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生理前のおりものの特徴は?妊娠初期との違いや受診が必要なケースを解説

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生理前のおりものには、以下の特徴がみられます。

  • 色:白濁
  • 量:排卵期と比較して減少する(生理直前には量が増えることがある)

おりものは、腟内を清潔に保ち、感染症を防ぐなど、女性の体を守る重要な役割を担っています。また、生理周期によって量や性状が変化するため、健康状態を示すサインにもなります。

しかし、色や量、においが普段と異なる場合、病気が隠れていることもあるため、日頃から確認しておくことが重要です。

当記事では、主に以下のことが分かります。

  • 生理前のおりものの特徴
  • 生理前以外の生理周期・年代別のおりものの特徴
  • 生理前のおりもので受診が推奨されるケースと考えられる病気

最後まで見れば、生理前のおりものの特徴が分かり、体調の変化にいち早く対処できるようになるでしょう。

おりものとは?2つの働き・役割を解説

おりものとは、子宮や腟から出る粘液、古い細胞などが混ざった分泌物です。生理周期や体調により量や性状が変化し、体の健康状態を反映する重要なサインとなります。

おりものの主な働き・役割は以下の2つです。

  • 自浄作用で腟内環境を清潔に保つ
  • 排卵期の妊娠をサポートする

最後まで見れば、おりものの基本的な役割が分かり、健康管理に役立てられるでしょう。

自浄作用で腟内環境を清潔に保つ

おりものが持つ自浄作用は、腟内環境を健康に保つための重要な働きです。

妊娠可能年齢の女性は腟内のpHを正常範囲(3.8~4.2)に保つことで、腟内を酸性に保ち、病原菌の侵入や増殖を防ぎます。

排卵期の妊娠をサポートする

おりものは、妊娠を助ける役割も果たします。排卵期には、おりものの量が増加し、透明で粘り気のある性状になります。この状態は、精子が腟から子宮内にスムーズに移動するための環境を作り出します。

自身のおりものの変化に気づけば、妊娠の計画に役立てることが可能です。

生理前のおりものにみられる特徴とは?3つのポイントを解説

生理前のおりものにみられる特徴は以下の通りです。

  • 色:白濁
  • 量:排卵期と比較して減少する(生理直前には量が増えることがある)

生理前のおりものは、色、におい、量のポイントに注目すると、特徴を理解しやすくなります。最後まで見れば、生理前のおりものの特徴が分かり、体の変化に気づきやすくなるでしょう。

色:白濁

生理前のおりものの色は、ホルモンバランスの変化によって白濁することが一般的です。生理が近づくと、わずかな経血が混じり、ピンク色や茶色っぽく見えることもあります。

生理前のおりものの色を把握することで、病気の早期発見にもつながります。

におい:酸味が強くなる

腟内は乳酸菌が産生する乳酸によって酸性に保たれており、おりものがやや酸っぱいにおいとなることがあります。

生理前にいつもより多少強くにおいを感じても、通常の酸っぱいにおいであれば問題はありません。

しかし、魚のような生臭いにおいや、腐敗臭を感じる場合は、細菌感染や性感染症などの可能性があります。

日常的におりもののにおいの状態をチェックすることが重要です。

量:排卵期と比較して減少する(生理直前には量が増えることがある)

生理前のおりものの量は、生理周期の中で変化する特徴の一つです。排卵期にピークを迎えた後、おりものの量は減少しますが、生理直前には再び増加することがあります。

生理前のおりものの増加は、ホルモンバランスの変化によって起こります。

ただし、通常より明らかに多すぎる場合や、色やにおいに異常がある場合は婦人科に相談しましょう。

生理前以外のおりものにも特徴がある?生理周期・年代ごとの変化も解説

生理周期・年代ごとのおりものの変化は以下の通りです。

  • 生理周期
  • 年代

おりものは生理前だけでなく、生理周期や女性のライフステージごとに変化します。それぞれのタイミングで異なる特徴があらわれるのが一般的です。

ここでは、生理周期と年代別のおりものの変化・特徴について解説します。最後まで読めば、生理前以外の時期のおりものの状態が分かり、自分の体の変化を知るきっかけになるでしょう。

生理周期

生理周期によって、おりものの特徴は変化します。例えば、生理周期の中ごろ(排卵が起こる時期)生理の中ごろには粘液が多くなったり、サラサラとした性質になったりします。

