生理前、「イライラして周りの大切な人に八つ当たりしてしまう」「毎月身体の調子がよくない期間があってつらい」と悩んでいませんか?
生理前にあらわれる症状によって、毎月のようにつらい思いをしている人は少なくありません。日常生活に支障が出るほどの症状がある場合は、PMS(月経前症候群)の可能性があります。
なぜ生理前につらい症状があらわれるのでしょうか?。今回は、PMSが起こる原因や代表的な症状、対処法などについて詳しく解説します。
つらいPMSの原因
PMSが起こる原因については、実は明確に分かっていません。ですが、いくつか原因が考えられています。現時点では、生理周期に伴って女性ホルモンが変動することが関係しているといわれています。
生理が起こるのは、ホルモンバランスが変化するためです。排卵後から生理が始まるまでの期間(黄体期)に入ると黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が増えます。
そして黄体期の後半では、月経期(生理)に向けて卵胞ホルモンと黄体ホルモンの量が急激に減少していき、生理が起こるのです。
これらの女性ホルモンの急激な変化は、脳内のホルモンや神経伝達物質に影響を及ぼし、PMSを引き起こすといわれています。
PMSの症状
PMSは過去3回の連続した生理周期において、生理5日前に身体的・精神的症状があらわれる場合に診断されます。
症状の強さや種類は、人によってさまざまであり、頻度や程度が異なる場合もありますが、主な症状をみていきましょう。
身体的な症状
身体的な症状としては、次のようなものが代表的です。
- 乳房の張り
- 身体がだるい
- 倦怠感がある
- 日中に眠気に襲われる
- 腹痛
- 下腹部痛
- 食欲がなくなる
- 食欲が増加する
- ニキビや吹き出物ができる
- 頭痛がする
- めまいがする
- 肩こりがする
- むくみやすくなる
- 下痢や便秘をしやすくなる
精神的な症状
精神的な症状としては、次のようなものが知られています。
- イライラしやすくなる
- 怒りやすくなる
- 理由もなく人に当たる
- 不安感に襲われる
- 突然泣きたくなる
- 憂うつな気分になる
- 感情の起伏が激しくなる
- 気分が落ち込む
- 無気力になる
- 集中力が低下する
- 仕事に行きたくなくなる
PMSがひどくなりやすい人の特徴
PMSの原因の一つとして女性ホルモンが大きく変動することによる脳内のホルモンや神経伝達物質への影響が考えられますが、脳内のホルモンや神経伝達物質は、ストレスなどからも影響を受けることがあります。
そのため、強いストレスにさらされることが多い人はPMSをひどく感じる可能性もあると考えられます。
また、普段からお酒やカフェインをよく摂取する人(コーヒーやエナジードリンクを良く飲む人)、喫煙習慣がある人、不規則な生活や偏った食事など、乱れた生活習慣もPMSがひどくなる要因といわれています。
PMS症状を緩和するセルフケア
生理がある人の中で、生理前に何らかの症状を感じている人は約70〜80%もいるといわれています。
日常生活に支障が出るほど症状が強い場合はPMSと診断されますが、多くの女性がPMSになる可能性があります。
気になる症状がある方に向けて、セルフケア方法をご紹介します。
症状日記でPMSの症状を把握
いつどのようなタイミングで、どのようなPMSの症状が出たのかを記録しておくことで、症状に対処しやすくなります。
また、お気に入りのリフレッシュ方法やセルフケア方法を見つけておくと、症状が出そうなときに積極的に取り入れて対処することもできるでしょう。
タバコ・お酒・コーヒーはなるべく控える
タバコやお酒、コーヒーはPMSを悪化させる可能性があります。そのため、PMSの症状がつらいと感じる人は、これらのものをなるべく控えるようにしましょう。
甘いものの食べ過ぎに注意
生理前には、甘いものを食べたくなるという人もいるかもしれません。しかし、甘いものを一度にたくさん食べると血糖値が急激に変動し、かえってイライラが悪化する可能性があります。
生理前に甘いものがたべたくなったときは、ドライフルーツやナッツ、サツマイモなど砂糖が使われていない食べ物がおすすめです。
カルシウムやマグネシウム、ビタミンB6を摂る
カルシウムやビタミンB6、マグネシウムの摂取がPMSの症状を緩和させる可能性があるといわれています。
〈カルシウムを多く含む食品〉
- 牛乳
- ヨーグルト
- プロセスチーズ
- 干しエビ
- ワカサギ
〈ビタミンB6を多く含む食品〉
- かつお
- まぐろ
- 鮭
- さんま
〈マグネシウムを多く含む食品〉
- 大豆
- 油揚げ
- アーモンド
- 干しひじき
- 乾燥わかめ
お風呂や蒸しタオルでリラックスを
気分が落ち込むときやイライラするときは、38~40度のぬるま湯に浸かったり蒸しタオルで首元などを温めたりすると、副交感神経の働きが活発になり気分が落ち着きやすくなります。
ストレッチや適度な運動
ストレッチなどの適度な運動は全身の血行を良くし、ストレス発散や疲労感をやわらげる効果も期待できます。定期的に運動を取り入れることで、PMSの症状がやわらぐこともあります。
生理前は身体が重くてなかなか動けない人もいるかもしれませんが、無理しない範囲でストレッチや運動を取り入れてみてはいかがでしょうか。
漢方やお薬を使った治療
PMSは病院で治療をうけることができる病気の一つです。症状を改善するためにも、医師と相談して自分にあった対処法をみつけていくことも大切です。
PMSに効く漢方薬
PMSの治療に漢方薬を用いることもあります。東洋医学では、PMSは「気」「血」「水」のバランスが崩れることが原因だと考えられています。
のぼせや肩こりには桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、めまいや冷え症には当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、イライラには加味逍遙散(かみしょうようさん)などが使われます。
症状に対処するお薬
気になる症状に合わせて対症療法を行うのも有効です。頭痛や下腹部痛には鎮痛薬、不安や憂鬱感には抗うつ薬や精神安定剤などを用います。
PMSそのものを改善する治療ではありませんが、症状がやわらぐため過ごしやすくなるでしょう。
低用量ピルの服用
PMSの明確な原因はわかっていませんが、排卵後に起こる女性ホルモンの分泌バランスの大きな変化が一因となっている可能性が考えられています。
低用量ピルを服用することで排卵が止まり、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌量の変動も小さくなります。
低用量ピルを服用して排卵を抑えることはPMSの症状を緩和する効果が期待できると言われています。
さまざまな種類の低用量ピルがあるので、医師とよく相談して自分に合うものを処方してもらいましょう。
つらいPMSは我慢せずにスマルナに相談しよう
PMSの症状は重さやあらわれる症状の種類が人それぞれ異なります。
食生活や生活習慣の改善などのセルフケアによって症状が緩和することもありますが、症状がつらいと感じるときは、漢方薬や低用量ピルなどを使った治療法もありますので、ぜひ医師にご相談ください。
スマルナでは、副効用としてPMSの改善効果が期待できる低用量ピルの処方を行っています。365日いつでも相談できるため、婦人科受診の時間がなかなか取れない人も、ぜひ一度スマルナでご相談ください。
医師の診察後、処方が確定した場合、低用量ピルはプライバシーに配慮したうえでご自宅までお届けします。PMSについて少しでも悩みがある人は、まずは無料でお気軽にご相談ください。
参考資料
月経前症候群(PMS) - 22. 女性の健康上の問題|MSDマニュアル家庭版
月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)|公益社団法人 日本産科婦人科学会
月経前症候群(PMS)の漢方治療|漢・方・優・美 クラシエ薬品 医療関係者向けサイト