セックスのとき、コンドームが途中で破れてしまった、外れてしまった...など。妊娠の不安で焦ってしまう、そんなときどうしたらいいのでしょうか?
今回は、避妊に失敗した時の対処法についてご紹介します。
避妊に失敗した時は、アフターピル
避妊に失敗し、妊娠の可能性があるときは、できる限り早くアフターピルを服用するようにしましょう。
アフターピルとは緊急避妊薬とも呼ばれ、避妊に失敗した際や、性暴力被害にあった際などに、望まない妊娠を防ぐために使用されます。妊娠の可能性があるセックスの「後」に服用するものです。
避妊効果は100%ではないものの、セックスの後に速やかに飲むことにより、高い避妊効果が期待できます。
アフターピルとは?
アフターピルとして使われるレボノルゲストレル錠(ノルレボ錠)は、女性ホルモンの一種である「黄体ホルモン」です。
アフターピルの主な作用は、排卵を抑制したり遅らせたりすることにあると考えられています。
そのほかに考えられる作用としては下記です▼
- 受精を妨げる
- 子宮への受精卵の着床を阻止する
処方医の指示に従って、正しく服用しましょう。
アフターピルの避妊効果
アフターピルは、セックスからの経過時間によって避妊効果が異なります。早く服用するほど妊娠阻止率が高くなるので、できるだけ早く服用することが大切です。
※妊娠阻止率とは・・・避妊なしのセックスを行った場合に予想される妊娠数に対して、アフターピルを服用することで減少する妊娠数の比率を表したものです。
妊娠阻止率「85%」と算出された欧米での調査の結果は、下記のとおりでした。
避妊に失敗した時間から数えて「72時間」を過ぎると妊娠阻止率がガクッと下がるため、72時間以内に服用することが推奨されています。
ただ、「120時間以内」であれば一定の避妊効果はあります。72時間を超えた時点であきらめずに、服用することをおすすめします。
また、副作用などの影響で、お薬を飲んで2時間以内に吐いてしまった場合は、避妊効果が十分に発揮されない可能性があります。その場合は、もう1錠飲む必要があるので、対処法について医師に相談してください。
※スマルナ医療相談室では、アフターピルの妊娠阻止率について下記のようにご説明しております。
- セックスから72時間以内に服用した場合→妊娠阻止率は84%
- セックスから120時間以内に服用した場合→妊娠阻止率は63%
「ヤッペ法」という緊急避妊
緊急避妊には、中用量ピルを服用する「ヤッペ法」という方法もあります。
妊娠の可能性があるセックスの72時間以内に中用量ピルを2錠服用し、さらにその12時間後に2錠服用するという方法です。
中用量ピルは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類の女性ホルモンが配合されています。
国内で認可されているアフターピルはノルレボ錠、レボノルゲストレル錠の2種類のみ。
安全性、有効性ともにヤッペ法よりも優れていることから、緊急避妊薬はノルレボ錠やレボノルゲストレル錠を第一選択とすることが推奨されています。
下記は、ヤッぺ法とLNG群(レボノルゲストレル(黄体ホルモン)を主成分としたアフターピル)の、妊娠阻止率と副作用が現れる確率を比較した表です。ヤッペ法での緊急避妊は妊娠阻止率が低く、副作用が出る確率も高いということがわかります。
アフターピルの副作用について
アフターピルの副作用には、下記が挙げられます。
- 吐き気
- 嘔吐
- 頭痛
- だるさ
- 眠気
- 食欲不振
- 気分障害 など
「アフターピルは副作用が強い」というイメージがある人もいるかもしれません。しかし、国内の調査では、副作用が起こったのは全体で約8%でした。もし副作用が出たとしても、症状が24時間以上続くことはないことがわかっています。
アフターピルについてのよくある質問
Q頭痛や吐き気の副作用が出たらどうしたらいいですか?
- 吐き気:医療機関を受診して、副作用に対する吐き気止めを処方してもらいましょう。
- 頭痛:市販の鎮痛剤で対処いただいて問題ありません。
処方の際に、吐き気止めや鎮痛剤などをセットで処方してくれることもあります。心配な場合は、医師に相談してみてくださいね。
Q.将来の妊娠に影響しますか?
アフターピルの服用によって、将来妊娠できにくくなるということはありません。
Q.副作用をあまり感じないのですが、ちゃんと避妊効果は得られているのでしょうか?
副作用の感じ方には個人差があります。副作用を感じなくても、お薬の効果に影響はないので安心してください。
避妊できたかどうか知る方法
アフターピルの服用後に来る生理に似た出血のことを、「消退出血」と言います。
消退出血が起こるタイミングは、数日〜3週間くらい。
出血の量や始まるタイミング、出血が続く期間は、個人差があるといわれています。少量の出血で終わる人もいれば、いつもの生理と同じくらいの量や期間続く人もいます。
ただ、出血だけでは「避妊が成功したかどうか」判断ができません。
本当に避妊に成功したかどうかは服用から3週間後に妊娠検査薬を試す、または婦人科を受診して確認しましょう。
注意点
消退出血は服用後3週間頃までに見られることが多いですが、なかには避妊に成功していても出血が見られない場合があるようです。
また、妊娠検査薬も、正しく検査が行えなかったり、異常妊娠などによって結果が陰性になったりする場合があります。
そのため、妊娠検査の結果が陰性であっても、服用後4週間経って消退出血が見られない場合には、アフターピルの処方医師の指示に従って、妊娠検査薬の再検査や婦人科への受診を行いましょう。
避妊に失敗した時はパートナーとも話そう
避妊に失敗した時、「どうしよう」と一人で抱え込んでしまう人は多いかもしれません。
でも、避妊については、パートナーと話し合うべきことでもあります。
アフターピルを手に入れるには、医師による診察と処方が必要です。どこの病院に行くか、オンライン診察を使うか、費用は折半するか...など。パートナーと相談して、一緒に対応を決められるといいですね。
また、事前に話しておくことも大切です。避妊に失敗した時の対処法を一緒に考えておくと、これからのセックスにも安心感が増すかもしれません。
低用量ピルで継続的な避妊を
アフターピルは1錠に多くの女性ホルモンが含まれており、服用することで体内のホルモンバランスを変化させることで避妊効果を発揮します。
あくまで緊急的に使用する避妊方法のため、日常的な避妊には適していません。
コンドームは正しく使えば約98%の避妊効果がありますが、破れたり、外れたりすることがあるので、平均的な避妊率は約87%と言われています。
「低用量ピル」は、毎日1錠決まった時間に飲むことで、99.7%の高い避妊効果を発揮します。
毎日一定量の女性ホルモンを摂取し続けることで、体内のホルモンバランスを整え、排卵が抑制されます。
また、低用量ピルはPMS・生理痛・生理周期・ニキビの改善に効果が期待できたり、生理日移動に使うことができたりと、日常生活を快適にしてくれるお薬です。
ぜひチェックしてみてください。