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生理が遅れる理由・原因は?病院受診の目安と周期を整える方法

生理予定日に生理がこないという経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
性交渉をしておらず妊娠の可能性がない場合や、性交渉があったとしても妊娠検査薬の結果が陰性だったのに生理がこない場合など「どうしてだろう?」と疑問に思うこともありますよね。

生理がこないのは、ホルモンバランスの乱れや子宮の病気が原因かもしれません。

今回は、生理が遅れる原因と、その対処法や病院を受診する目安の時期などについて解説します。

生理が遅れる理由

妊娠をしていない場合、生理が遅れる理由のほとんどは、ホルモンバランスの乱れだと考えられています。その他には、病気が原因で生理が止まっていることも。
ここでは生理が遅れる理由について詳しくみていきましょう。

ホルモンバランスが乱れている

生理が遅れる理由の一つは、「ホルモンバランスの乱れ」が考えられます。

ホルモンバランスの乱れというのはどういうことかということを説明します。
生理が「始まった日」から次の生理が来る「前日」までの日数のことを生理周期(月経周期)と呼びます。

体内では卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という女性ホルモンが分泌され、生理周期の中で妊娠に向けた準備を行ないます。

卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌量はグラフのように常に変化しており、これらのホルモンの変動によって排卵や生理などが起こります。

ホルモンバランスが崩れてしまうと、妊娠に向けた準備がうまくいかず、排卵のタイミングがずれたり、排卵や生理が起こらなかったりするのです。

では、ホルモンバランスはどんなときに乱れるのでしょうか?

それはストレスによって引き起こされることが多いです。
環境の変化や仕事や学校で溜まった疲労など、日常生活の小さなストレスから、激しい運動、無理なダイエット、摂食障害などの大きなストレスまで、その要因はさまざまです。
ホルモンバランスの乱れはストレス以外にも、子宮や卵巣などの病気の可能性が考えられます。

無月経や閉経の可能性もある

3ヶ月以上生理がない場合、無月経や閉経の可能性があります。

思春期ごろに生理が始まって以降、無月経でも問題ない期間は、妊娠・授乳中、閉経後です。それ以外の時期に起こる無月経は注意が必要です。

・生理が突然3ヶ月以上こなくなった…続発性無月経
今まできていた生理が3ヶ月以上こないことを「続発性無月経」といいます。
※満18才になるまでに初経が来ない場合は、原発性無月経と言います。

続発性無月経の主な原因は、ストレスだと考えられています。
無月経の状態が続くと、ホルモン異常や不妊症の原因にもなる可能性があります。

また、下記の病気が原因となっている場合もあるため、生理が3ヶ月以上こない場合は、早めに医師の診察を受けるようにしましょう。

  • 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
  • 高プロラクチン血症など

※高プロラクチン血症とは、授乳期間中でないにも関わらず、血中のプロラクチン濃度が高い場合を指します。プロラクチンとは脳の下垂体から分泌されるホルモンのことであり、乳腺の発達を促進し、乳汁を分泌させる働きや排卵を抑制する働きがあります。
高プロラクチン血症になると、授乳中と同じような卵巣への抑制が働く事により、不妊の原因になるともいわれております。

また、早発閉経の可能性があるので注意が必要です。
40歳よりも前に閉経してしまうことを早発閉経(早発卵巣不全)といいます。

早発閉経と診断されると、排卵や生理が止まるため、妊娠が困難になります。
早発閉経の症状としては、生理不順や更年期障害のような症状が挙げられます。これらの症状が現れたら、早めに診察や検査を受けましょう。将来妊娠を希望する場合は卵子(受精卵)や卵巣組織の凍結保存などを検討します。

そもそも正常な生理とは?

そもそも正常な生理とは、どのようなものなのでしょうか。生理の仕組みをもう少し詳しくみていきましょう。

生理が起こる仕組み

生理が「始まった日」から次の生理が来る「前日」までの日数のことを生理周期(月経周期)と呼び、生理周期の中でホルモンバランスは常に変化しています。

この生理周期の中で、ホルモンバランスの変化に合わせて子宮や卵巣でもさまざまなことが起きており、卵胞期・排卵期・黄体期・生理の4つの時期に分けられます。

  • 卵胞期 卵巣の中の卵子のもととなる原始卵胞が成熟します。 成熟した卵胞から卵胞ホルモン(エストロゲン)がたくさん分泌され、その作用で子宮内膜が厚くなります。 期間は7~10日間程度です。 卵胞ホルモン(エストロゲン)が盛んに分泌されることにより、肌や髪がつややかになったり、副交感神経の働きが活発になるため、気分も明るく、活動的になる時期です。
    • 排卵期 成熟卵胞から卵子が排出される排卵が起こります。 その排卵の前後2、3日の期間のことを排卵期と呼びます。 排卵が起こるタイミングは基本的に次の生理の約2週間前とされています。 卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が減ってホルモンバランスが大きく変動するため、ココロやお肌の調子が不安定になります。 また、排卵の際、下腹部の痛みや出血を伴う場合もあります。
    • 黄体期 排卵後の卵胞が黄体に変化します。 この黄体から黄体ホルモン(プロゲステロン)がたくさん分泌され、その作用で子宮内膜はより厚くなり、子宮内を妊娠しやすい環境に整えます。 期間は14~18日間程度です。 黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が高まり、胸のハリ・頭痛・むくみ・便秘・眠気など、さまざまな不調が出やすい時期になります。 イライラや不眠、不安感に悩まされる場合も多く、心身ともに辛い不快感が出やすい期間です。
    • 生理 受精卵が着床がしなかった場合、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌が低下し、それにより子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに体外に排出されます。 期間は3~7日間程度です。 下腹部や腰などに感じる生理痛や、頭痛などの症状が多く見られます。 出血により、貧血気味になって倦怠感をおぼえたり、身体の冷えを感じやすかったりする時期でもあります。 落ち込みや憂鬱な気分が続く方も多いようですが、生理の終わり頃には卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が始まり、徐々に回復していきます。