生理周期だけでなくさまざまな要因によってもおりものの状態は変化します。ただ、おりものの状態がいつもと異なり不安を感じる方は、一度スマルナにご相談ください。

スマルナなら、オンラインで365日いつでも生理やおりものに関する相談ができます。

年代

年代ごとのおりものの特徴は以下の通りです。

  • 10代:女性ホルモンの分泌が安定せず変化が多い
  • 20代~30代:量が最も多い時期
  • 40代:量が減少し始める
  • 閉経期:さらに量が減少する

年代ごとのホルモン分泌量の変化により、おりものにも異なる特徴があらわれます。ここからは、年代ごとのおりものの特徴を解説します。

10代:女性ホルモンの分泌が安定せず変化が多い

10代は、ホルモンバランスが安定しない時期です。このため、おりものの量が日によって多くなったり少なくなったり、不規則な変化を見せることが特徴です。

なお、悪臭がある場合や、生理ではない時期に少量の血が混ざるなどの症状があらわれた場合は医師に相談することをおすすめします。

20代~30代:量が最も多い時期

20代~30代にかけては、ホルモン分泌が最も活発な時期であり、おりものの量も多くなる傾向があります。

40代:量が減少し始める

40代は、女性ホルモンの分泌が次第に減少する時期であり、おりものの量も徐々に少なくなります。

閉経期:さらに量が減少する

閉経を迎えると、ホルモン分泌の減少によりおりものの量が大幅に減り、少なくなくなります。体調に気になる点がある場合は、早めに医師に相談すると安心です。

生理前と妊娠初期のおりものはどう見分ける?違いを解説

生理前のおりものは、白く濁り粘り気が強いことが特徴です。一方で、妊娠初期のおりものは、量が増えサラサラとした形状になりやすく、クリーム色や黄色っぽくなる場合もあります。

妊娠して着床出血が起きた際には、ピンク色や茶色のおりものが見られることも特徴です。

また、妊娠初期にはおりものの変化だけでなく、体にもさまざまな症状があらわれることがあります。強い眠気、微熱、胸の張り、食欲の変化などの症状が代表的です。

ホルモンバランスの変化が原因であり、妊娠の可能性を示す重要なサインとなります。おりものだけでなく全身の症状を総合的に判断することで、生理前と妊娠初期の違いを理解しやすくなるでしょう。

生理前のおりもので受診が推奨される4つのケースと考えられる病気

生理前のおりもので受診が推奨されるケースは以下の4つが挙げられます。

  • おりものの色が通常と異なる場合
  • おりものの臭いが強い場合
  • おりものの量が急激に増えた場合
  • おりものの性状が通常と違う場合

生理前のおりものの色やにおい、量に異常が見られる場合は注意が必要です。感染症や子宮に関わる疾患の可能性も考えられます。

いつものおりものと違うと感じたら、早めに婦人科を受診することが推奨されます。

ここでは、生理前のおりもので注意すべき症状と関連する病気について解説します。最後まで読めば、見れば、注意すべき生理前のおりものの特徴が分かり、身体の変化にいち早く気づけるようになるでしょう。

おりものの色が通常と異なる場合

おりものの色が通常と異なる場合に考えられる病気としては以下のようなものが挙げられます。

  • 子宮頸がん
  • 子宮頸管ポリープ
  • 性感染症(腟トリコモナス症、性器クラミジア感染症、淋菌感染症、細菌性腟炎など)
  • 感染症(細菌性腟症、カンジダ腟炎)

おりものの色は、透明や乳白色が一般的です。しかし、いつもと違う色が見られる場合は注意が必要です。

子宮頸がん

子宮頸がんが進行すると、以下のようなおりものの変化があらわれることがあります。

  • おりものが水っぽくなる
  • 濃い茶色になる
  • 膿っぽくなるなど
  • おりものに血液が混ざる

また、生理時期以外の出血や性行為の際の出血があらわれることがあります。

これらの症状が確認できる場合は注意が必要です。早期に婦人科を受診することが推奨されます。

子宮頸管ポリープ

子宮頸管ポリープは、子宮頸管の内側にできる良性の腫瘍です。子宮頸管ポリープを発症すると、ピンク色や茶色っぽいおりものが見られることがあります。

また、性交後や運動後に出血を伴うことも特徴の一つです。生理以外の不正出血が続く場合や、異常なおりものが気になる場合は、医師に相談することで早期発見につながります。

