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産後は生理不順になりやすい?原因や受診目安、改善方法を紹介

「産後はいつから生理がくるの?」「産後は生理周期が安定しなくて困っている」など、産後の生理についてお悩みの方は多いのではないでしょうか。

産後は、ホルモンバランスの影響などでどうしても生理不順になりやすいです。今回は、そんな産後の生理不順について、その原因や対処法を説明します。ぜひご覧ください。

生理不順とは

女性の身体は、思春期に初潮を迎えて50歳前後に閉経となるまで、定期的に生理(月経)が繰り返されます。日本産科婦人科学会では、正常な生理周期(月経周期)を「25〜38日」と定義しており、それ以外は全て月経周期異常、いわゆる生理不順に該当します。生理不順を細かく分類すると、以下のとおりです。

  • 周期24日以内:頻発月経
  • 周期39日以上:希発月経
  • 90日以上月経が来ない:続発性無月経

この生理周期は、女性ホルモンの分泌量などによって調整されており、個人差が大きいものです。特に初潮からの数年間や、閉経を向かえる直前の数年間は生理周期の変動も大きいといわれています。

平均的な生理の再開時期

産後の生理再開には、女性ホルモンの変動が大きく関わっています。

そもそも女性の身体では、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)2種類の女性ホルモンによって生理周期はコントロールされいます。同時に、母乳を出すために乳腺を発達させるホルモンであるプロラクチン(乳腺刺激ホルモン)の分泌も始まります。このプロラクチンは、母乳分泌を促進させるだけでなく、卵巣の働きを抑えて排卵を抑制します。

出産を機に、増加し続けていた卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌は急激に低下しますが、産後、時間の経過とともに妊娠前と同じ状態へと戻っていき、生理が再開します。産後の生理再開時期は個人差が大きく、授乳中の方では、個人差が大きく授乳中半年くらいから再開する人から、断乳(授乳を止める)後3か月ほど待って再開する人まで、さまざまです。

授乳によって生理の再開時期が大きく変わるのは、プロラクチンによる影響のためです。プロラクチンは授乳をしている間は分泌され続けます。プロラクチンが排卵を抑制するため、授乳中は月経の再開は遅れる傾向にあります。

産後の生理不順になる原因は?

産後の生理不順は、ホルモンバランスがまだ不安定な状態であったり、慣れない育児のストレスなど、要因はさまざまであると考えられています。

なかでも、プロラクチンによる影響は大きいと考えられています。先ほど説明したように、プロラクチンは排卵を抑制するため、「無排卵月経」を引き起こすことがあります。これは、生理として出血があるものの排卵が起きておらず、「生理が再開したと思ったのに、次の生理がやってこない」「月に2回も生理がきた」という状態になったりします。

また、慣れない育児を行う中で疲労がたまったり、睡眠不足や栄養不足に陥る方も少なくありません。こういった心身の疲労は生理不順につながります。

病院に受診する目安

産後の生理不順は気にしすぎる必要はありませんが、気になる場合は医療機関を受診しましょう。

生理再開の平均を大きく超えても生理が再開しない場合、授乳をしている場合には個人差があり、授乳中半年くらいから再開する人~断乳後(授乳を止めて3か月ほど)までさまざまです。基本的には問題ないことが多いですが、もしかしたらなにか病気が隠れている可能性も否定できません。医師の診察を受けて、不安を解消しておくことをおすすめします。

産後の生理不順を改善する方法

産後の生理不順を改善するために、日頃の生活の中でも気をつけたいポイントをご紹介します。

日常生活の改善

赤ちゃんが産まれ、産後は生活が一変したと思います。まずは十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。赤ちゃんの夜泣き対応などで睡眠不足になりがちですが、昼間に赤ちゃんと一緒にお昼寝をするなどして仮眠をとることも大切です。

また、生活が忙しくてゆっくり食事をとる時間もない、という方もいらっしゃるかもしれませんが、妊娠・出産でダメージを負った身体を回復させるためにもきちんと栄養を摂ることは大変重要です。栄養は基本的に食事からですが、不足がちな鉄分など栄養素をサプリメントから補充することも、医師や薬剤師の指導のもと検討しましょう。

産後は周囲の協力を得て、しっかり養生しましょう。

ストレスの解消

赤ちゃん中心の生活は、それまでの生活リズムとちがって、知らないうちにストレスを溜めこみがちです。ストレスがたまるとホルモンバランスの乱れにつながりますので、できるだけストレスを溜めこまないことが重要です。

自分なりのストレス発散方法を見つけて、時にはしっかり自分を労わる時間をとるようにしましょう。

低用量ピルの服用

低用量ピルは、2種類の女性ホルモンを配合した薬です。ピルを服用すると、成分を含む錠剤を服用している期間に生理は起こらず、偽薬(休薬)期間に出血が起こります。月によって多少の前後はありますが、生理周期が約28日に整います。

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ご都合やお悩みに合わせて、スマルナのサービスをぜひご活用ください。

参考資料

22-女性の健康上の問題/女性の生殖器系の生物学/月経周期|MSDマニュアル家庭版

月経困難症・子宮内膜症/女性の身体のしくみ|Nobel pharma

産婦人科 診療ガイドライン ―婦人科外来編2020 

産後の避妊法

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