生理と大事な予定が重なりそう。こんなとき、生理を早く終わらせる方法はあるのでしょうか。
正常な生理の持続期間は3 〜7日以内。一度始まった生理を早く終わらせたり、短くすることはできません。
そこで今回は生理周期についてや生理周期を調節する方法をご紹介します。大事な予定と生理が重なりそうなときの対処法の一つとしてお役立てください。
生理を早く終わらせる方法はある?
結論から言うと、生理を早く終わらせる方法はありません。経血は、妊娠の準備をする中で厚くなった子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに腟を通って体外に排出されます。
経血の量や、体外に排出されるスピードは個人によって異なることはもちろん、毎回の生理で同じように行われるとは限りません。また、一度始まった生理の終わるタイミングをコントロールする方法はないというのが現状です。
生理と生理周期について
生理とは、妊娠に備えて準備されていた子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに経血として身体の外に排出されることをさします。正常な生理期間は3〜7日間、生理周期は25〜38日の約1ヶ月ごとに繰り返されます。
生理周期には卵胞期、排卵期、黄体期、月経期があり、女性ホルモンの影響を大きく受けています。
卵胞期では卵巣で卵子が育ち、女性ホルモンのうち卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が増加し子宮内膜を厚くします。
排卵期では排卵が起こります。
黄体期には、黄体ホルモン(プロゲステロン)は分泌量が増加し受精卵が着床しやすいように厚くなった子宮内膜を整える働きがあります。
受精卵が着床しやすいよう子宮内膜は厚くふかふかになっていますが、ここで妊娠が成立しなければ、黄体ホルモン(プロゲステロン)は減りはじめて分泌されなくなり、また卵胞ホルモン(エストロゲン)も減ります。
そして、子宮内膜は剥がれ落ち生理が起こります。
低用量ピルや中用量ピルで生理予定日を移動する
一度始まった生理を早く終わらせる方法はないものの、生理予定日を早めたり遅らせたりと、生理日移動をする方法があります。その方法は低用量ピルや中用量ピルを服用することです。
低用量ピル・中用量ピルには女性ホルモンの卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が配合されています。
生理日移動を希望する場合は、日にちに余裕をもって受診することをおすすめします。生理を早めるか遅らせるか、低用量ピルか中用量ピルを服用するかどうかで服用のタイミングが異なるからです。
目安としては移動させたい生理の一つ前の生理が始まる前に受診しましょう。
低用量ピルのよくある質問
低用量ピルには、高い避妊効果を始め、生理痛の改善や経血量の減少、PMSの改善効果、生理周期が整うことなどが期待できます。また、生理日の移動に用いられることもあります。
いつから服用すれば良い?
生理日移動は生理を早めるか遅らせるかで服用のタイミングや期間などの方法が異なります。ここでは産婦人科ガイドラインに沿った低用量ピルの服用方法をご紹介します。
ただし、服用開始のタイミングや服用期間は、場合によって異なります。必ず医師の指示に従うようにしましょう。
なお、普段から低用量ピルを服用していない場合は中用量ピルで生理日移動を行うことがあります。どのお薬を服用するかは、医師の判断によるところがあります。
生理を早める場合
生理日を移動させたい生理の一つ前の期間中に服用を開始します。生理がはじまった3〜5日目から10日以上服用します。低用量ピルの服用を終えると、2〜5日後に生理が始まるといわれています。
生理を遅らせる場合
生理日を移動させたい生理の一つ前の期間中に服用を開始します。卵胞期にあたる生理7日目以内に服用を開始し、遅らせたい日まで服用を続けます。
副作用はあるの?
服用をはじめると吐き気や頭痛、不正出血などの副作用が起こることがあります。
その他、ごくまれに起こる副作用として血栓症があり、発症した場合は早期に適切な処理を行うことが大切です。
下記の症状が現れたらすぐに近隣の医療機関を受診しましょう。
- 突然の足の痛み・腫れ
- 手足の脱力・まひ
- 激しい頭痛
- 突然の息切れ・押しつぶされるような胸の痛み
- 舌のもつれ・しゃべりにくい
- 突然の視力障害(見えにくいところがある、視野がせまくなる)
飲み忘れたらどうすればよいか?
低用量ピルは1日1回決まった時間に服用することが大切です。
ただし、飲み忘れが24時間以内の場合は、気づいた時点ですぐに服用し、当日分は決まった時間に服用してください。
飲み忘れから24時間以上たった場合は、処方医へご相談ください。
生理の終わりごろなら腟洗浄も方法の一つ
生理の終わりごろになると、少量の出血が続くと言う人もいるのではないでしょうか。これは、子宮内膜はすべて剥がれ落ちているけれど、腟内に残った経血がゆっくり出てきていることが考えられます。
薬局などで「腟洗浄」ができるアイテムがありますが、腟に残った経血にはそれらのアイテムを使用して洗い流すことで出血が終わることもあるかもしれません。
ただし、頻繁に行うことで腟内を守っている常在菌まで洗い流してしまう可能性があります。腟洗浄を行う場合は使用方法や使用回数を守るようにしましょう。
生理でお悩みの方はスマルナに相談しよう
今回は生理日移動に関する内容をみてきました。生理日移動は大切な予定と生理が重ならないように、ピルを服用することで生理を早めることも遅らせることもできます。ただし、ピルを服用するには医師の診察による処方が必要です。
スマルナの特徴は、オンラインで医師の診察を受けることができるサービスを提供していることです。処方されたピルは自宅ポストに届きます。もちろん、生理日移動に関するご相談もしていただけますのでご安心ください。
もしいきなり診察は...。と戸惑う方は無料で相談を受け付けているスマルナ医療相談室をぜひご利用ください。
大切な予定を存分に楽しんだり、力を十分に発揮するためにも「生理日移動」を選択肢の一つにしてみてはいかがでしょうか。
参考資料
産婦人科 診療ガイドライン ―婦人科外来編2020|日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会