生理前になると、吐き気がしたり、気持ち悪くなったりすることはありませんか。生理前に精神的・身体的に不快な症状があらわれる場合、PMSの可能性があります。「吐き気」もPMSであらわれる症状の一つです。
この記事では、PMSの症状として吐き気が起きる原因について考えます。また、日常生活で取り入れることのできるPMSの対処法を紹介しています。PMSにお悩みの人はぜひ最後までご覧ください。
PMS(月経前症候群)とは
月経前症候群(PMS)は、生理前に起きるさまざまな精神的や身体的な不調や症状のことです。PMSの症状があらわれるのは、生理の始まる3~10日前で、生理が始まる頃から症状が軽くなる、もしくは消失していくことが特徴です。
PMSによる不調や症状は人それぞれですが、毎回の生理周期で同じ症状があらわれるという人もいれば、異なる症状があらわれる人もいます。たとえば、イライラや気分の落ち込みがひどい人もいれば、頭痛や腹痛など症状が強くでる人もいます。
PMSで起こりうる症状
PMSの症状は、大きく身体症状、自律神経症状、精神的症状の3つに分けることができます。
PMSの症状は人それぞれで、吐き気などの身体症状が強く出る人もいれば、倦怠感やめまいなどの自律神経症状がでる人もいます。
PMSの中でも、特に精神的な症状が強くあらわれて、普段の生活や人間関係にも影響がでてしまうような方は「月経前不快気分障害(PMDD)」に該当することもあります。
身体的な症状
PMSの代表的な身体症状には、腹痛、腰痛など痛みの症状、便秘、胃のむかつきや吐き気などの胃腸症状、その他にも胸のはり、むくみなどの症状があります。
精神的な症状
よくみられる精神的な症状としては、イライラなどの情緒不安定、不安やひどい気分の落ち込みなどが挙げられます。それ以外にも集中力の低下や神経過敏などもあります。
生理前に吐き気が起きる原因
生理前に吐き気の症状があらわれる人もいるかと思いますが、この症状がPMSによるものの場合、生理の3〜10日前に症状があらわれます。この時期は排卵から生理までの期間と重なっています。
なお、排卵は、生理が始まった約2週間前に起きているといわれており、排卵後少し時間が経ってからPMSの症状があらわれているということになります。
PMSのさまざまな症状があらわれる原因は明確にはわかっていません。そのため、なぜ吐き気が起こるのかも現時点では不明ですが、排卵から生理までの期間(黄体期)に、身体の中では女性ホルモンが急激に変動します。
そのため、脳の中で身体の働きを調整する物質やホルモンに異常が引き起こされることが、PMSの原因の一つではないかと考えられています。
妊娠の可能性があれば自己判断せず受診する
PMSの一つとして吐き気はありますが、妊娠によるつわりの吐き気である可能性は注意する必要があります。
まず、妊娠の週数は最終月経の生理初日を0日と数えます。
PMSとつわりのあらわれる時期を妊娠週数に当てはめてみると、PMSは妊娠3、4週目ころに起こると考えられ、妊娠によるつわりは妊娠5、6週目にあらわれ始めるといわれています。
もし妊娠の可能性があり、生理予定日をすぎても生理がこないまま吐き気を感じる場合は、妊娠検査薬や病院で妊娠の有無を確認しましょう。
PMSの吐き気症状の対処法
PMSによる吐き気は、乗り物酔いや、胃腸炎、二日酔いなどとは異なり女性ホルモンの変動が原因と、考えられています。
PMSの吐き気症状に対処するためには、吐き気止めなど症状に対処するお薬を服用したり、PMSに効果があるお薬を服用するなどが挙げられます。
また、規則正しい生活、十分な睡眠、適度な運動や正しい食生活など、生活習慣を整えることでも症状が緩和することがあります。
PMSの主な対処法をご紹介します。
漢方や鎮痛薬などの市販薬を服用する
食事・睡眠・運動を見直して、日々の生活を正しく過ごしても症状が続く時は、無理をせずにお薬を飲んで症状を抑えることも大切です。
吐き気・頭痛・むくみ・めまいなどの症状は東洋医学で「水毒」が原因とされています。「水毒」は身体の中に必要以上に水分が溜まってしまう状態で、この水毒を改善する漢方薬の中には薬局やドラックストアで市販されているものもあります。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):頭重感、めまい、冷え症、肩凝りがある場合に用いられます。
- 五苓散(ごれいさん):頭痛、むくみがある場合に用いられます。
- 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):めまいを伴う場合に用いられます。
普段から漢方薬を飲まれている方は気づかないうちに特定の成分を飲み過ぎてしまう可能性があります。
お薬を選ぶ際は、薬剤師に必ず相談してからお薬を使用するようにしましょう。
低用量ピルを服用する
PMSの原因は、排卵が起き女性ホルモンの量が変動することと、されています。低用量ピルは、排卵を止めて女性ホルモン量の変動を抑えることで症状をやわらげることができます。
定期的に適度な運動を行う
ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動は、PMSの症状軽減に非常に有効であることが研究でも示されています。運動の目安としては、週に3回以上、20分程度の運動を続けると効果的です。
毎日の仕事が忙しくなかなか時間が取れないような場合も、一駅前で降りてみたり、時間に余裕があれば少しだけ遠回りをして歩いたり時間を増やすだけでも十分な運動になります。
胃腸に優しい食事を摂る
PMSの症状で胃痛や吐き気など胃腸症状が強くでる人は、普段からバランス良く、胃腸に優しい食事を取り入れてみるといいかもしれません。
胃腸の調子が悪く吐き気がつよい時は、うどんやおかゆなどの消化吸収がよく胃腸への負担もかかりづらい食べ物がおすすめです。
また、アルコールやカフェインなど刺激物は胃酸の分泌を高めて、胃の粘膜が荒れ、胃痛や吐き気を悪化させるおそれがあるため、毎日の刺激物の量を少し減らしたり、ノンカフェインのものや胃に優しいもので代えられるものをみつけてみましょう。
PMSに対するハーブ、ビタミン、ミネラルの効果を検討した研究では、カルシウムだけはPMSの症状を緩和する効果が認められている、という研究結果もあります。
PMSの症状でお悩みの方はスマルナで相談しよう
PMSによる吐き気の原因は詳しくはわかっていませんが、日常生活で意識すると症状が緩和することもあります。
また、PMSに効くお薬を服用することで、吐き気も改善することがありますので、生理前の吐き気でお悩みの場合や、低用量ピルを検討したい場合はスマルナへご相談ください。
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さらにお薬の処方が確定後、ピルはポストにお届けします。通院の負担がなくポストに届くので、便利で続けやすいことが特徴です。
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参考資料
月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)|日本産婦人科学会