「生理痛がつらくて困っている」「どうすれば生理痛を和らげることができるの?」とお悩みではありませんか?16〜49歳の働く女性に行った女性労働協会の調査では、生理痛がある人は全体の約76%にのぼりました。多くの人が生理痛を経験しているという結果になりました。
しかし、生理痛がつらくても、生理のたびに仕事や学校を休めず、我慢しているという人も多いのではないでしょうか。
本記事では、生理痛が起こる原因やメカニズムなどについて詳しく解説します。生理痛を和らげる方法も紹介しているので参考にご覧ください。
生理痛の症状とメカニズム
生理痛と一口に言っても、人によって痛みが出る部位や症状が異なります。まずは、どのような症状が出るのか、また生理痛が起こるメカニズムについて見ていきましょう。
生理時の症状はさまざま
生理痛と聞くと下腹部の痛みを想像される方が多いかもしれませんが、生理痛とは、生理に伴って起こるさまざまな種類の痛みのことです。代表的な生理痛として、下腹部の痛みや腰痛が知られており。ほかにも、頭痛が起こることも珍しくありません。
なお、生理のときにあらわれる痛み以外の症状は、吐き気やめまい、下痢、イライラや気分の落ち込み、眠気や疲労感などが挙げられます。
生理痛のメカニズム
生理痛が起こるのは、子宮内膜が剥がれ落ちるときに分泌されるプロスタグランジンという痛みのもとになる物質が一つの原因です。プロスタグランジンには、子宮を収縮させる働きがあります。子宮が収縮することで、剥がれた子宮内膜と血液を、経血として身体の外に押し出します。
このプロスタグランジンが過剰に分泌されたり、効きすぎたりしてしまうと、子宮が必要以上に収縮して痛みを生じてしまうのです。下腹部痛だけでなくて、腰痛や頭痛なども引き起こすことがあります。
代表的な症状の原因
生理中にあらわれる代表的な症状は、下腹部痛や腰痛、頭痛や下痢などが挙げられます。どの症状が現れるかは人によって異なります。それぞれの症状にはどんな原因があるのかみてみましょう。
下腹部痛・腰痛
下腹部痛や腰痛が起こるのは、プロスタグランジンが原因の一つです。
プロスタグランジンは子宮の収縮を促進するため、収縮しすぎることで下腹部痛を引き起こすことがあります。また、腰痛を引き起こす原因となることもあるのです。その他に子宮筋腫や子宮内膜症などが原因になっていることがあります。
頭痛
生理前や生理中に頭痛が起きることがあります。生理周期と関連して頭痛が起こる方は少なくないものの、なぜ頭痛が起こるのかについて詳しい原因はまだ分かっていません。
一説によると、女性ホルモンの一つである卵胞ホルモン(エストロゲン)が関係しているのではと考えられています。卵胞ホルモンの分泌量が排卵後から生理にかけて急激に低下し、この変動によって頭痛が起きやすくなるのです。男性よりも女性で片頭痛の患者が多い原因の一つとしても、卵胞ホルモンの影響が考えられています。
下痢・吐き気・食欲不振
下痢も下腹部痛と同様に、プロスタグランジンの影響で起こることがあります。プロスタグランジンは子宮だけでなく腸の収縮も促す働きがあるため、下痢が生じやすくなってしまうのです。また、生理のときに気持ちが不安定になり、ストレスなどから下痢になることもあります。
吐き気や食欲不振もプロスタグランジンが原因です。胃の収縮を促し、不快感をもたらします。
症状がひどい場合は月経困難症の可能性がある
月経困難症とは、生理(月経)に伴いあらわれる日常生活に支障を来すほどの病的な症状のことをいいます。生理痛のほか、悪心や嘔吐、下痢や頭痛などに悩まされることもあります。
生理の直前または生理開始とともに症状があらわれ、症状が落ち着く時期は個人差がありますが、生理1〜2日目までの出血が多い時に痛みが強くその後落ち着くことが多いです。月経困難症には、機能性月経困難症と器質性月経困難症の2種類があります。
機能性月経困難症
機能性月経困難症とは、日常生活に影響が出るほど症状が現れるものの、子宮筋腫や子宮内膜症などの特定の病気がない月経困難症のことです。
頸管狭小(経血が通る子宮口が小さいこと)や、プロスタグランジンが過剰に分泌され、子宮が異常に収縮することが原因だといわれています。
特徴として、排卵がある生理の場合に起こり、無排卵性の生理の場合は症状が少ないと言われています。
器質性月経困難症
器質性月経困難症は、つらい生理の症状の原因に、なんらかの病気がある場合に診断されます。原因となる病気としては、以下のものが代表的です。
- 子宮内膜症
- 子宮腺筋症
- 子宮筋腫
- 先天性器奇形
- 頸管狭窄
- 卵巣嚢腫
- 骨盤癒着
- 骨盤内炎症性疾患
器質性月経困難症の場合は、生理痛の改善はもちろん、将来の健康のためにも、原因となる疾患の治療を行うことが大切です。
生理痛を和らげる対処法
生理痛は我慢しなければいけないものではありません。つらいときはセルフケアを行ったり薬を使ったりして痛みを和らげましょう。
お腹や腰を温める
血行が悪くなると生理痛が悪化することがあります。痛みが気になるときはお腹や腰を暖かい衣類やカイロなどで温めると効果的です。また、締め付けの強い衣類なども血行不良を招いて痛みが増してしまう恐れがあるため、できれば避けましょう。
適度な運動を行う
運動不足になると、血行が悪くなって生理痛が強くなることがあります。ストレッチなど、無理のない範囲で運動を行うことによって血行がよくなり、生理痛の緩和に効果的です。
鎮痛薬は我慢せず使用する
痛みを感じたら、早めに鎮痛薬を服用しましょう。ロキソプロフェンやイブプロフェンなどの鎮痛薬にはプロスタグランジンの合成を阻害する働きがあるため、生理痛を和らげることができます。
ただ、痛みが強くなってから服用した場合は、すでにプロスタグランジンがつくられてしまっているため、鎮痛薬の効果を感じなかったり、感じるまで時間がかかることとがあったりします。痛みを感じはじめた早いタイミングで服用するようにしましょう。
低用量ピルを使用する
低用量ピルの服用も生理痛に効果があります。低用量ピルは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2つの女性ホルモンを含む薬です。服用すると排卵が抑えられて子宮内膜が増殖しにくくなるため、生理痛の改善につながります。低用量ピルは市販では販売されていないため、医療機関の受診が必要です。
症状がひどい場合は早めに医療機関へ受診しよう
生理痛は多くの女性が経験するものですが、「みんなが我慢しているから私も我慢しなければ」と思う必要はありません。しかし、生理痛があることを気にしつつも我慢している女性が多いのが実情です。
少しでもつらいと感じたり日常生活に支障が出ていたりする場合は、婦人科で相談してみてください。鎮痛薬や低用量ピル、漢方などを服用することで、生理痛を緩和できる可能性があります。
子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が隠れていることもあるため、痛みが気になる場合は早めの受診がおすすめです。「これくらいで受診して良いのかな?」と思うこともあるかもしれませんが、症状が気になる場合は、程度に関わらず、ぜひ医師にご相談ください。
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