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生理痛を和らげる飲み物はある?生理痛の原因やほかの対処法を紹介

生理のたびに苦しむ生理痛。つらい痛みも我慢していませんか?

今回は、生理痛を和らげるといわれている飲み物をご紹介します。そもそもなぜ生理痛が起こるのかといったメカニズムから説明していますので、ぜひご一読ください。

生理痛はなぜ起こる?

女性の身体は、妊娠の準備のために毎回の生理周期で子宮内膜を厚くさせて、受精卵が着床しやすい状態にしています。受精卵が着床すれば妊娠成立となりますが、妊娠しなかった場合は厚くなった子宮内膜が不要となるため、はがれて血液とともに「経血」として体外に流れ出ていきます。これが「生理」です。

生理期間中は、経血を押し流そうとして子宮が収縮します。子宮の収縮を促進させているのが、「プロスタグランジン」という物質です。子宮内膜で生産されたプロスタグランジンの量が多かったり、効きすぎたりすると、必要以上に子宮が収縮して痛みを感じることになります。これが生理痛が起こるメカニズムです。

また、プロスタグランジンは生理痛だけではなく全身の痛みや炎症の原因物質でもあります。そのため、生理時に子宮内膜で作られたプロスタグランジンが全身に運ばれて下腹部痛や頭痛などの原因にもなります。

生理痛を和らげる飲み物はある?

つらい生理痛ですが、温かい飲み物を飲むと痛みが和らぐことがあるといわれています。

そもそも身体が冷えると血管が収縮して、血行が悪くなります。血行が悪くなると、筋肉もかたまりやすくなってしまいます。子宮の体部は主に子宮平滑筋という筋肉と子宮内膜で構成された臓器です。子宮の周りの血行が悪くなると、子宮平滑筋もかたくなり、子宮が収縮しにくくなります。それに対抗して、子宮を収縮させようとプロスタグランジンの分泌量が増えると、生理痛が悪化します。そのため、温かい飲み物を飲んで、身体を冷やさないようにすることで、生理痛が和らぐと考えられています。


具体的には、リラックス効果のあるハーブティーやホットミルク、血管拡張作用が報告されているポリフェノールが含まれたココアなどがおすすめです。これらに限らず、お気に入りのホットドリンクを飲んで、身体を冷やさないようにしましょう。

生理痛を和らげる方法

他にも生理痛を和らげる方法をいくつかご紹介します。ご自身に合う方法を見つけてみてください。

血行を良くする

先ほども説明したように、身体が冷えて血行が悪くなれば生理痛が悪化する場合があります。逆を言えば、血行を良くすることで生理痛が和らぐことが期待されます。入浴時は湯船に浸かる、夏場でもクーラーを使いすぎないなど、身体を冷やさないようにしましょう。腹巻きやカイロなどを上手に活用して、お腹や腰のあたりを温めると良いでしょう。

食生活を改善する

生理痛を和らげる対処法のひとつとして、食生活の改善があげられます。普段から外食やコンビニばかりだと、栄養素が偏ったり不足しがちです。先ずは、3食しっかり食べるようにして、カロリー不足にならないようにしてから、バランスも整えていきましょう。また、生理痛を和らげることが期待できる栄養素として、オメガ-3やビタミンEなどがあります。オメガ-3を多く含む魚介類や、ビタミンEが豊富なナッツ類を積極的に摂るのもよいでしょう。バランスよくカルシウムの多い乳製品や、マグネシウムの多いナッツ類、海藻類など、意識して食事を摂るのもよいでしょう。

鎮痛薬や漢方薬を服用する

生理痛を我慢する必要はありません。つらい痛みにはお薬で対処するのも一つの手です。痛みがひどい場合は、鎮痛薬を服用しましょう。鎮痛薬は「ちょっと痛くなってきたかな」と思うぐらいの、痛みを感じ始めたタイミングで服用するのが効果的です。鎮痛薬を服用するタイミングにも注意しましょう。

また、昔から生理痛などの女性特有の不調に使われてきた漢方薬もあります。「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」や「温経湯(ウンケイトウ)」、「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」などがあり、体質や症状に適した漢方薬を飲み続けることで、体質そのものの改善が期待できます。

低用量ピルを服用する

低用量ピルは、生理に関係する2種類の女性ホルモンが配合されたお薬です。低用量ピルを服用すると、子宮内膜の増殖を抑えることができるため、生成されるプロスタグランジンの量も減らすことができます。それにより、生理痛の軽減が期待できます。他にも経血量が多い過多月経や、生理不順にも効果が期待できます。

ひどい生理痛は月経困難症の可能性も

日常生活に支障をきたすほどのひどい生理痛がある状態は「月経困難症」の可能性があります。

月経困難症は、大きく分けると「機能性月経困難症」と「器質性月経困難症」の2種類があります。

機能性月経困難症とは、生理痛の原因となる病気は見当たらないが、日常生活に支障が出るほどの症状があらわれる月経困難症のことをいいます。生活習慣の乱れや日頃のストレス、身体の冷えからくる血行不良なども、生理痛をひどくする要因と考えられることが多いです。

一方、器質性月経困難症は、何らかの病気が原因でひどい生理痛などの症状があらわれている月経困難症のことをいいます。器質性月経困難症の原因となる病気としては、子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫などがあります。

「単なる生理痛だから…」と安易に放っておくと、将来の健康に悪影響を及ぼしたり、不妊の原因になったりすることもあります。ひどい生理痛でお困りの方は、きちんと医師の診察を受けて、生理痛の原因を知ることも大切です。

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参考資料

月経痛(生理痛)

(1)月経困難症

産婦人科 診療ガイドライン ―婦人科外来編2020

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