プロゲステロンは、黄体ホルモンと呼ばれる女性ホルモンです。生理周期や妊娠、体調管理に重要な役割を担っています。
女性ホルモンのバランスが崩れると、心身にさまざまな不調が現れることがあります。生活習慣を整え、ホルモンバランスをサポートすることが重要です。
当記事では、主に以下のことが分かります。
最後まで見れば、プロゲステロンの作用や生理との関係性や過剰になるとどんな症状出るのかが分かり、健康管理への意識が高まるでしょう。
プロゲステロンは女性ホルモンの一つ!基本知識を解説
プロゲステロン(黄体ホルモン)は、排卵後から生理までの期間に活発に分泌される女性ホルモンです。黄体と呼ばれる卵巣内の組織で生成され、妊娠の維持や生理周期の調整に重要な役割を果たします。
プロゲステロンが正常に分泌されることで、子宮内膜が厚くなり受精卵が着床しやすくなるため、妊娠をサポートするホルモンとも呼ばれます。
ここでは、以下の2つについて詳しく解説します。
最後まで見れば、プロゲステロンの基本知識が分かり、女性の身体の仕組みを知るきっかけになるでしょう。
プロゲステロンの主な作用・働き
プロゲステロンは、厚くなった子宮内膜をさらに維持し、受精卵が着床しやすい状態なを整えます。基礎体温を上昇させる働きがあり、排卵後に高温期に入るのはプロゲステロンの影響です。
妊娠が成立した場合には、プロゲステロンの分泌がさらに増加し、妊娠の継続を助けるだけでなく、乳腺を発達させるなど母体の準備を進めます。その他、体内の栄養を蓄える役割もあり、妊娠に向けたエネルギー供給を助ける一方、食欲増加につながることが特徴です。
プロゲステロンとエストロゲンの違い
エストロゲンは、女性らしい身体を形成するホルモンです。
一方で、プロゲステロンは排卵した後から分泌が増え、妊娠の準備や維持を助けます。エストロゲンは主に卵胞で生成されるのに対し、プロゲステロンは黄体で生成されることも相違点の一つです。
また、エストロゲンには骨密度の維持や肌の健康をサポートする働きもあります。このように、エストロゲンとプロゲステロンは互いにお互いに補いあいながら女性の身体を支えています。
違いを理解することで、ホルモンバランスの重要性を知る助けとなるでしょう。
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女性ホルモン(プロゲステロン・エストロゲン)と生理周期の関係性
女性の生理には、エストロゲンとプロゲステロンが深く関係しており、約1ヶ月の間に複雑な変化を繰り返しています。生理周期は以下の4つです。
- 卵胞期
- 排卵期
- 黄体期
- 生理期
生理が終わると、卵胞期が始まります。卵胞期では、卵巣内で卵胞(卵子のもと)が育ち、エストロゲンが増加し、子宮内膜が再び厚くなります。
次に訪れるのが排卵期です。排卵期では、エストロゲンの分泌量がピークに達し、脳からの指令によって成熟した卵胞から卵子が放出されます。
排卵後は黄体期となり、プロゲステロンが活発に働きます。厚くなった子宮内膜を柔らかく保ち、受精卵が着床しやすい環境を整えます。
妊娠が成立しなかった場合は、プロゲステロンやエストロゲンが減少し、子宮内膜がはがれ、生理が始まります。
生理周期を知り、女性ホルモンの仕組みを理解することは、健康管理の大切なポイントです。
プロゲステロンなどの女性ホルモンが不足した場合に起こる症状
プロゲステロンやエストロゲンなどの女性ホルモンが不足した状態が続くと、以下のような症状が起こる場合もあります。
- 生理不順などの生理の異常
- 動悸やほてり
- 性交痛
- 気分の落ち込みやイライラ
- 骨折しやすくなる
- 不妊や妊娠の維持が困難になる
女性ホルモンが不足すると、脳から卵巣への女性ホルモンの分泌を促す指示が弱まり、生理が止まってしまう場合があります。
原因には強すぎるストレスや激しい体重変動などががあります。
そのほかに、女性ホルモンの分泌と関わりが深い臓器でもある甲状腺や卵巣、脳などに病気が隠れていることが原因となっている可能性もあるとされています。
女性ホルモンの不足が疑われる場合は、婦人科を受診し、医師に相談することが重要です。
