしないと病気になってしまう可能性があるので、気をつけましょうね。
どこで買えるの?
月経カップは、最近ではドラックストアなどでも手に入れることができます。
近くのお店で売っていない際は、インターネット販売で購入するのがおすすめです。
メーカーによりますが、1つ5000円程度で販売されています。初期費用がかかりますが、問題がなければ5~10年使えるものもあり、長期的にみてコストパフォーマンスが良いアイテムです。
使用期間は、月経カップによって異なるので、それぞれ確認してみてくださいね。
まとめ
月経カップの使い方についてご紹介しました。
月経カップははじめは慣れるまでに時間がかかるかもしれませんが、慣れるとムレや匂いが気にならなかったり、経血量が測れることで健康に気を使うことができると言うメリットもあります。
気になる人はぜひ一度試してみてくださいね。