医師監修コラム一覧へ戻る

「排卵日にお腹が痛い…」原因や排卵痛の特徴、対処法を紹介

排卵日あたりにお腹が痛い、その痛みは「排卵痛」かもしれません。排卵痛は、排卵前後数日に起こり、排卵が起こる際に生じる痛みのことと、言われています。

なお、「排卵痛」という名前の病気があるわけではありませんが、排卵時に生じる痛みのことを一般的にはこのように呼びます。

そもそも、排卵痛はなぜおこるのでしょうか?排卵痛の原因や特徴、対処方法についてご紹介します。

排卵日にお腹が痛む理由

排卵とは、卵巣で育った20㎜程の卵胞が破れて、卵子が排出されることです。

排卵日にお腹が痛くなる原因には、主に2つあると考えられています。その1つは、卵巣の膜が破れることです。

卵子は卵胞と呼ばれる殻のようなものに包まれて存在しています。卵胞は生理が始まったタイミングから育ち始め、成熟すると最終的に卵胞が破れて卵子が卵巣を突き破り放出されます。このとき卵巣の膜が破れるため、痛みを伴うと考えられています。

2つめの原因としては、卵胞が破れたときに出てくる卵胞液や血液が挙げられます。卵胞液や血液が卵巣から流れ出して何らかの原因から腹膜への刺激となってしまうことが痛みの原因として挙げられています。

排卵痛の特徴

排卵痛は、排卵した当日だけ痛みがある方もいれば、2~3日ほど症状が続く方もいるようです。痛みの感じ方も、人によってさまざまです。

また、排卵が起こる前にも痛みを感じる人がいますが、これは卵子を包んでいる卵胞が大きく成長しすぎて圧迫されることが考えられます。

なお、排卵のタイミングを事前に予測することは難しいことです。

例えば、生理周期が規則正しく、28日周期の方は、生理開始日から約14日後に排卵が起こると予想されますが、ストレスなどの影響を受けやすいため、予想した日に必ず排卵が起こるとは限りません。

実際にいつ排卵が起こったかというのは、生理が来てからわかります。生理は排卵が起こってから約14日後2週間後にくるといわれています。排卵のタイミングを知るのは難しいため、排卵痛がいつくるかも予想するのは難しいです。

ひどいお腹の痛みは病気の可能性も

排卵痛の感じ方は人それぞれです。全く痛みを感じない人や軽い圧迫感やチクチクとした痛みを感じる人、鎮痛薬が必要なほどの痛みを感じる人もいます。ですが、ひどい腹痛や出血量が多い場合は病気が隠れていることもあります。3日以上腹痛が続いたり、腹痛と合わせて出血量が多いようであれば婦人科の受診を検討しましょう。

子宮内膜症

子宮内膜症とは、本来子宮の内側にできるはずの子宮内膜が、何らかの原因で子宮以外の場所に発生し発育する病気です。主な症状は生理痛と言われていますが、生理の時だけでなく排卵時にも強い痛みを生じることがあります。他にも腹痛や排便痛や性交痛を訴えることも多いです。

治療法は、お薬によるものと手術によるものがあり、お薬による治療ではピルや鎮痛剤などを用いることがあります。

卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)

卵巣は約2〜3cmの大きさで袋状になっており、子宮の左右に1つずつあります。卵巣嚢腫は、良性の腫瘍で、袋の中に液体などがたまった状態のことです。小さいうちはほとんど無症状のことが多く、大きくなることで圧迫感や下腹部痛を生じます。

ただし、卵巣嚢腫が大きくなることで根元がねじれて茎捻転(けいねんてん)を起こしたり、卵巣が破裂して急激な腹痛を起こしたりすることがあります。サイズが小さく無症状であれば経過観察となることが多く、5~6cmを超えるほど大きくなると手術で取り除くこともあります。

卵巣出血

卵巣出血とは、卵巣が何らかの原因で傷つき、出血している状態のことです。(正しくは、臓器の周りの空間(腹腔)に血液が漏れ出すこと)

原因は性交時や子宮内膜症による影響や排卵、不妊症の治療によるものなどさまざまで、突然の激しい下腹部痛を引き起こすことが多いです。

出血量によっては経過観察を行うこともありますが、排卵期に激しい痛みを感じた場合は、すぐに婦人科を受診しましょう。

排卵日の腹痛の対処法

予測や対処が難しいこともある排卵痛ですが、いくつか対処法をご紹介します。

ストレスを解消する

排卵は女性ホルモンのバランスと密接に関わっています。ストレスを感じやすい方はホルモンバランスの乱れにより排卵痛が強くなる可能性があるといわれています。

ストレスをためることは、排卵痛の悪化だけでなく生理痛の悪化や生理不順にもつながるのです。日頃から、お風呂にゆっくりと入って身体を温めたり、適度な運動をしたり、十分な睡眠を取ったりなど、ストレスをためない生活を心がけることも大切です。

鎮痛薬を服用する

排卵痛を感じる人のなかには日常生活に支障をきたす程の痛みを感じる人もいます。つらい痛みを無理に我慢すると、かえってストレスが増すこともあるかもしれません。

痛みがひどいときは鎮痛薬を使用することも1つの手です。ただし、鎮痛薬を使用しても痛みが改善しないようであれば、婦人科の受診を検討しましょう。

低用量ピルを服用する

低用量ピルには、排卵を抑制する作用があります。排卵がないということは、排卵痛もおこらないため痛みを改善するのに効果的です。また、低用量ピルには、卵胞ホルモンと黄体ホルモンが配合されているため、生理不順の改善や生理痛にも効果があります。排卵痛で悩んでいる方は、婦人科への受診を検討しましょう。

排卵痛でお悩みの方はスマルナに相談しよう

排卵痛は痛みの程度は個人差が大きく、婦人科への受診が必要かどうか迷うこともありますよね。そのような時は、オンライン診療がおすすめです。スマルナではオンライン診察を取り入れており、医師の診察や低用量ピルの処方、自宅への配送にも対応しています。また、「スマルナ医療相談室」では助産師・薬剤師へ、365日無料でご相談いただけます。

婦人科の受診に抵抗がある、また忙しくて受診する時間がないなど様々な事情を抱えている方もいるでしょう。スマルナはスマホ一つで気軽に相談できるため、お悩みの方はぜひご相談ください。


参考資料

排卵時期の腰痛・性器出血|一般のみなさまへ

排卵時期の腹痛・腰痛・性器出血|一般のみなさまへ

年齢とともに変化!女性ホルモン|知っておきたい女性のカラダと健康のこと|女性のための健康ラボ Mint⁺

スマルナ

卵巣腫瘍

第3回「産婦人科診療ガイドライン-外来診療編」コンセンサスミーティング

低用量ピルってどんなお薬ですか?|スマルナ

お気軽にご質問ください

スマルナのサービスについて、何か不安な点やご質問がある場合は、お気軽にご相談ください。
お薬についてはアプリ内「質問」にある、スマルナ医療相談室にて助産師・薬剤師に無料でご相談いただけます。
スマルナ内ご相談先をまとめましたので、下記ボタンよりご確認ください。

相談したい