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生理痛がひどい…生理中は病院に行ける?婦人科に行くタイミングと受診時のポイント

つらい生理痛を毎月我慢していませんか?
もし日常生活に支障が出るほど痛みがつらいなら、一度病院を受診することをおすすめします。

生理痛の原因はさまざまあり、子宮の病気が原因のことも。早めの治療が大切です。
しかし、病院に行くべき痛みの程度はどれくらいなのか、行くタイミングはいつなのかを悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は病院を受診する際の痛みの目安や、受診のタイミング、受診前の準備などを詳しく解説します。初めて婦人科を受診する人のために、当日どんな検査をするのかもまとめているのでぜひご参考にしてください。

生理痛がひどい…!病院を受診するタイミングはいつ?

生理経験者の多くが悩まされる生理痛。しかし婦人科を受診するべきなのか、痛みの感じ方には個人差があるので判断が難しいですよね。

ではどの程度の痛みなら病院へ行くべきなのでしょう?ここでは受診の目安とともに、病気の可能性も含めて解説していこうと思います。

病院へ行く目安

まずは生理痛はどうして起こるのかを解説します。

生理(月経)周期の中では、妊娠に備えて体内では常に変化が起こっています。
受精卵が着床しやすいよう子宮内膜が厚くなったり、排卵を行ったりしています。そして妊娠しなければ、厚くなった子宮内膜が剥がれ落ち生理が起こります。

この生理では、剥がれた子宮内膜を体外へ排出するために、子宮を収縮させる物質が分泌されます。それを「プロスタグラジン」といい、これが生理痛の原因です。
プロスタグラジンが過剰に分泌されると子宮が必要以上に強く収縮してしまい、下腹部や腰の痛み、さらには胃痛や頭痛を引き起こしてしまうのです。

生理痛の原因はプロスタグラジンが過剰に分泌量されること以外にも、若い人や出産経験がない方は子宮口が狭く経血が排出されにくいことが挙げられています。また、何かしらの病気が原因となっている場合もあります。

もし、「生理痛がつらいな」と感じることがあれば、病気が原因の場合もありますので一度病院で検査をすることをおすすめします。特に、生理期間中に「動くのがつらい」と感じるタイミングがある場合は要注意です!
生理中の症状が日常生活に支障が出るほどひどい場合は「月経困難症」と診断されることがあります。

病院に行くか悩んでいる方は下記の病院を受診する目安を参考にしてみてくださいね。

《受診の目安》

  • 痛みで寝込んでしまう
  • 痛みが強く、通学・通勤が困難
  • 市販の痛み止めが効かない
  • 不正出血がある
  • 生理の出血量が増えてきた
  • 生理痛が生理のたびに強くなっている
  • 生理痛以外にも吐き気や頭痛、下痢などの症状がある
  • 貧血
  • 生理以外でも下腹部痛などの痛みがある

「我慢できるから大丈夫」と自己判断するのではなく、毎月の生理がつらい場合や、不安や心配を抱えている場合は、一度婦人科を受診し、医師に相談することをおすすめします。

受診のタイミング

生理痛で困っている際、病院に行くタイミングはいつがいいのでしょうか?

痛みが起こっているのは生理中ですが、出血が起きている生理中は行えない検査があります。
婦人科を受診するタイミングは、基本的には生理中を避けましょう。

ただ生理痛がひどくて痛み止めが必要な場合や、生理の出血が止まらないなどの場合は、出血している期間に受診しても大丈夫。
検査や治療をどうしていくのか、その後の流れを医師と確認しましょう。

月経困難症とは?

生理中の症状が日常生活に支障が出るほどひどい場合は「月経困難症」と診断されることがあります。
月経困難症には病気が原因のタイプと、病気ではないタイプの2種類があり、それぞれ対処法・治療法が異なります。

病院でしっかりと検査を行い、症状の原因を特定することがとても大切です。

月経困難症の2つのタイプ

機能性月経困難症(きのうせいげっけいこんなんしょう)

原因となる病気がないにもかかわらず強い生理痛などのつらい症状が起こる症状のことを「機能性月経困難症」と呼びます。
子宮を収縮させるプロスタグランジンが過剰に分泌されたり、子宮口が狭く経血がスムーズに外に排出されないことが原因です。またストレスも機能性月経困難症の原因だといわれています。

器質性月経困難症(きしつせいげっけいこんなんしょう)

「器質性月経困難症」は子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などの病気が原因です。
放っておくと鎮痛剤が効かないほどの激しい痛みや、出血による貧血などの症状が表れ、重症化するだけでなく不妊の原因になることも。早めに受診し、治療をすることが大切です。

月経困難症の主な治療法

月経困難症の主な治療法は、原因によって異なります。

機能性月経困難症の治療

原因となる病気はないものの、生理中につらい症状があらわれる機能性月経困難症。

主にはプロスタグラジンの過剰分泌が原因で生理痛が引き起こされていると考えられるため、治療方法としてプロスタグラジンの産生を抑えることができる低用量ピルや漢方薬などが挙げられます。痛みの原因となっているものに直接作用するため、症状の改善が期待できます。