おりもののにおいが強い場合

おりもののにおいが強い場合に考えられる代表的な病気には以下の3つがあげられます。

  • 淋菌感染症
  • クラミジア感染症
  • 腟トリコモナス症トリコモナス腟炎

おりもののにおいが強くなる場合、感染症が原因となっている可能性があります。特徴的な臭いがあらわれる場合があるため、早めの対応が肝心です。

淋菌感染症

淋菌感染症では、おりものの色は黄緑色や黄色に変わり、量が増える場合があります。

初期の段階では、自覚症状が少ないため気づきにくい傾向にあります。放置すると感染が広がり、不妊症や骨盤内炎症性疾患を引き起こす可能性があります。

クラミジア感染症

クラミジア感染症では、おりものが水っぽくなり、不快なにおいなど異常を感じることがあります。無症状のまま進行することも多く、気づかないうちに悪化するケースも少なくありません。

また淋菌感染症と同様に、放置すると感染が広がり、不妊症や骨盤内炎症性疾患を引き起こす可能性があります。

おりものの状態が普段と異なる場合、異常を見逃さないために早めに検査を受けることが推奨されます。

腟トリコモナス症

腟トリコモナス症は、泡状のおりものが発生するのが特徴です。おりものの色は、黄色や緑色になることがあります。

また、生臭いにおいが強くなるため、日常生活でも気になるケースが増えます。トリコモナス腟炎は、感染力が高いことも特徴の一つです。

おりものの異常の他、外陰部のただれ、腟内の灼熱感、排尿時の痛みなどがあらわれることもあります。

おりものの量が急激に増えた場合

おりものの量が急激に増えた場合、非特異性腟炎が考えられます。非特異性腟炎は、特定の病原菌が原因ではなく、腟内の細菌バランスが崩れることで発症します。

黄色や茶褐色をした膿のようなおりものが多く見られ、悪臭を伴うことが特徴です。また、腟内や外陰部の腫れや痛み、排尿時の違和感などがあらわれる場合もあります。

おりものの量の増加には、そのほかに性感染症、腟炎等さまざまな疾患の可能性もありますので注意が必要です。

おりものの量が気になった方は、医師に相談することをおすすめします。

おりものの性状が通常と違う場合

おりものの性状が通常と違う場合に考えられる病気は以下が挙げられます。

  • カンジダ腟炎

生理前におりものの形状が大きく異なり、固形状や水っぽくなるなどの変化が見られる場合、感染症や婦人科系の疾患が関係している可能性があります。

日常生活に影響を与えるだけでなく、放置することで症状が悪化するリスクもあるため、注意が必要です。

カンジダ腟炎

カンジダ腟炎は、白くポロポロとした塊状のおりものが出るのが特徴です。腟内のカンジダ菌が増殖することで発症します。

おりものの異常以外では、外陰部のかゆみ、灼熱感、性交時の痛みなどが主な症状です。

ホルモンバランスの乱れや免疫力の低下が原因で発症するケースもあるため、疲れやストレスが溜まっている時期には注意してください。

生理前の不快なおりものへの3つの対処法

生理前の不快なおりものへの対処法は以下の3つが挙げられます。

  • 過剰な洗浄は避ける
  • ナプキンやおりものシートを定期的に交換する
  • 通気性の良い下着を着用する

生理前になると、おりものの量が増えたり、においが強くなったりすることで、不快感を抱く方は少なくありません。しかし、おりものは体の自然な変化によるものであり、ケア方法を知っておくことで快適に過ごせます。

ここでは、生理前のおりものに伴う不快感を和らげるための方法を解説します。最後まで見れば、生理前のおりものの対処法が分かり、毎日快適に過ごせるでしょう。

過剰な洗浄は避ける

腟内を強く洗浄したり、刺激の強い石鹸を使ったりすることは避けましょう。腟内には、デーデルライン桿菌という乳酸菌が常在し、自浄作用を通じて腟内環境を健康に保っています。

過剰な洗浄は、善玉菌まで洗い流してしまい、においや痒みを引き起こす原因になります。デリケートゾーンは、外陰部のみをぬるま湯や低刺激の石鹸で優しく洗う程度に留め、腟内の自浄作用を保つことが大切です。