プロゲステロンが増加した場合に起こる症状
プロゲステロンが増加すると、むくみや食欲増加が起こることがあります。その他、疲労感や眠気が強くなることも特徴です。
また、気分の落ち込みやイライラといった精神的な症状が現れることもあります。
女性ホルモンが乱れるのはなぜ?3つの原因を解説
女性ホルモンが乱れる原因は以下の3つが挙げられます。
女性ホルモンのバランスは、生活習慣や加齢などのさまざまな要因で乱れることがあります。
ここでは、女性ホルモンが乱れる主な原因を詳しく解説します。最後まで見れば、ホルモンバランスが乱れる崩れる原因が分かり、体調管理に努められるようになるでしょう。
過度なストレス
ホルモンバランスが乱れる原因として、過度なストレスが挙げられます。
女性ホルモンの分泌を調整する、脳内の視床下部や脳下垂体は非常に繊細です。強いストレスや長期にわたる精神的負担がかかると、正常なホルモン分泌が妨げられてしまいます。
自覚がない場合でも、体が無意識にストレスを受けることで、ホルモンバランスが崩れることがあります。ストレスを軽減するためには、リラックスできる時間を作ったり、質の良い睡眠を心がけたりすることが大切です。
無理なダイエット
過度なダイエットも、女性ホルモンのバランスを崩す原因です。極端に体重の減少を目指すダイエットは、生理異常を引き起こすリスクがあります。
健康的な体重管理は、ホルモンバランスを維持するための基本です。無理な食事制限ではなく、栄養バランスの取れた食事や適度な運動を心がけましょう。
BMIの計算方法や正常値については以下の記事で詳しく解説しているため、参考にしてください。
肥満の人は低用量ピル服用できない?ピル処方基準の「BMI」とは?
更年期障害
更年期症状障害は、エストロゲンの減少によって起こる症状のことです。閉経前後を併せた10年間を「更年期」と言い、日常生活に支障をきたすほど重い症状が更年期障害とされています。
閉経の平均年齢は約50歳ですが、早い場合は40代前半、遅い場合は50代後半と個人差があります。
更年期障害の主な症状は、ホットフラッシュ、多汗、動悸、肩こり、関節痛などです。その他、情緒の不安や不眠など、メンタル面での不調もみられます。
症状が続く場合は、医師の診断を受け、治療を受けることが重要です。
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女性ホルモンのバランスを整える4つの習慣
女性ホルモンのバランスを整える習慣は以下の4つが挙げられます。
女性ホルモンは、生理や妊娠だけでなく、心の安定にも大きく関わる重要な存在です。
ここでは、ホルモンバランスを整えるために日常生活で実践できる習慣をご紹介します。最後まで見れば、ホルモンバランスを整える方法が分かり、心身ともに健康な日々を手に入れられるでしょう。
食生活を改善する
毎日の食事は、女性ホルモンの分泌を安定させるための基盤です。
中でも、大豆食品にはイソフラボンという成分が含まれており、エストロゲンに似た作用を持つことで知られています。納豆や豆乳、豆腐など、日々の食事に大豆食品を取り入れるのがおすすめです。
また、ホルモンはタンパク質を原料として作られるため、魚や卵、肉なども忘れず摂りましょう。加工食品や過剰な糖分を避け、旬の野菜や魚を多く取り入れることで、よりバランスの良い食生活が整います。
十分な睡眠を取る
睡眠不足が続くと、ホルモンバランスが乱れ、生理周期の変化や疲れやすさにつながることがあります。毎日同じ時間に寝起きする習慣をつけることで、体内のリズムを整え、プロゲステロンやエストロゲンの分泌をサポートできます。
また、リラックスした状態で眠れるよう、寝る前のスマートフォンの使用を控えたり、アロマを炊いたりすることも効果的です。
ストレス管理・発散をする
女性ホルモンのバランスが乱れると、生理の3日〜10日前に生理前症候群(PMS)の症状があらわれやすくなるといわれています。PMSは、イライラや気分の落ち込み、体のだるさなど、精神的・身体的な不調を引き起こします。
