「PMSの対策に低用量ピルを飲み始めたけど、あまり効いている感じがしない」
「効果がないのに低用量ピルを飲み続けても大丈夫なの?」
低用量ピルは、PMSの症状を改善する効果が期待できるといわれています。しかし、低用量ピルを服用してもPMSの症状が改善しない人がいるのも実情です。一体なぜ、低用量ピルが効く人と効かない人がいるのでしょうか。
今回は、PMSで低用量ピルを服用しても効かない原因について解説します。低用量ピルが効かないときの対処法も紹介しているので参考にしてみてください。
PMSに低用量ピルが効かない原因
低用量ピルを服用してもPMSに効かない原因には、いくつかの理由があると考えられています。単にまだ効果が出るタイミングではないだけのこともありますし、病気が潜んでいる可能性もあるため、効かない場合は早めに医師に相談しましょう。
飲み始めのタイミング
低用量ピルを飲み始めてまだ1~3シート目の場合は、PMSへの効果が十分に出ない可能性があります。まずは3シートほど服用を続けて様子を見てみましょう。3シートほど服用することでPMSに対する効果が出てくることがあります。
服用を続けても低用量ピルが効かない場合は、お薬の種類が合っていない可能性があるため、医師に相談してみてください。
低用量ピルの副作用
低用量ピルの副作用によって、PMSと同じような症状が出ている可能性もあるでしょう。頻度はあまり高くありませんが、低用量ピルの副作用として次のような症状が出ることが報告されています。
- 下腹部痛
- 乳房の張り
- 頭痛
- 浮腫
- 腹痛
- めまい
- 食欲不振
- 食欲亢進
- 眠気
- 抑うつ
病気の可能性
低用量ピルを4シート以上続けて服用してもPMSに効かない場合は、何かしらの病気が発症している可能性があります。例えば、生理前に下腹部痛がありPMSの症状かと思っていても子宮内膜症や子宮筋腫により痛みが生じている場合は、低用量ピルでは症状が十分に改善されないことがあります。
ピルが効かないと感じたら早めに受診しましょう
低用量ピルが効き始めるまでの期間には個人差があります。飲み始めてまだ1~3シート目の場合は、十分に効果が出ていない可能性がありますが、それ以上服用しても効かないときは早めに受診しましょう。
低用量ピルの種類を変えてもらうことで効果が出るようになることもあります。また、早めに受診することで病気が隠れていた場合でも早期発見・早期治療につなげられるでしょう。
低用量ピル以外の治療法
PMSの治療方法には、低用量ピルを服用する以外にもいくつか選択肢があります。
漢方薬や利尿薬の服用
浮腫や乳房の張りに対して、利尿薬(スピロノラクトン)が有効なケースがあります。また、漢方薬もPMSの改善効果が期待できるお薬の一つです。PMSの治療に用いられる漢方薬には、次のようなものがあります。
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
- 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
漢方薬はその人の体質に合うものを選んで服用することが大切です。PMSに効果があるとされている漢方薬には多くの種類があるため、医師に相談して自分に合うものを見つけてみましょう。
抗不安薬などの服用
精神的な症状がつらい場合は、抗不安薬や抗うつ薬などを使用することもあります。欧米では、抗うつ薬の一つであるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)がPMSの第一選択薬です。
抗うつ薬と聞くと何となく不安になるかもしれませんが、うつ病の治療に使うときよりも少ない量で効果が発揮されるといわれています。
薬以外の日常生活でのPMS対策
お薬を使わなくてもPMSの症状を軽減できることがあります。生活習慣がPMSの症状を悪化させていることもあるため、自分の生活を今一度見直してみましょう。
不安感を軽減させるには、症状日記が効果的
症状日記とは、生理前に起こる症状を記録しておくものです。いつどのタイミングでどのような症状が出たのかを日記として記録しておくことで、自分のPMSの傾向が分かるようになります。
傾向が分かることで、PMSへの対策もしやすくなるでしょう。また、症状日記をつけることで気持ちが落ち着き、不安感やストレスを軽減させるのにも役立ちます。
タバコ・お酒・コーヒーはなるべく控える
タバコやお酒、コーヒーはPMSの症状を悪化させる可能性があるため、控えましょう。ストレス解消のためにタバコを吸ったりお酒やコーヒーを飲んだりしている人もいるかもしれません。とくに生理前はイライラしやすい人も多いかと思います。
しかし、これらの対策方法はかえって逆効果です。PMSが気になる人はタバコやお酒、コーヒー以外の手段でストレス解消をしましょう。軽く運動をしたり好きな音楽を聴いたりするのがおすすめです。
甘いものの食べ過ぎに注意
イライラを解消しようと、ついつい甘いものに手を伸ばしていませんか?甘いものを食べすぎると、血糖値が急上昇した後、急激に低下します。この血糖値の変動によってイライラがより強くなってしまうことがあるのです。
生理前になると甘いものを食べたくなるかもしれませんが、食べ過ぎには注意してください。チョコレートやケーキなどではなく、ドライフルーツやナッツなどを食べるようにするとよいでしょう。
ぬるま湯や蒸しタオルでリラックスを
PMSによる気分の落ち込みやイライラを緩和するためには、リラックスする時間をとることが大切です。ぬるま湯に浸かったり蒸しタオルで首元などを温めたりして気分を落ち着かせましょう。
お湯の温度を38~40度にすることで副交感神経が有意になり、リラックス効果が高まるといわれています。
ストレッチや適度な運動
ストレッチや適度な運動は、PMSの対策に有効だといわれています。身体を動かして血行を促進することにより、ストレス解消や不安感・疲労感の軽減につながるのです。PMSで身体が重いと感じることがあるかもしれませんが、無理のない範囲で身体を動かしてみてください。
PMSの治療に不安のある人はスマルナに相談しよう
PMSの治療法には、さまざまなものがあります。低用量ピル以外にもいくつか治療法があるため、服用しても効かないと感じる人は婦人科の医師に相談してみてください。
低用量ピルの服用を4シート以上続けてもPMSに効かない場合は、お薬が合っていなかったり何か病気が隠れていたりすることもあります。我慢して低用量ピルを飲み続けず、早めに相談しましょう。
スマルナでは、オンライン上で気軽に婦人科の医師による診察を受けられます。「スマルナ医療相談室」では、無料で助産師や薬剤師に相談もできるので、ぜひご活用ください。
参考資料