簡単に説明すると、子宮内には赤ちゃんのベッドとなる子宮内膜があります。卵胞期から厚く成長し始め、黄体期では受精卵を受け止めやすい状態に変化します。
妊娠しなかった場合、子宮内膜は剥がれ落ち、経血と一緒に体外に排出されます。これが「生理」です。

これが周期的に繰り返されていきます。

正常な生理周期と持続日数

医学的に「正常」と言われる生理周期は「25~38日」くらいと言われていて、この生理周期は毎月ほとんど同じペースで繰り返されます。
持続日数(生理中:経血が見られる期間)は、3~7日程度が正常とされています。

生理周期や持続日数が正常な範囲よりも短かったり、長かったりすることを生理不順(月経不順)と言います。

生理周期の期間によって、それぞれ下記のように呼びます。

  • 生理周期が24日以内で、生理の回数が多い場合…頻発月経
    • 生理周期が39〜89日で、生理の回数が少ない場合…稀発月経(きはつげっけい)
    • 生理周期が90日(3ヶ月)以上…続発性無月経

生理の持続日数によっても、下記のように呼びます。

  • 持続日数が2日以内で、生理期間が短い場合…過短月経
    • 持続日数が8日以上で、生理が長く続く場合…過長月経

病院を受診する目安と生理周期を整える方法

生理が遅れているけど、病院に行くタイミングはいつがいいのでしょうか?
ここでは、病院を受診するタイミングの目安について解説します。また、生理周期が不安定な方に向けて、生理周期を整えるコツもご紹介します!

受診の目安

妊娠をしていない状態で、いつもきていた生理が3ヶ月以上こないようでしたら病院を受診しましょう。

生理予定日から1週間ほ前後して生理がきた場合、心配に思う方もいるかもしれません。
生理日が予定からずれたのが1度のことであれば、様子をみるだけで問題ありませんが、継続して生理周期が乱れるようであれば病院を受診しましょう。

注意したいのは性行為を定期的に行なっている場合。生理がこない場合は妊娠している可能性が考えられます。
生理予定日から1週間以上が経過した段階で、まずは妊娠検査薬で調べてみましょう。

病院を受診するハードルが高いと感じる方も中にはいらっしゃるかもしれません。ですが、生理がこないことを放置してしまうと隠れいている病気の発見が遅れてしまうかもしれません。
3ヶ月を一つの目安にして病院に行ってみてくださいね。

また、必ずしも3ヶ月待たないといけないわけではありません。
気になる症状がある場合はそのタイミングで医師に相談しても問題ありませんので、「行こう」と思ったタイミングで受診するのがおすすめです。

生理周期を整える方法

生理周期を整えるために重要なポイントは、ストレスを取り除くこととホルモンバランスを整えることです。

ストレスを取り除く

日々たくさんのストレスがあり、なかなか全部は取り除くことが難しいかもしれません。
ですが、小さなことでも変えてみると心が軽くなることも!
すぐに見直せるポイントの一例として、下記に当てはまるものがないかチェックしてみてくださいね。

  • 無理なダイエットをしていないか?
    • 運動不足になっていないか?
    • 身体に負荷がかかりすぎる激しい運動はしていないか?
    • 食事や睡眠など、生活が不規則になっていないか?
    • ストレスになっているかを認識できているか?
    • ストレス発散方法があるか?

ホルモンバランスを整える

ストレスを改善することでホルモンバランスが整ってくることもありますが、確実に整うとは言えません。
病院を受診すると、ホルモン療法で生理周期をしっかりと整えることができます。

ホルモン療法にはいくつか種類があり、ピル(超低用量ピル・低用量ピル)、ホルモン注射、漢方薬などを用いることが一般的です。
※病院を受診することで、身体に合わせた方法が医師から提案されます。

生理周期を整える際に使用されるピルは、低用量ピルや超低用量ピル。
卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンに似た成分が配合されており、毎日飲み続けることでホルモンバランスを整えることができます。

また、「休薬期間」という生理に似た出血を起こす期間があります。お薬によって出血のタイミングをある程度コントロールできるため、「いつ生理がくるんだろう」と不安になることがありません。

また、その他にも高い避妊効果や、月経困難症・月経前症候群(PMS)の改善、子宮内膜症の悪化防止やニキビの改善などの効果も期待できます。

「生活週間を見直し、生理周期を整えよう」

生理が遅れる原因は、ほとんどがストレスによるホルモンバランスの乱れです。
生理周期を整えるためには、生活習慣を見直し、ストレスの原因を取り除く必要があります。
ダイエットや不規則な生活など、自分でコントロールできるものは、一度見直してみてくださいね。

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また、「スマルナ」では医師によるオンライン診察、ピルの処方も行なっています。

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