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PMSを治す方法はピル以外にある?治療方法や日常での対策法を紹介

「PMSの改善効果が期待できると聞いてピルを飲み始めたけど、あまり効果が実感できない」

「ピル以外の方法でもPMSを改善することはできるの?」

生理が始まる前になると、いつもよりイライラしたり情緒が不安定になったりして悩んでいる人も多いでしょう。PMSの治療には、ピルが用いられることがあります。

しかし、すべての人がピルの効果を実感できるわけではありません。今回は、ピル以外の方法でPMSを改善する方法や対策法について紹介します。

PMSとは

PMSは月経前症候群とも呼ばれており、生理前の3~10日にわたって続く精神的、身体的な症状のことです。生理が始まると、PMSは軽くなるか消失するといわれています。症状は次のものが代表的です。

〈精神的症状〉

  • 情緒不安定
  • イライラ
  • 抑うつ
  • 不安
  • 眠気
  • 集中力の低下
  • 睡眠障害

〈身体的症状〉

  • のぼせ
  • 食欲不振
  • 過食
  • めまい
  • 倦怠感
  • 腹痛
  • 頭痛
  • 腰痛
  • むくみ
  • お腹の張り
  • 乳房の張り

これらの症状のうち、とくに精神的症状が強い場合はPMDD(月経前不快気分障害)の可能性もあります。精神的症状が強いときは、PMDDも疑ってみましょう。

低用量ピルについて

低用量ピルとは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類が配合されたお薬のことです。

はたらき

低用量ピルには、主に次のような働きがあります。

  • 排卵を抑制する
  • 子宮内膜が増殖するのを抑制する
  • 女性ホルモンのバランスを一定に整える

これらの働きによって、生理痛を緩和したりPMSを改善したりする効果が期待できます。

副作用

低用量ピルの重大な副作用として、血栓症が知られています。血栓症とは、血液中に血のかたまりができて血管が詰まってしまうものです。

低用量ピルを服用していない人が血栓症になる割合は1万人あたり年間1~5人ですが、ピルを服用している人は3~9人とややリスクが上昇します。このほか、以下のような副作用も報告されています。

  • 性器出血
  • 下腹部痛
  • 悪心
  • 頭痛
  • 乳房不快感
  • 便秘
  • 下痢
  • 傾眠
  • めまい

服用できない人

次の項目に該当する人は、低用量ピルの服用ができないので注意しましょう。

※下記以外にも低用量ピルが服用できないと医師から判断される場合があります。実際の処方や服用については医師の指示に従ってください。

  • ピルや女性ホルモン剤でアレルギー症状を起こしたことがある人
  • 乳がんや子宮内膜がんなどエストロゲン依存性の悪性腫瘍がある人
  • 35歳以上で1日15本以上の喫煙をしている人
  • 前兆を伴う片頭痛がある人
  • 重篤な肝障害や腎障害がある人
  • 脂質代謝異常がある人
  • 高血圧がある人
  • 妊娠または妊娠している可能性がある人

低用量ピル以外の治療方法

PMSは、低用量ピルを使わなくても治療できる可能性があります。低用量ピルが体に合わない、副作用が気になるという人は、ほかの治療法も検討してみるとよいでしょう。

漢方薬の服用

PMSの症状に対して漢方薬が用いられることもあります。漢方薬には様々な種類があるため、その人の症状や体質に合った漢方薬を選ぶことが大切です。

PMSで使用される漢方薬には次のようなものがあります。

  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
  • 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
  • 五苓散(ごれいさん)
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん)
  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
  • 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
  • 抑肝散陳皮半夏(よくかんさんちんぴはんげ)

利尿薬や抗不安薬の服用

むくみや乳房の張りが気になるときは、スピロノラクトンなどの利尿薬が使われることがあります。精神症状が気になる場合は、抗不安薬やSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)なども選択肢となるでしょう。

SSRIはうつ病の治療薬としても用いられるお薬です。欧米ではSSRIがPMSの第一選択薬として用いられています。

薬以外の日常生活でのPMS対策

PMSは、お薬を使わなくても改善できる可能性があります。症状が気になる方は、日常生活の見直しも行ってみるとよいでしょう。

不安感を軽減させるには、症状日記が効果的

不安感が気になる方は、症状日記をつけてみてください。いつどのような症状がどういったタイミングで出ているのかを記録しておくことで、症状に対する対策を練りやすくなります。

また、記録として残すことにより気分を落ち着かせたり不安やストレスを軽減させたりする効果も期待できます。

タバコ・お酒・コーヒーはなるべく控える

タバコやお酒、コーヒーはPMSの症状を悪化させる可能性があるため、できるだけ控えましょう。これらをストレス発散の方法の一つとして利用している人は少なくありません。

しかし、かえってPMSが悪化してイライラを助長させる恐れがあります。

甘いものの食べ過ぎに注意

PMSの症状の影響でイライラや不安感が高まり、ついつい甘いものに手を伸ばしてしまう人もいるでしょう。甘いものを摂ると一時的にイライラや不安が落ち着いたように感じるかもしれませんが、実は逆効果です。

甘いものの摂取によって血糖値が急上昇し、その後急降下します。この血糖値の大きな変動がイライラを引き起こす原因となることがあるのです。甘いものが食べたくなったら、ドライフルーツやはちみつを使ったスイーツ、ナッツなどを代わりに食べるようにしてみてください。

ぬるま湯や蒸しタオルでリラックスを

イライラしたり気分が落ち込んだりするときは、ぬるま湯や蒸しタオルを活用するのもおすすめです。ぬるま湯にゆっくりと浸かったり、蒸しタオルで首元などを温めてあげたりすることでリラックス効果が期待できます。副交感神経の働きを活発にするためには、38~40度の温度にするのがおすすめです。

ストレッチや適度な運動

PMSでつらいときにあまり無理をするのは良くありませんが、余裕がある人はストレッチや適度な運動を行ってみてください。血流が良くなり、身体が温まることで不安感や疲労感の減少につながります。起床後や就寝前に体を動かすとよいでしょう。

PMSで気になることがあればスマルナに相談しよう

PMSの治療には、ピルを使う方法以外にもさまざまな選択肢があります。ピルを服用しても効かない、副作用が心配で服用できないという人は、ほかの方法で治療することも検討してみてください。

ピルを使用する以外に、漢方薬や利尿薬、抗不安薬などでもPMSを改善できる可能性があります。治療法は一つではありませんので、PMSの症状が気になる方は婦人科で相談しましょう。

スマルナでは、365日いつでも医師や助産師、薬剤師にPMSなどに関する相談を無料で行えます。診察はオンラインで受けられるので、婦人科の受診に抵抗がある人でも利用しやすいことが特徴です。診察後、お薬が処方された場合はご自宅まで郵送されます。

PMSや生理などについて少しでも気になることがある人は、お気軽にご相談ください。

参考資料

月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS) - 公益社団法人 日本産科婦人科学会

産婦人科 診療ガイドライン ―婦人科外来編2023

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