生理痛、我慢していませんか。生理痛を和らげる方法としてセルフケアを取り入れてみてはいかがでしょうか。
鎮痛薬は生理痛を和らげる一つの方法ですが、生理痛は生活習慣、ストレスなどにより痛みが強くなることもあります。生理痛が悪化する原因を知り、日頃からセルフケアを行うことは、痛みを和らげることに繋がることもあります。
今回の記事では、生理痛のメカニズムや痛みが強くなる原因を解説し、生理痛を和らげるための具体的なセルフケアを紹介していきます。
生理周期と生理痛の関係
生理痛とは、生理直前から生理中にかけて起こる痛みの総称です。主な症状としては、下腹部の鈍痛や腰の痛みが挙げられます。また、痛みが強く日常生活に支障をきたしてしまう月経困難症では、吐き気や頭痛、抑うつ、めまいなどの症状を伴うこともあります。
そもそも、生理とはどのようなものなのかを解説します。
子宮では、約1ヶ月の生理周期(28〜35日)で妊娠のための準備が行われます。卵子が育ち、排卵され、受精卵が着床しやすいように子宮内膜という子宮の内側の壁が厚くふかふかになります。
しかし、妊娠しなかった場合、厚くなった子宮内膜は剥がれて血液とともに体外へと排出されます。これが生理です。
経血を外に押し出すために子宮を収縮させるプロスタグランジンという物質がつくられますが、これが過剰につくられることで痛みが起こることがあり、これが「生理痛」です。
働く女性を対象として女性労働協会が2004年に行なったアンケート調査では、月経痛があるという人はアンケート回答者全体のうち76.5%にのぼり、また、お薬を飲まなければ仕事ができないほどの生理痛に悩む女性は全体の25%以上という結果となりました。
生理痛がひどかったり、悪化させたりする主な原因は、プロスタグランジンの過剰分泌が考えられますが、ストレスや子宮の病気など、他にもいくつかの原因が挙げられています。
生理痛の原因
プロスタグランジンの過剰分泌
生理で子宮内膜が剥がれる時、プロスタグランジンと呼ばれる物質が作られます。プロスタグランジンは、生理の出血(経血)を子宮の外へと排出させるために子宮を収縮させる働きがあります。
しかし、プロスタグランジンの作られる量が多すぎると子宮の収縮が必要以上に強まり、日常生活に支障をきたすほどの痛みをひき起こします。
子宮の発達が未熟
子宮口が狭いことも生理痛の原因の一つです。特に10代は、子宮の発達が未熟で子宮口が狭く硬い状態のことがあります。そうすると、経血が子宮口を通る際に抵抗がおき、生理痛をひき起こすことがあります。
心身のストレス
強いストレスは生理の痛みにも関係しています。ストレスとは、外部から刺激を受けて生じる緊張状態のことをいいます。人間関係の悩みや、引っ越しなどの環境の変化、工事などの音に1日中さらされるなど、ストレスを感じることは身近にたくさんあります。
実際、ストレスを多く抱える人はストレスが少ない人と比較して、月経困難症になるリスクが高いとの研究報告もあります。
恐怖感からの痛み
生理に対する不安、嫌悪感、恐怖感も生理痛を強く感じる原因になります。過去につらい生理痛を経験した人は生理痛に対して強い不安を感じて痛みを強く感じることもあります。
病気による痛み
生理痛の原因はさまざまありますが、子宮の病気が生理痛の原因のこともあります。生理痛の原因となることが知られている病気には子宮内膜症、子宮筋腫や卵巣の腫瘍などが挙げられます。
生理の回数を重ねるごとに痛みが強くなってくる場合は、子宮内膜症が疑われることがあります。
生理痛を和らげる姿勢や体勢はある?
