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生理前に気持ち悪いのはなぜ?妊娠やPMSなど考えられる原因や対処法を紹介

生理前になると気持ち悪くなり、学校や仕事に影響が出てしまうという人もいるのではないでしょうか。

生理前に気持ち悪くなる原因としては、さまざまなものが考えられます。原因によっては、治療で生理前の気持ち悪さを軽減することができるかもしれません。
今回は、生理前に気持ち悪くなる原因や対処法について詳しく解説します。

生理前に気持ち悪くなる原因は?

まずは、生理前に気持ち悪くなる原因をみていきましょう。

3PMS(月経前症候群)

PMSとは、生理前3~10日間にみられる精神的症状、身体的症状のことです。吐き気をはじめ、疲労感や腰痛、頭痛、浮腫、抑うつ気分などの症状がみられることがあります。

日常生活に支障をきたすほど症状が強く、生理が始まるとともに症状が軽くなったりなくなったりする場合に診断されます。

生理前に何らかの症状が出ている人は約70~80%にものぼるといわれています。また、生理がある人のうち、PMSと診断される人は5.4%で、未治療の人も多いと言われています。

厚生労働省の調査では、「医療機関に行くほどのことではないと思うから」が 42.0%で最も人数が多く、次いで「医療機関に行く時間がないから」が 29.1%という結果でした。

参考:「『生理の貧困』が女性の心身の健康等に及ぼす影響に関する調査」単純集計結果

お薬による副作用

服用中のお薬や、ピルの副作用で気持ち悪くなることもあります。

市販薬の中でも、鎮痛薬や風邪薬など、含まれている成分によっては胃に負担がかかるものがあります。胃薬も合わせて服用するなどで対処ができることもあります。

また、低用量ピルを飲み始めたばかりの人は、吐き気の副作用がみられることがあります。ピルの服用により体内の女性ホルモンのバランスが変化することで副作用が起こるといわれているので飲み続けることでおさまることがほとんどです。

妊娠の可能性

生理前に気持ち悪くなる場合は、妊娠の可能性も考えられます。妊婦さんの最大約80%で吐き気や嘔吐の症状が生じるといわれているのです。

これはつわりと呼ばれており、妊娠5週頃(直前の生理開始日を0週0日と数えます)から始まることが多いとされています。ただ、症状だけで判断が難しいため、性交渉があり、生理が遅れている中で気持ち悪さもある場合は、妊娠の可能性も考えられるため妊娠検査薬などで妊娠の有無を確認しましょう。

一般的な妊娠検査薬であれば、生理予定日の1週間後、もしくは妊娠の可能性がある性交渉から3週間後から検査を行うことができます。

PMS(月経前症候群)の原因と症状

PMSが起こる原因について、はっきりとしたことはまだ分かっていません。現時点では、黄体期の後半に卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が急激に低下することが原因ではないかと考えられています。PMSの主な症状としては次のような症状があるとされています。

〈精神的症状〉

  • 憂うつな気分になる
  • 怒りの感情をコントロールできるなくなる
  • イライラする、怒りっぽくなる
  • 不安を感じる
  • 突然悲しくなったり、涙が出たり、落ち着きがなくなったりする
  • 家族以外の誰とも会いたくない、人と関わりたくない

〈身体的症状〉

  • 胸の張り
  • お腹の張り
  • 頭痛、頭重感がある
  • 関節痛や筋肉痛がある
  • 体重が増える
  • 手足のむくみ
  • 下腹部が張る・痛む

生理前の気持ち悪さの対処法

生理前にみられる気持ち悪さは、対処を行うことで軽減される場合があります。日常生活でできる対処法もありますが、気持ち悪さが続く場合はお薬を使った治療も検討するとよいでしょう。

胃腸に優しい食事を摂る

気持ち悪さがあるときは、胃腸に負担をかけないように意識してみてください。食事の量を少なくし、消化がいい食べ物を選ぶのがおすすめです。アルコールやコーヒーなども刺激となり胃に負担をかけることもあるので、気持ち悪さを感じる時は控えるといいかもしれません。

ご飯やおかゆ、うどん、脂肪の少ない肉や魚などは胃腸に負担をかけにくいといわれています。

定期的に適度な運動を行う

吐き気の原因がPMSである場合は、定期的に適度な運動を行うことで症状がやわらぐ可能性があります。特におすすめなのが、有酸素運動です。有酸素運動を行うと、PMSを予防できたり症状を改善できたりする可能性があります。無理をしない程度にウォーキングやジョギング、サイクリングなどを行うようにするとよいでしょう。

漢方薬や利尿薬などを服用する

PMSによる多種多様な症状を軽減するのに漢方薬を使うことがあります。

気分の悪さや頭が重く感じる、嘔吐、めまいがある場合、以下の漢方薬を使用することで症状が改善する場合もあると言われています。

  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
  • 五苓散料(ごれいさんりょう)
  • 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
  • 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
  • 当帰呉茱萸生姜湯(とうきごしゅゆしょうきょうとう)
  • 呉茱萸湯(ごしゅゆとう)

市販で購入できるものもありますが、漢方薬は体質に合ったものを選ぶことが大切です。そのため、婦人科を受診して医師と相談しながら自身の体質や症状に合ったお薬を選ぶことがおすすめです。

低用量ピルを服用する

PMSによる吐き気には、低用量ピルを服用することで軽減する可能性もがあります。PMSの原因は詳しくわかっていませんが、低用量ピルにはPMSを軽減する効果が期待できるといわれています。

我慢せず婦人科や心療内科に受診しよう

生理前の気持ち悪さが気になる場合、適切な治療を行うことで気持ち悪さを改善できる可能性があります。胃腸に優しい食事をしたり適度な運動を行ったりしても気持ち悪さが改善しない場合は、婦人科を受診して漢方薬や低用量ピルなどのお薬を検討してみてもいいかもしれません。

スマルナは、医師によるオンライン診療を受けられるサービスです。生理前の気持ち悪さが気になる方は一度ご相談ください。「スマルナ医療相談室」では、助産師や薬剤師に365日いつでも相談ができます。婦人科や心療内科を受診するのに抵抗がある人、受診する時間がなかなかとれない人は、スマルナを活用してみてはいかがでしょうか。

医師の診察により処方が確定した場合は、プライバシーに配慮したうえでご自宅までお薬が郵送されます。ご自宅にいながらお薬の受け取りもできるため、気軽に受診できるでしょう。

参考資料

産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2020

月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS) ? 公益社団法人 日本産科婦人科学会

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