鎮痛剤が効くようであれば、鎮痛剤の服用で痛みに対処することもできます。
ストレスも生理痛の大きな原因になるので、エクササイズや入浴でリラックスするなどのセルフケアも有効です。

器質性月経困難症の治療

器質性月経困難症は痛みの原因である病気を特定し、その病気に合わせた治療を行うことが大切です。

《器質性月経困難症で考えられる病気》

  • 子宮内膜症
  • 卵巣嚢腫
  • 子宮筋腫
  • 子宮腺筋症
  • その他(頸管狭窄など先天性のものや、クラミジア感染症による癒着など)

治療には低用量ピルの服薬やホルモン療法、手術による方法が考えられます。
子宮内膜症や子宮腺筋症など根本的治療方法がない病気の場合は、症状に合わせて病気の進行を抑える投薬治療を行うのが一般的です。
ただ、子宮内膜症が卵巣にできてしまうチョコレート嚢胞など、病巣部がハッキリしている場合は手術で取り除くケースもあります。

これらの病気は放っておくと将来不妊の原因になりますし、子宮や卵巣を摘出しなければならなくなることも考えられます。

病院を受診する際のポイントと診察内容

婦人科を受診する際は事前に準備をしておくと、当日とてもスムーズです。
先生に相談したい内容や服装など、ポイントをまとめておくのでご参考にしてくださいね。

受診時のポイント

つらい生理痛などの症状で病院を受診する場合、事前に準備していくと受診がスムーズになるのでおすすめです。

《準備しておくポイント》

  • 脱ぎ着しやすい服装(スカートがおすすめ)
  • 気になる症状のメモ
  • 基礎体温の記録グラフ(あれば)
  • 前日の性交は避ける
  • 外陰部を清潔に(ただし洗いすぎは避ける)

診察では内診を行う可能性があるため、脱ぎ着しやすい服装がおすすめです。
内診では、医師が膣内に指を入れ、中の状態を確認します。痛みはほとんどありませんが、内診に不安がある方は事前に医師に相談してみてくださいね。
※病気をしっかりと確認するために必要な場合もあります。

病院に行くと、事前の問診や診察で、起こっている症状やその期間などについて詳しく質問がありますので、メモを用意しておくと答えやすくなるでしょう。
メモしておくべきポイントは下記を参考にしてみてくださいね。

《メモのポイント》

  • 症状(いつから始まったか、不正出血の有無、おりものの状態など)
  • 生理周期や出血量
  • 過去の病歴(特に婦人科系の病気)
  • 服用中の薬の有無

主な診察内容

ひどい生理痛などの症状で病院に行く場合の診察は問診と内診です。

《当日の流れ》
問 診

内 診

必要に応じて尿検査や血液検査など

診察ではまず問診で症状や痛みの状況を確認し、必要に応じて内診を実施します。
内診とは膣内に指や器具を挿入して、医師が子宮や卵巣の状態を確認すること。

性交渉の経験がない人には内診の代わりにお腹の上から超音波検査(経腹エコー)をすることもあります。経腹エコーでは確認しにくい時は、経直腸エコーで検査することもあります。
※経直腸エコーとは、腸から超音波の機械を挿入して行う検査です。検査の前に不安を感じる場合は医師にその気持ちをご相談くださいね。

初めてだと、内診があることを不安に感じてしまう人も多いと思います。
その場合は遠慮せず、不安な気持ちを医師に相談してみましょう。
内診の代わりに超音波検査や血液検査で診断してもらえることもあります。もちろん詳しく状態を把握するために内診が必要な場合もありますが、どのような理由でどんなことをするのか、丁寧に説明してもらうことで不安が和らぐのではないでしょうか。

病気の可能性がある場合は、症状に応じて尿検査・血液検査・超音波検査・MRI検査・CT検査などを行います。

《検査で調べられること》

  • 尿検査…妊娠の有無・細菌に感染していないかなどをチェック
  • 血液検査…ホルモンの状態・腫瘍・貧血のチェック
  • 超音波検査…子宮や卵巣の状態をチェック
  • MRI・CT検査…器質性月経困難症の場合に追加で検査することが多い。子宮や卵巣の状態が詳しく検査できる

これらはもっと詳しく病状を確認するために追加で行われる検査です。必ず行うものではないので安心してくださいね。

生理痛は1人で悩まないで!

生理痛は我慢するものではありません。病気の可能性も含め、医師に相談することがとても大切。つらい生理痛も原因がわかれば治療方法を明確にでき、安心です。

もしも「婦人科に行く時間がない」「初めての婦人科はちょっぴり不安」という方には「スマルナ医療相談室」がおすすめ。
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自分のライフスタイルに合わせてスマルナをぜひ活用してみてくださいね。

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