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50代で生理痛がひどい…更年期などの考えられる原因と対処法

今まではあまり気にならなかったのに、歳を重ねてきて生理痛がひどくなってきた気がする…。もうすぐ閉経のはずなのに、生理痛ってひどくなるものなの?と思っている方はいらっしゃいませんか?

50代になってそろそろでは、と頭によぎるのが「閉経」ではないでしょうか。閉経を迎える前の更年期特有の不調でお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、更年期における生理の変化や、生理痛への対処法などについて説明します。更年期の身体の変化を知って、気になる不調への対処法を知っていきましょう。

50代に起こる「閉経」と生理の変化

閉経とは、卵巣の働きが次第に失われ、生理が完全に来なくなった状態をいいます。女性の閉経平均年齢は約50歳です。

また、この閉経前後の5年間(合わせて10年間)を「更年期」といいます。更年期になると、卵巣機能の低下によって女性ホルモンの分泌量が大きく変化しながら少なくなっていきます。そのため、身体症状(ほてり、ホットフラッシュ、発汗、めまい、動悸、疲れなど)や精神症状(気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠など)といったさまざまな症状が現れます。

更年期に起こる生理の変化としては、「生理の周期が短くなり、経血量も減る」「生理痛もおさまっていく」といったイメージがあるかもしれません。しかし、実際にはホルモンバランスが乱れているので、これまで一定だった生理周期も乱れて生理不順になったり、経血量が増えることもあります。

50代で生理痛がひどくなる?考えられる原因とは

更年期に起こる不調は個人差がありますが、生理痛がひどくなることもあります。また、いきなりひどくなった生理痛には病気が隠れていることもあります。

生理痛を引き起こす病気

生理痛を引き起こす子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などの病気が原因であることもあります。生理が終わっても痛みが続く場合や、生理がくるたびに痛みが強くなる場合などは、特に気をつける必要があります。万一、病気であった場合は適切な治療を受けることで生理痛の軽減が期待できます。

更年期障害

そもそも生理痛は、経血を体外に排出するために子宮を収縮させる働きをもつ「プロスタグランジン」という物質の過剰分泌や過剰反応が原因のひとつと考えられます、プロスタグランジンが必要以上に子宮を収縮させるため、生理痛があらわれます。

また、更年期障害の主な原因は卵巣機能の低下によると言われています。体内のホルモンバランスが乱れることで、と子宮収縮が強まり、生理痛が重くなることも見られます。

50代で低用量ピルは飲める?

生理痛への対処法として近年よく使用されているのが低用量ピルです。低用量ピルは2種類の女性ホルモンを配合したお薬で、女性ホルモンのバランス変化を抑えることで生理痛の軽減が期待できますが、血栓ができやすくなるのがリスクのひとつです。

残念ながら、閉経を迎える40歳以上の方への低用量ピルの投与は血栓を起こすリスクが上がることから、処方が難しい場合があります。

生理痛を和らげる対処法

生理痛がひどい場合の対処法をいくつかご紹介します。気軽にできることばかりですので、自分に合った対処法を見つけていきましょう。

お腹や腰を温める

身体が冷えて血行が悪いと、生理痛の原因であるプロスタグランジンが下腹部あたりにとどまったままになり、生理痛がひどくなることがあります。下腹部あたりにカイロをあてたり、しっかり入浴して身体を温めるようにしましょう。特に夏場は、エアコンで部屋を冷やしすぎたり、冷たい飲み物の飲み過ぎにも要注意です。

適度な運動を行う

適度な運動やストレッチは、体内の血行促進にも一役買います。生理痛がある時は身体を動かすのも億劫で、じっとして過ごしてしまいがちですが、同じ姿勢のままだと全身の血行が悪くなるので、痛みを感じやすくなることがあります。無理のない範囲で問題ないので、身体を動かすことを意識してみましょう。

鎮痛薬は我慢せず使用する

ひどい生理痛は、我慢せずに鎮痛薬を服用するのも対処法のひとつです。鎮痛薬を使いすぎると効かなくなるのでは?と心配する方もいますが、用法用量を守って正しく使用する分には問題ありません。鎮痛薬は、痛みがひどくなってから服用するよりも、「痛くなってきたかな?」と痛みを感じ始めたぐらいの早いタイミングで服用するのが、鎮痛効果をしっかり発揮するためのポイントです。

気になる生理の症状は医療機関に相談しよう

鎮痛薬が効かなかったり、生理を重ねるごとに痛みが強くなるなどの生理痛は、病気の可能性がありますので、早めに婦人科を受診しましょう。婦人科では、生理痛以外の更年期障害の症状に対する治療も行うことができます。

忙しくて受診ができない、婦人科の受診にハードルを感じるといった方は、スマルナで相談してみるのもおすすめです。スマルナでは、オンライン上で生理に関するお悩みを医療専門家に相談したり、ピルの診察・処方を受けることができます。

ただし、40歳以上の方は、ピルが慎重投与となり処方が難しい場合もありますのでご留意ください。

参考資料

日本産科婦人科学会|更年期障害

日本産婦人科医会|月経困難症

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