低用量ピルを内服するにあたって、心配なのが副作用ですよね。
ピルとは卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の合成された女性ホルモン成分が配合されたお薬で、それぞれのホルモンの配合量により低用量ピル、中用量ピル、アフターピルなどの種類があります。
なかでも卵胞ホルモンの配合量が少ない低用量ピルは、適切に服用することで99.7%の高い避妊効果や、ホルモンバランスを整え、生理痛の緩和や生理周期の調整などの効果も期待できます。
ただ、服用にあたり、副作用が気になるという方も多いのではないでしょうか。
今回は、低用量ピルの副作用について、最も多いといわれている不正出血を中心に、原因や対処法などを詳しく解説します。
低用量ピル服用中の不正出血はいつまで続くの?
低用量ピル服用中は、7日間の休薬期間や偽薬期間に生理がきます。
しかし、本来出血が起こるはずのない期間に出血してしまった場合、とても不安になりますよね。
飲み始めは特に、副作用として不正出血が起こる人が多いのをご存知でしたか?
不正出血とはどんなもので、いつ頃まで続くのかを解説します。
不正出血の症状例
下記は一例ですが、不正出血の色や出血量は人によってさまざまです。
- 赤色
- 茶色
- わずかな出血ではピンク色
- おりものに血が混じっているような状態
不正出血が見られる期間
低用量ピルの副作用である不正出血は、飲み始めてから1〜3ヶ月の、まだ身体が低用量ピルに慣れていない時期に出やすいとされています。
出血する期間は個人差がありますが、なかには生理の後に2週間以上少量の出血が続いてしまう人も。
しかし、服用を開始してすぐの不正出血は、低用量ピルが体に慣れるまでの一時的なものです。
飲み続けるうちに治まってくることがほとんどなので、安心してくださいね。
低用量ピルの服用中に起こる不正出血の原因と対処法
なぜ低用量ピルを飲むことで不正出血が起こるのでしょうか?
原因と、実際に不正出血が起こってしまったときの対処法をみていきましょう。
不正出血の主な原因
低用量ピル服用中に起こる不正出血の主な原因は、ホルモンバランスが不安定になっているから。
低用量ピルは女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)の成分を含むお薬です。
低用量ピルを飲み始めると、体内の女性ホルモン量が低用量ピルに含まれる女性ホルモンによって変化します。
低用量ピルを服用し始めてから1~3か月程度はホルモンバランスが不安定になることによって、子宮内膜が剥がれやすくなり不正出血が起こります。
この不正出血は低用量ピルを服用する人の20%が経験しており、副作用としては最も多い症状です。
決して珍しいことではないので、もし不正出血が起こったとしても、飲み始めたばかりの期間は心配しなくて大丈夫です。
その他にも、ピルを飲み忘れることで不正出血が起こる場合があります。
低用量ピルを服用している期間は、通常だと休薬期間(もしくは偽薬期間)に生理が起こります。
これはホルモンが入っているお薬の服用を止めることで体内のホルモン量が減少し、自然の生理と同じしくみで出血しています。
低用量ピルを飲み忘れた場合にも、体内のホルモン量が低下してしまうことで出血が起こる可能性があります。
本来出血が起こるはずの休薬期間や偽薬期間とは異なるタイミングで出血するため、「不正出血」となるのです。
避妊効果を正しく得るため、そして飲み忘れによる不正出血を防ぐためにも、毎日規則正しく飲むようにしましょう。
不正出血がある場合の対処法
不正出血が起きた場合は、ピルを始めて3か月以内なら基本的には低用量ピルの服用を中止せず、飲み続けて問題ありません。
ただ、ひどい腹痛を伴う場合や、連続して1か月以上不正出血が続く場合、ピルの4シート目に入っても不正出血がおさまらない場合は、妊娠や子宮筋腫、子宮頸がん、子宮体がんなどの病気が原因となっている恐れがあるため、低用量ピルを処方してもらった婦人科やクリニックを受診しましょう。
