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生理不順とは?原因や治し方、病院を受診する目安を紹介

生理が予定日から大きくずれてくることがよくある場合、生理不順の可能性があります。

生理不順の原因の一つには、ストレスや生活習慣の乱れ、婦人科系の病気などによって女性ホルモンのバランスが乱れることがあげられます。

生理周期が乱れている状態を放置していると、将来の妊娠や健康にも悪影響がでる可能性があるため、早めに治療をすることが大切です。

今回は、生理不順の原因や改善する方法、受診目安などを解説します。

生理不順とは

生理不順は、医学的には月経周期異常といい、正常といわれる範囲以外の生理周期のことです。生理周期とは、生理が始まった日を1日目とし、次の生理が開始する前日までの日数を数えます。正常な生理周期は、25〜38日といわれ、前後6日以内の変動であれば正常の範囲内と考えられています。

生理周期は、短くても長すぎても問題であり、何らかの病気が隠れていることも考えられます。また、生理不順の状態を長期間放置すると将来の妊娠にも問題が生じる可能性もあります。

生理不順が長期化しているのであれば医療機関を受診することをおすすめします。

生理不順の種類と症状

生理不順は、ストレスや生活習慣の乱れなどが原因となることもあります。生理不順にもいくつか種類があるので、みてみましょう。

 頻発月経

生理周期が正常よりも短く、生理周期が24日以内の場合、「頻発月経」といいます。生理が短いスパンでくるため、1ヶ月に2回生理がくることもあります。

頻発月経は、卵巣の働きが不十分であり、排卵されていない状態(無排卵周期症)であったり、生理の出血が少量でだらだらと長く続いたり(過長月経)する症状が見られます。

卵巣の発達が不十分な思春期や卵巣機能が低下する更年期に多くみられます。

 希発月経

「希発月経」は、生理周期が正常よりも長く、39日以上の場合をいいます。妊娠を除いて3ヶ月以上生理がこない場合は「続発性無月経」と診断されます。

女性ホルモンの分泌異常や病気が原因となっている可能性が考えられるため、生理周期が39日以上であることが続く場合や、3ヶ月以上生理が来ない場合は早めに婦人科を受診することが大切です。

思春期の場合は生理周期が安定していないことも多くあり、3ヶ月以上生理がこなくても問題ない場合もありますが、放置せずに念のため婦人科で相談すると安心です。

 産後の生理不順

産後は、授乳の有無などにより生理が再開するタイミングが異なります。再開後もしばらくは女性ホルモンのバランスが安定せず、加えて育児に追われることでストレスや睡眠不足など生活リズムが乱れることで生理不順になりやすくなります。

産後、女性ホルモンのバランスが戻るまで時間がかかるとされ、生理が再開するまで半年以上かかることもあります。産後に生理不順があったとしても徐々に回復しますが、痛みが強かったり、出血量が多かったり通常の生理時と症状が異なる場合は注意が必要です。


生理不順の原因

生理周期は卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンが関わっています。年齢や体質、生活習慣の乱れ、病気などによってこのホルモンバランスが崩れると、生理不順が起こることもあります。

10代では卵巣機能が未発達であるため、うまく女性ホルモンが分泌されず、生理周期が安定しないことも多くあります。また、更年期には女性ホルモンが減少していき、ホルモンバランスが変化することで、生理不順が起きやすくなります。

年齢に関わらず、ストレスや無理なダイエット、睡眠不足などによってもホルモンバランスが乱れる原因となり、生理不順となる可能性もあります。

生理不順を引き起こす婦人科系の病気もいくつかあり、子宮がんなどの重大な病気の可能性もあるので早めに受診をして、治療を行うことが大切です。

生理不順を改善するためにできること

生活習慣の乱れに起因する生理不順の場合、バランスの良い食事や適度な運動を取り入れるなど生活習慣を改善することで、生理不順が解消する場合があります。

女性ホルモンのバランスは繊細であるため、日常生活の過ごし方も大切なポイントです。また、低用量ピルなど女性ホルモンのバランスを整えるお薬を服用することも、一つの選択肢です。

