低用量ピルの主な副作用は不正出血、吐き気、気分の落ち込みや変化、肌荒れ、乳房の張りなどです。その中でも一番多い症状は不正出血で、服用者の約20%が経験するといわれています。
低用量ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンが配合されているお薬なので、服用を開始したばかりの時期は体内のホルモンバランスの一時的な変化によって副作用が現れやすい時期です。
ただし、副作用はあくまで一時的なものであることが多く、1~3か月ほど飲み続けると女性ホルモンのバランスが整い、症状の多くは次第におさまっていきます。
副作用があると飲み続けることがつらいと感じるかもしれませんが、ほとんどの方では服用を継続することによって、次第に低用量ピルの効果を実感できるようになります。
ただ、副作用がひどい、症状が悪化する、3か月以上服用しても継続するなどの場合は、お薬の相性が悪かったり、その他に何らかの原因がある可能性があるため、まずはピルを処方してくれた医師に相談しましょう。
なお、重大な副作用に血栓症があります。ピルを服用することで血栓症のリスクがわずかながらも高くなるといわれています。具体的には、ピルを飲んでいない人が血栓症を発症する割合は年間1万人に1~5人であるのに対し、ピルを飲んでいる人は3~9人というデータがあります。
低用量ピルが原因となる血栓症は、発症の早期に適切な治療を行えば命にかかわる可能性は高くはない疾患です。
スマルナでは半年~1年に1度、定期的に検査を受けることをおすすめしています。
なお、日本では20歳を過ぎた全ての女性は1~2年に1回は子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。これは子宮頸がんが他のがんよりも圧倒的に発症年齢が若いためです。したがってピルを内服している方は、子宮頸がん検診の際に年に1回は対面で医師と相談する機会をもうけることをおすすめします。
また、血栓症はピルの服用有無に関わらず、生活習慣が大きく影響する疾患です。喫煙や肥満といった血栓ができやすい状態を避けて、日ごろから水分をしっかり摂り、適度な運動で予防するように努めることが大切です。