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避妊方法いくつ知ってる?コンドーム以外のいろんな選択肢

みなさんは、避妊方法をいくつ知っていますか?
異性のパートナーとセックスをする場合、妊娠を望んでいないタイミングでは必ず何らかの方法で避妊をする必要があります。
日本でメジャーな避妊法はコンドームですが、コンドームは破れたり外れたりする場合があり、平均的な避妊率は約87%と言われています。

「より効果的な避妊法を知りたい」「自分とパートナーにあった避妊法を考えたい」そんな人に向けて、いろいろな避妊方法の種類・避妊効果や費用についてまとめました!

日本でメジャーな避妊法は?

まず、今の日本におけるメジャーな避妊法は、どの方法なのでしょうか?

国連が行った調査では、下記のようなデータが報告されています。

  • コンドーム:約77%
  • 腟外射精:約18%
  • 低用量ピル:約2%
  • リズム法:約1.3%
  • 子宮内避妊具(IUD):約1%

参考:World Contraceptive Use 2020

ただし、腟外射精・リズム式は避妊法として不確実であるため、適切な避妊法ではありません。それぞれの方法について簡単に解説します。

  • 腟外射精・・・射精のタイミングでペニスを抜き、腟外に射精するというもの。
  • リズム法・・・生理周期や基礎体温の変化などから排卵日を予測し、妊娠しやすい日を避けて避妊を行うというもの。

みなさんは普段、どの避妊方法を使っていますか?

いろいろな避妊方法と効果

ここで、避妊方法の避妊率について表を見てみましょう。
「避妊率」とは、100人の女性がそれぞれの避妊法を1年間続けた時に避妊に成功する確率です。

出典:Contraceptive Technology,20 ed., Ardent Media, 2011 Table3-2 改変
日本産科婦人科学会 OC・LEPガイドライン2020年度版
スマルナ アフターピルファクトブック

※1:選んだ避妊法を正しく続けて使用しているにもかかわらず妊娠した確率。
※2:選んだ避妊法を使用しているにもかかわらず妊娠した確率。低用量ピルは「飲み忘れ」、コンドームは「正しく装着できていない」「破れた」など使用時における失敗を含みます。

表内の避妊方法を、いくつ知っていますか?あまり聞きなじみがない方法もあるかもしれません。
一つひとつ詳しく解説していくので、正しい知識を身につけて自分とパートナーに合った避妊法を見つけてくださいね。

コンドーム

コンドームは、ペニスに装着して使う避妊アイテムです。
ドラッグストアやコンビニなどで、だれでも簡単に、安価に入手できることがメリットです。

また、コンドームには性感染症を予防する効果もあるので、セックスの際には使用するようにしましょう。

コンドームには、さまざまなサイズ・素材・形状があります。身体に合わないサイズを使用したり、間違った方法で使用したりすると、避妊や性感染症予防に失敗する可能性があります。自分とパートナーの身体に合ったコンドームを選び、正しく使用することが大切です。
コンドームを使う際に、痛みや違和感が気になるという人は、下記記事を参考に素材選びにもこだわってみてくださいね!

費用:おおよそ1,000円/12個程度(種類により異なります)

低用量ピル

低用量ピルは女性ホルモン(卵胞ホルモン・黄体ホルモン)が入っているお薬です。飲み続けることで排卵を抑制し、避妊効果を得ることができます。
服用方法はとても簡単で、毎日1錠、決まった時間に飲むだけ。適切に服用すれば99.7%の高い避妊効果を得ることができます。

【低用量ピルの種類】
低用量ピルには使用目的によって大きく2つの種類に分かれます。

  • OC・・・避妊目的(Oral Contraceptivesの略)
  • LEP・・・月経困難症や子宮内膜症の治療目的(Low-dose Estrogen Progestinの略)

LEPは国内で避妊に関する臨床試験が行われていないため、避妊を目的とした使用はしないよう、お薬の添付文書に書かれています。
そのためLEPの避妊効果については、医師によって見解が異なることがあります。処方された際には、医師へ確認するようにしましょう。

その他にも、ホルモンの配合量や、お薬に使われている黄体ホルモンの種類の違いによって、低用量ピルにはさまざまな種類があります。医師と相談しながら自分に合ったお薬を見つけましょう。

生理前~生理中の不調にも効果的

避妊だけでなく、ピルはPMS・生理痛・生理不順・ニキビの改善など、生理前~生理中に起こるさまざまな症状への効果が期待できます。
生理に伴う不調に悩んでいる人は、一度検討してみてはいかがでしょうか?