おりものシートを定期的に交換する

おりものシートを使用する場合は、定期的に交換することが重要です。

長時間使用すると、湿気がこもりやすくなり、雑菌が繁殖する原因になります。その結果、においや痒みなどの不快症状が悪化することがあります。

また、おりものシートだけでなく、タンポンの長時間のつけっぱなしにも注意が必要です。定期的に取り換え、デリケートゾーンを清潔に保ちましょう。

通気性の良い下着を着用する

生理前のおりものによる不快感を軽減するためには、下着選びも重要です。中でも、綿素材の下着は通気性が良く、湿気がこもりにくいため、おりもの対策として有用です

また、締め付けが強い下着や肌への刺激が強いパンツは避け、肌に優しい素材を選ぶことが理想的です。不快感を軽減し、蒸れやかゆみ防止にも役立ちます。

生理前のおりものに関する3つのよくある質問

生理前のおりものに関するよくある質問は以下の3つです。

  • 生理前の尿漏れみたいな水っぽいおりものは病気のサイン?
  • 生理前におりものが減る場合は妊娠の可能性がある?
  • 生理前の白いおりものは異常?

最後まで見れば、生理前のおりものについての疑問が解消され、正しい知識を身につけられるでしょう。

生理前の尿漏れみたいな水っぽいおりものは病気のサイン?

生理前に水っぽいおりものが出るのは、ホルモンバランスの影響もあり、必ずしも病気とは限りません。

ただし、生理周期に関係なくおりものが大量に出たり、悪臭や血が混ざっていたりする場合は、病気の可能性も考えられます。おりものシートで対応できないほどの量や、不快感が続く場合は早めに婦人科を受診しましょう。

生理前におりものが減る場合の妊娠の可能性は?

生理前におりものが減る場合でも、妊娠の可能性が完全に否定されるわけではありません。

おりものの減少だけでは妊娠を判断するのは難しいため、生理が遅れている場合には妊娠検査薬を試すか、婦人科に相談することをおすすめします。

生理前の白いおりものは異常?

生理前におりものが白っぽくなるのは、通常の生理周期に伴う変化の一環です。

ただし、おりものに強い臭いや痒みが伴ったり、普段と大きく異なる性状がみられたりする場合は、感染症の可能性も考えられます。不安を感じたら、早めに婦人科を受診してください。

まとめ

おりものは腟内を守り、妊娠や病気を伝えるための役割も果たしています。生理前のおりものの特徴を以下にまとめました。

  • 色:白濁
  • 量:排卵期と比較して減少する(生理直前には量が増えることがある)

生理前のおりものに普段と違う色や強いにおい、異常な量がみられる場合は、感染症や婦人科疾患の可能性があります。

自分の体の変化を観察し、不安なときは婦人科に相談することが重要です。自分の体を知り、大切にする一歩として、日頃からおりものの状態に目を向けてみましょう。

なお、「産婦人科や婦人科に受診したいけど抵抗がある」「受診する時間がない」という方は、まず「スマルナ」にご相談ください。

スマルナなら、オンラインで365日いつでも生理やおりものに関する相談ができます。また、医師の診察・ピルの処方もオンラインで受けられます。

ピルの処方が確定後、ご指定の住所までお薬をお届けする際には、中身が分からないようにプライバシーに配慮された梱包で郵送されます。相談は無料ですので生理前のおりものに関して気になっている方は、お気軽にご相談ください。

参考資料

腟のかゆみおよび分泌物 - 18. 婦人科および産科 - MSDマニュアル プロフェッショナル版

おりもの - 22. 女性の健康上の問題 - MSDマニュアル家庭版

おりものについて教えてもらえますか? – 日本産婦人科医会

おりものの主な原因と特徴-MSDマニュアル家庭版

子宮頸がん - 公益社団法人 日本産科婦人科学会

淋菌感染症 - 16. 感染症 - MSDマニュアル家庭版

クラミジア感染症 - 16. 感染症 - MSDマニュアル家庭版

トリコモナス(Trichomonas)腟炎 - 22. 女性の健康上の問題 - MSDマニュアル家庭版

腟炎の概要 - 18. 婦人科および産科 - MSDマニュアル プロフェッショナル版

腟の真菌感染症(腟カンジダ症)

子宮筋腫 - 22. 女性の健康上の問題 - MSDマニュアル家庭版

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