生理痛を和らげる姿勢や体勢のポイントは、おなか周りの血行が滞ることがないようにすることです。生理痛を和らげるための姿勢や体勢を、場面ごとに紹介します。
椅子に座る時・・・骨盤を立てて座るようにします。姿勢よく座ることで下腹部に負担を減らす体勢となります。ただし、腰を反らしすぎると、逆に腰に負荷がかかりますので、骨盤の上に背骨を積み上げ、その上に頭を乗せるイメージです。
寝ている時・・・身体がリラックスできる体勢をとります。また、横向きで膝を曲げることで、下腹部の力をゆるめやすくなります。
痛みを我慢しようと、どうしてもおなかを丸めるような姿勢となってしまう人もいるのではないでしょうか。実はこの姿勢を長時間続けていると、おなか周りの血行が悪くなりやすくおすすめできません。
痛みが治まっているタイミングに、軽いストレッチやウォーキングを行うことも、血行を改善する効果が期待できます。
生理痛を和らげる方法
生理痛を和らげる簡単なセルフケアとしては、「身体を冷やさない生活習慣」と「リフレッシュ(ストレス解消)」がとても大切です。
身体を温める
生理痛の痛みを和らげる方法の一つとして、身体を温めることがあります。身体を温めることで血行が良くなり生理痛が和らぐといわれています。
腹巻きや使い捨てカイロでおなか周りを温めることはもちろん、レッグウォーマーで下半身を温めることは全身を温めるのに効果的です。
軽いストレッチをする
軽いストレッチには血行の改善効果とリラックス効果が期待できます。ストレッチをすることで身体全体の血行が促進し、温まります。
また、深く呼吸をし、優しく身体を動かすことで自律神経のバランスを整えるリラックス効果もあるといわれています。
ただし、生理痛がひどい時には無理をせず、心地よいと感じる範囲で行いましょう。
ツボを押す
生理痛に効くといわれるツボには「関元(かんげん)」と「血海(けっかい)」「三陰交(さんいんこう)」があります。
- 関元…おへそから指4本分の下
- 血海…膝の内側のお皿の上、指2~3本文上
- 三陰交…足の内側の、くるぶしの一番高いところから指4本上にあるくぼみ
ツボを押すときは、気持ちがいいと感じる程度の力で5秒間隔で呼吸にあわせて、ゆっくりとやさしく押していきます。
十分に睡眠をとる
日頃から睡眠を十分にとることが大切です。睡眠不足による生活習慣の乱れはストレスとなり、生理痛に影響することもあります。
生理期間中、生理痛が強く、寝ることが難しいときはしっかりとした睡眠をとるため無理をせずお薬を飲むなどして痛みを和らげましょう。
生理痛の時に摂るといい食べ物
ここでは、生理痛がある時に摂るといいといわれる食べ物についてみていきます。
生理痛を和らげる一つの方法として、身体を温めて血行をよくすることが挙げられます。食べ物のなかには身体を温めるものや、血行を良くするものがあり、ストレッチやツボを押すなど外部からの刺激だけでなく、これらの食材を食事に取り入れてみるのもいいかもしれません。
▽おすすめの食材
- 身体を温める食材:生姜、にんにく、にら、タマネギ、長ネギ
- 血行を良くする食材:アーモンドやカシューナッツなどのナッツ類、うなぎ、青魚(ブリ、サンマ、イワシ)
また、身体の冷えを感じるときは、冷たい飲み物や食べ物を避けるなど、体調に合わせて食べ物や飲み物を選んでみてはいかがでしょうか。
つらい時は薬に頼っても良い
学校や仕事を休んでしまうほど生理痛がつらいこともあります。
生理痛の主な原因はプロスタグランジンと呼ばれる物質の働きによるものです。NSAIDsと呼ばれる鎮痛薬は、プロスタグランジンが身体の中で作られるのを抑制するので生理痛にも効果があります。
鎮痛薬は、痛みを感じ始めたときに飲むのが効果的です。痛みを我慢している間、プロスタグランジンは作られ続けているため、お薬の効果が出るまでに時間がかかってしまうからです。
生理痛にも有効な鎮痛薬は、薬局やドラックストアで市販されています。いつでも服用できるように常備しておくと良いでしょう。
生理痛の悩みもスマルナに相談しよう
鎮痛薬を飲むだけでは効果が不十分な場合には、なにか他に原因がある可能性があります。婦人科を一度受診し、その原因を特定しておくことも、健康のために大切です。
また、低用量ピルも生理痛の改善効果が期待できます。低用量ピルは高い避妊効果があることに加え、子宮内膜が厚くなることを抑える作用もあり、生理痛の軽減や、経血量を減らす効果も期待できます。
婦人科をなかなか受診できない場合は、オンライン診察を利用する方法もあります。オンライン・ピル処方サービス『スマルナ』では、オンラインで医師の診察を受け、症状に合わせたピルを処方してもらうことができます。
また、スマルナではピル処方以外にも、さまざまなサービスを提供しています。その一つが「スマルナ医療相談室」で、助産師・薬剤師が24時間365日いつでも無料で相談を受け付けています。生理痛に関する悩みもご相談いただけますので、お気軽にお問合せください。
参考資料
5. 月経困難症|公益社団法人 日本産婦人科医会
Stress and dysmenorrhoea: a population based prospective study|Occupational & Environmental Medicine
Severity of Menstrual Pain Is Associated with Nutritional Intake and Lifestyle Habits||Healthcare (Basel).