副作用

ピルの飲み始めは、副作用が現れやすいと言われています。
主な副作用は下記が挙げられます。

  • 不正出血
  • 吐き気
  • めまい
  • 頭痛など

副作用の原因の多くは、体内のホルモンバランスがお薬の作用で変化することで起こっています。
副作用のほとんどは飲み続けることでおさまっていくので、3シートほどは飲み続けてみてくださいね。
※お薬との相性は人それぞれです。吐き気や頭痛の場合は他のお薬を併用したり、低用量ピルの種類を変えることで改善することがあります。

費用:おおよそ2,000〜5,000円/1ヶ月(種類、病院により異なります)

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子宮内避妊器具(IUD)

子宮内避妊具(IUD)とは、子宮内に小さな器具を入れることにより長期的に避妊効果を得ることができる避妊方法です。「避妊リング」とも呼ばれています。
下記のような人におすすめです。

  • 体質や年齢でピルが服用できない人
  • 長期的に避妊したい人
  • 喫煙する人
  • 出産後や授乳中の人

子宮内に器具を入れることで受精卵が子宮内膜に着床しづらい環境をつくり、99.2~99.4%の高い避妊効果を発揮します。また、一度装着すると、約3~5年間は継続して避妊効果を得ることができるのも特徴です。
※99.2~99.4%という数値は、IUDの1つ「銅付加IUD」の避妊率
※装着期間は、IUDの種類によって異なります

施術や費用について

装着・除去には医師の施術が必要で、IUDがズレたり外れたりしていないか定期的に検診があります。
IUDの使用にかかる費用は3~6万円ほどで、医療機関によって異なります。例えば、5万円で挿入したIUDを、5年間装着し続けた場合は「830円/月」で避妊効果が得られることになります。
長いスパンで見るとコンドームやピルよりもはるかにコストパフォーマンスに優れた避妊方法と言えるでしょう。
※医療機関によっては、出産経験のある方にしか施術を行っていない場合もあります。詳しくは、診察の際に医師に直接相談してみましょう。

費用:おおよそ3〜6万円(IUDの種類、病院により異なります)

IUDの種類

IUDには、いくつかの種類があります。ここでは主な2種類を紹介します。

【銅イオンを放出する銅付加IUD】
銅付加IUDは、より避妊効果を高めるために「銅」が巻かれているものです。
銅イオンの作用により、精子と卵子、両方の機能や寿命を低下させて受精を阻害します。
緊急避妊の際にも使用されることがあります。

【黄体ホルモンを放出するIUS】
「子宮内黄体ホルモン放出システム」はIUSと呼ばれ、黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を子宮内に放出します。
黄体ホルモンの作用で子宮内膜が薄くなり受精卵が着床しづらくなることと、子宮口の入り口の粘液(子宮頸管粘液)の粘性を高めることで、精子が子宮の中に侵入するのを阻止します。

また、子宮内膜を薄くする効果があるため、生理時の出血量の減少や、生理痛の緩和も期待できます。IUSを月経困難症や月経過多の治療目的で装着する際は、保険が適用され1万円弱程度になることもあります。

避妊手術

避妊手術は、男女ともに永久的に避妊効果を得られる避妊方法です。
生涯妊娠を望まない人や、すでに子どもがいて今後妊娠を望まない人などに適しています。

ただ、一度避妊手術を受けると、それ以降生殖機能を元に戻すことが難しい場合があります。手術を受けるかどうかは、医師やパートナーと相談しながら慎重に検討されることをおすすめします。

女性の避妊手術

卵管(卵子の通り道となる管)を糸やプラスチックバンド、クリップなどで結んでふさいだり、切断したりする手術です。
手術は産婦人科や婦人科で受けることができます。
手術の方法や医療機関によって入院期間は異なります。詳しくは、病院へ事前にお問い合わせの上、よくご相談くださいね。

費用:おおよそ10〜20万円(病院により異なります)

男性の避妊手術

精管(精子の通り道となる管)を糸などで結んで塞ぐ、あるいは切断する手術です。「パイプカット」とも呼ばれます。
手術は、泌尿器科などで日帰りで受けることができます。

費用:おおよそ5〜20万円(病院により異なります)

まとめ

どの避妊方法も、その避妊効果は100%ではありません。妊娠を望まないタイミングでセックスをする場合は、あなたとパートナーの身体やライフスタイルに合った、なるべく効果の高い方法で避妊を行いたいですね。

なお、ピルは高い避妊率だけでなく、生理痛やPMSなど生理に伴うさまざまな不調に効果的です。避妊に不安がある、生理に振り回されてつらい...そんな人はぜひ一度医師や専門家に相談してみてくださいね。

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