過度なストレスはホルモンバランスに悪影響を及ぼす可能性があるため、定期的に発散することが大切です。以下の方法を試してみましょう。
- 深呼吸や瞑想などで心を落ち着ける
- 趣味に没頭する
- リラックスできる音楽を聴く
- ペットと遊ぶ
- 自然の中で散歩する
- 定期的に運動やストレッチを行う
- カフェインの摂取・喫煙・飲酒を控える
- 生理前・生理中の症状を記録する
また、気分が落ち込むときやイライラするときには、38〜40度のぬるま湯に浸かったり、蒸しタオルで首元を温めたりするのもおすすめです。副交感神経が活発になり、リラックス効果が得られます。
自分に合ったリラックス方法を見つけ、無理のない範囲で続けてみてください。
運動を取り入れる
適度な運動も、ホルモンバランスを整えるために効果的です。ウォーキングやヨガ、ストレッチなどの運動を習慣化することで、血流が良くなり、ホルモンの分泌をサポートします。
また、運動にはストレスを軽減する効果もあり、ストレスホルモンの抑制やセロトニンの分泌促進にもつながります。過度な運動は逆効果となるため、無理のない範囲で体を動かすことが大切です。
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プロゲステロンに関する4つのよくある質問
プロゲステロンに関するよくある質問は以下の4つが挙げられます。
ここでは、プロゲステロンに関連する質問に回答します。最後まで見れば、プロゲステロンに関する疑問が解消され、知識を身につけられるでしょう。
プロゲステロンが過剰になるとどんな症状が出る?
プロゲステロンが過剰に分泌された場合の主な症状は、眠気や疲労感、肌荒れなど様々です。感情面では、イライラや気分の落ち込みといった症状が見られることもあります。
気になる症状がある場合は、自己判断で解決しようとせず、婦人科を受診しましょう。
プロゲステロンを増やす方法は?
プロゲステロンを増やすためには、医師の指導に基づいた治療が重要です。お薬を用いた治療としては医療では内服薬、膣錠(膣に挿入するお薬)、注射などで補充する方法があります。
また、ホルモンの正常な分泌を促すために、日々の生活習慣を整えることも重要です。
プロゲステロンを含むお薬の使い方は?
更年期障害の治療で処方されたプロゲステロンを含むお薬を使用する場合は、必ず医師の指示に従って使用するようにしましょう。
正しい知識を持ち、安全に活用することが何より大切です。
また、プロゲステロンやエストロゲンを助ける成分を含む市販のお薬やサプリメントを使用する場合は、製品の説明書を確認することが大切です。
用法用量を守って使用しましょう。
プロゲステロンの分泌場所はどこ?
プロゲステロンは、卵巣の中にある「黄体」と呼ばれる組織から分泌されます。黄体はプロゲステロンを分泌し、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を柔らかく厚く保つ役割を担います。
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まとめ
プロゲステロンは、女性ホルモンの一種です。生理周期の調整や妊娠の維持、体温の上昇など、女性の健康を支える重要な役割を果たしています。
プロゲステロンをはじめとする女性ホルモンは、体だけでなく心の健康にも大きく関わっています。健康維持のためには、栄養バランスの取れた食事やストレス管理など、生活習慣を整えることが大切です。
日々の生活の中でできる対策を取り入れ、自分の身体を理解しながら体調管理を行いましょう。
なお、生理周期が安定しない、過度なストレスに悩まされるという方は、まず「スマルナ」にご相談ください。
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ピルの処方が確定後、ご指定の住所までお薬をお届けする際には、中身が分からないようにプライバシーに配慮された梱包で郵送されます。相談は無料ですのでプロゲステロンに関して気になっている方は、お気軽にご相談ください。
参考文献