少しでも和らげたい、つらい生理痛。そのためにできるセルフケアはあるのでしょうか。
生理痛がひどくなる原因の1つに血液の流れが悪いことがあります。何気なくとっている体勢が、実は血流を悪くしてしまっているかもしれません。
そこで今回は、日常生活に取り入れやすい生理痛を和らげる体勢やセルフケアのポイントをご紹介します。
ただし、重い生理痛が続く場合は、病気の可能性も考えられます。受診しておきたいタイミングもあわせてご紹介しますのでぜひご一読ください。
生理痛はどうして起こる?
生理痛が起こる一つの原因として「プロスタグランジン」の過剰分泌があります。
プロスタグランジンは、子宮を収縮させる作用があり、剥がれ落ちた子宮内膜と血液(経血)を子宮外へ排出させる働きがある物質です。
ホルモンバランスの崩れやストレスなどによって、子宮内膜の厚みなどに影響があらわれることもあります。その結果、プロスタグランジンの分泌量が過剰になったり、子宮が強く収縮することで生理痛が起きると考えられます。
また、プロスタグランジンが分泌されると、子宮以外にも胃や腸の収縮も起こり、胃痛や吐き気、下痢などの症状にもつながります。その他に、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症などの病気が原因で腹痛や腰痛が起きていることもあります。
生理痛を和らげる体勢や寝方
「生理痛が楽になった」、「安心する寝方」など自分にとって生理痛が和らぐ体勢や寝方を見つけておくことがポイントです。
椅子に座るときの体勢
骨盤を立てて座るようにします。姿勢よく座ることで下腹部に負担を減らす体勢となります。ただし、腰を反らしすぎると、逆に腰に負荷がかかりますので、骨盤の上に背骨を積み上げ、その上に頭を乗せるイメージです。
寝るときの体勢
身体がリラックスできる体勢をとります。また、横向きで膝を曲げることで、下腹部の力をゆるめやすくなります。
同じ姿勢を続けない
同じ姿勢を長時間続けていると、血行が悪くなってしまうことがあります。血行が悪くなると痛みが増すこともあるので、ときどき身体を動かしたり、姿勢を変えたりするようにしましょう。
また、軽いストレッチやウォーキングを行うことで、気分転換や血行改善につながります。
生理痛を和らげる方法
ここからは簡単にできるセルフケアをご紹介します。また、痛みは我慢せずに鎮痛薬を服用することも大切です。
血行を良くする
生理痛の痛みを和らげる方法の一つとして、身体を温めることがあります。身体を温めることで血行が良くなり生理痛が和らぐといわれています。
ある研究では、おなか周りを温めることで鎮痛薬と同等かそれ以上に症状を緩和したとも報告しています。
腹巻きや使い捨てカイロでおなか周りを温めることはもちろん、レッグウォーマーで下半身を温めることは全身を温めるのに効果的です。
ツボを押す
ツボを押すときは、気持ちがいいと感じる程度の力で5秒間隔で呼吸にあわせて、ゆっくりとやさしく押していきます。
関元(かんげん):おへそから指4本分の下
血海(けっかい):膝の内側のお皿の上、指2~3本文上
三陰交(さんいんこう):足の内側の、くるぶしの一番高いところから指4本上にあるくぼみ
鎮痛薬を服用する
鎮痛薬は生理痛の症状を和らげる有効な方法の1つです。
生理痛を抑えるためには、「痛くなりそうだな」「少し痛みを感じ始めたな」というタイミングで鎮痛薬を服用します。
鎮痛薬の中でもNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)という種類には、痛みの原因となる「プロスタグランジン」がつくられるのを抑える働きがあります。そのため、痛みを強く感じたタイミングでは、すでにプロスタグランジンが分泌されているので、鎮痛薬の効果を感じづらくなります。
ただし、15歳未満の方はNSAIDsを使用できません。
NSAIDs以外の鎮痛薬でアセトアミノフェンであれば15未満の方でも服用することができます。アセトアミノフェンは痛みの原因が脳の中で伝わることを抑えて痛みを和らげてくれます。
生理痛がひどい場合は病気の可能性も
セルフケアを試したり、鎮痛薬を服用したりするだけでは効果が不十分なときは、婦人科の受診をおすすめします。病気など原因が隠れているかもしれません。
受診の目安は、生理痛がひどくて日常生活に影響を与えている場合です。日常生活に支障が出るほどの生理痛は「月経困難症」の可能性があります。若い女性ほど月経困難症の割合が多いことがわかっており、25歳未満では40%以上にものぼります。
「月経困難症」には、診察では異常がない場合(機能性月経困難症)もありますが、子宮内膜症や子宮筋腫などが原因の場合(基質性月経困難症)もあります。痛みがひどい、つらいは受診の大切な理由になります。
生理痛の悩みはスマルナで相談しよう
スマルナでは医師によるオンラインピル処方サービスを提供しています。また、受診の前にまずは相談からと言った場合には、生理痛の悩みを無料でご相談いただけます。
ここまでご紹介してきた以外の生理痛を改善する方法に、低用量ピルがあります。低用量ピルには、子宮内膜が厚くなることを抑える作用があるので、生理痛の軽減や経血量を減らす効果を期待できます。加えて高い避妊効果もあります。
ただし、低用量ピルを服用するには医師の処方を受ける必要がありますのでご注意ください。低用量ピルを検討したい場合は、ご希望に応じて、まずはご相談いただくことやオンラインで医師の診察を受けることができます。ピルが処方された場合は、ご自宅ポストにお薬が届く便利なサービスを提供しています。
生理痛は我慢せず、スマルナ医療相談室にご相談ください。
参考資料
Continuous low-level topical heat in the treatment of dysmenorrhea