 食事の改善

栄養バランスのいい食事をすることは、生理不順を改善・予防するためにも重要です。

極端なダイエットによって栄養不足になると、体内で女性ホルモンを合成するための材料が足りなくなり、女性ホルモンのバランスが崩れることも考えられます。

穀物や肉類、野菜類、果物などできるだけ多くの食材を使った食事にすることで、栄養バランスを整えられます。

厚生労働省と農林水産省が策定した「食事バランスガイド」を参考にご紹介します。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html 


体重や活動量などによってことなりますが、下記が1日分の目安とされています。

  • 主食・・・5〜7つ
  • 主菜・・・3〜5つ
  • 副菜・・・5〜6️つ
  • 牛乳・乳製品・・・2️つ
  • 果物・・・2つ

適度な運動

運動不足は自律神経の乱れや血行不良などを招いたり、体重増加などがホルモンバランスの乱れに影響を及ぼしたり、生理不順の原因にもなる可能性があります。ウォーキングなど適度な運動はストレスの軽減や肥満などの生活習慣病の予防にも役立ち、生理周期の安定にもつながります。

しかし、激しすぎる運動は生理不順の原因にもなるため、運動量の調節は必要です。

 ストレスコントロール

過度なストレスが続くと、自律神経が乱れてホルモンバランスが崩れることがあります。

規則正しい生活とストレスの原因から離れることが大切です。上記で触れた、適度な運動や、その他にも自分に合ったストレス発散方法やリラックスできる方法を見つけておくこともおすすめです。

 症状に応じた漢方薬を飲む

漢方薬には生理不順に効果が期待できるといわれているものがあります。桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)などが挙げられます。

漢方薬の考えでは、人間の身体は気・血・水の3つの要素で構成されており、気血水のバランスが崩れることで生理不順が起こるとされています。漢方薬にはさまざまな種類があるため、医師に診察してもらい自分にあった漢方薬を処方してもらうことが重要です。

 低用量ピルを服用する

低用量ピルは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2種類の女性ホルモンが配合されている処方薬です。ピルを服用することで女性ホルモンのバランスが整い、偽薬(休薬)期間に出血が起こるため生理周期が整います。

また、高い避妊効果や、生理痛・PMSなど生理に伴うつらい症状の改善効果もあるといわれています。

病院へ受診する目安

生理周期には個人差がありますが、毎回正常な範囲以外のタイミングで生理がくる場合は、病気などが隠れている可能性があるため、婦人科を受診しましょう。

特に、3ヶ月以上生理がこない場合、「続発性無月経」の可能性があります。

思春期の場合では、生理周期が安定しないことが多く、生理不順であっても基本的に様子を見ても問題がないことがほとんどです。しかし、正常な生理周期できていた生理が不順になったり、3ヶ月以上生理がこない場合は受診しましょう。

40歳以上では、女性ホルモンの減少に伴い女性ホルモンのバランスが崩れやすくなり、生理周期が乱れることがあります。生理不順や不正出血、生理なのかわからない出血がだらだらと続く場合は、婦人科系疾患の可能性もあるので早めに婦人科を受診しましょう。

生理周期の乱れ以外にも、生理痛がひどくて日常生活がつらい、出血量が多いなど、生理による不快な症状や、いつもの生理と状態が異なる場合も受診の目安になります。

不安なことがあればスマルナで無料相談しよう

多くの生理周期で正常な生理周期(25〜38日)ではない範囲で生理がくることを生理不順といいます。

生理不順の原因は、無理なダイエットや栄養不足、過剰なストレスなどによる女性ホルモンのバランスの乱れや、婦人科系の病気などさまざまです。

生理不順で悩んでいるけど、病院に行くべきか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。スマルナはオンラインで医師の診察を受けることができます。また、助産師・薬剤師に無料で相談できる「スマルナ医療相談室」もありますので、まずはお気軽にご相談ください。



参考資料

産婦人科 診療ガイドライン ―婦人科外来編2020

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