低用量ピルに関する不正出血以外の副作用
低用量ピルの副作用で最も多いのは不正出血ですが、他にもよくみられる副作用や重大な副作用について紹介します。
頭痛・吐き気・乳房の張り
低用量ピルの服用によって女性ホルモンのバランスが変化し、吐き気や頭痛、乳房の張りなどの症状がみられることがあります。
しかしこれは一時的な低用量ピルの副作用です。多くの人は日常生活に支障のない程度の症状で、飲み続けていくうちに1~3か月ほどで症状は落ち着くことが多いので安心してください。
3か月以上続いたり、症状が強すぎたりする場合は、処方されたピルが体に合っていない可能性があるので、医師に相談することをおすすめします。
頭痛や吐き気の症状が辛い場合は、頭痛薬または吐き気止めを服用しても問題ありませんが、飲み合わせが不安な場合は処方医や薬剤師に相談するのが確実です。
気分のムラ・むくみ・吹き出物
気分のムラやむくみ、吹き出物といった症状が起こると聞いたことがある方もいるかもしれませんが、低用量ピルの服用とは因果関係がないと言われています。
むしろ、飲み続けることで吹き出物などは改善が期待できます。
下痢・便秘・嘔吐
低用量ピルの影響で、下痢や便秘、嘔吐などの症状がみられる場合もあります。
水っぽい下痢や嘔吐を繰り返す場合は、薬がうまく体内に吸収されず、避妊効果が十分に得られない可能性があるので、必要に応じてピルの処方医に相談しましょう。
低用量ピルを服用してから2時間以内に下痢や嘔吐があった場合は、できるだけ早くもう1錠追加で服用しましょう。また下痢や嘔吐が24時間以上続いている場合は必ず処方医に相談して下さいね。
血栓症
血栓症とは、血液の一部が固まって血の塊(血栓)となり、血管が詰まってしまう病気です。
脳梗塞や心筋梗塞などに代表される、命にかかわる危険な病気なので注意が必要です。
低用量ピルを飲んでいない人が血栓症を発症する割合は、年間1万人に1~5人であるのに対し、ピルを飲んでいる人は3~9人と僅かではありますがリスクが高くなります。
また、下記に該当する人はピルの服用に関わらず、血栓症のリスクが高くなるため、特に注意が必要です。
- 喫煙する人
- 肥満の人
- 高齢の人
- ケガなどにより長期間身体を動かせない人
- 高血圧の人
これらに当てはまる人は、場合によっては低用量ピルの処方を受けられないこともあります。
命に関わるとても大事なことなので、問診では漏れなく正確に伝えてくださいね。
なお、低用量ピル服用中に下記の症状が出たら要注意です。
- 息苦しさ
- 重度の胸の痛み
- 重度の頭の痛み
- 重度のお腹の痛み
- 手足のしびれ、脱力
- ふくらはぎの痛み、腫れ
ピルによる血栓症の発症リスクは、飲み始めてから3ヶ月以内が最も高いといわれています。
特にこの期間は上記のような症状がないか注意してみてくださいね。
もしも症状が出たら、すぐにピルの服用を中止し、処方医へ相談しましょう。
万が一血栓症を発症した場合でも、早期に発見して適切に治療すれば治るといわれています。
症状に気付いたらそのままにせず、早めに医療機関を受診しましょう。
低用量ピルの副作用は3か月でおさまることがほとんど
低用量ピルは世界中の女性が使用するお薬で、高い避妊効果や、生理不順や月経困難症の緩和など、生活を快適にする効果が期待できます。
ですが、他のお薬と同じように副作用が起こる可能性はありますので、それらをよく理解することが大切です。
ピルの副作用の多くは不正出血も含め、体がピルに慣れるまでの一時的なもの。
もし副作用が現れた場合は、様子をみながら、無理のない範囲でまずは3ヶ月飲み続けてみてくださいね。
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※処方は医師の判断に基づき行われます。